『夏の妹』
1972年(日) 大島渚監督作品
大島渚監督作品の中でも、
本作は説教臭くないから好きな部類です。
沖縄が本土復帰を果たした年に制作されているので、
背景に沖縄問題が見え隠れしますが、
いつもの大島作品のように声高にならないところがいい。
東京から沖縄にやってきた素直子(栗田ひろみ)と、
父の婚約者桃子(りりィ)。
素直子は、まだ会ったことのない兄を探しに来たのだ。
船で沖縄についたとき、
沖縄語を教えるという変わった青年(石橋正次)に出会う。
私を殺すべき人に会いにやってきたという初老の男(殿山泰司)とも出会い、それぞれ一緒に人探しをすることに。
素直子が沖縄にやってきたのは、
兄と思われる男性からの手紙がきっかけだったのだが、
その兄と思われる男が妹として見ていたのは実は桃子だった・・・
沖縄が日本本土に復帰して間もない頃ですので、
自動車は右側を走っています。
そして、
ベトナム戦争時に色町として使われたコザ市(現在は編入されて沖縄市)を自動車で廻ったりします。
武満徹の音楽もさわやかで、
沖縄観光巡りもできるのですが、
人間関係はかなりドロドロしています。
まず、兄と思われる若者の父親が実際に素直子の父親であるかどうかわからない中、
自分の父親と実際の父親かもしれないもう一人の男と、
二人と関係を結んだ女が宴会したりする。
(ややこしくてスイマセン)
素直子の兄だと思われる若者が、
自分の父親の婚約者と関係をもってしまうところがあったり。
この複雑な人間関係の中に、
沖縄問題を比喩的に表現するのが面白いし、
それものんびりしたムードで展開するのでいい。
そんな中、光る一瞬の狂気に緊張が走る呼吸もいい。
桃子役のりりィのアンニュイな雰囲気もいいなあ。
父親役の小松方正の、
笑顔だが目は笑っていない演技は怖い。
主演の栗田ひろみのみずみずしい魅力は、
次作『放課後』で小悪魔的な魅力に変化します。
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