赤目四十八瀧心中未遂 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
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赤目四十八瀧心中未遂

2003年(日)荒戸源次郎監督作品

 

結構へヴィーな159分です。

自分の存在価値を失った男と泥の中で可憐に咲く花のような情熱的な女。

そんな二人の情念の逃亡の顛末。

 

釜ヶ崎(大阪市西成区にある日本一の日雇い労働者の町)から、

知人の紹介で尼崎にやってきた男生島。

 

生島はあてがわれたアパートの一室で、

焼き鳥屋の女主人勢子から鳥の臓物の串刺しの仕事を言い渡される。

1本3円。

来る日も来る日も風通しの悪い淀んだ空気の中で、

真夏の暑さの中黙々と仕事をこなす。

 

生島のあてがわれたアパートの住人は、

皆、癖があり影のある人間だった。

 

そのアパートの住人の一人、

刺青彫師の彫眉と一緒に住んでいた美しい女、綾。

 

生島は綾に興味を持つが、

勢子らからはあの娘には近づくなといわれる。

 

生島は彫眉から危険な仕事を頼まれるようになり・・・

 

舞台がこてこての関西である、

尼崎(作品中では尼と呼ばれる)や天王寺

 

客観的にカメラを通してみると、

まるで別宇宙ですね。

 

通天閣界隈の雑踏から、

天王寺動物園新世界の映画館、

四天王寺

大阪環状線近鉄電車

赤井英和がカメオ出演したりするが、

焦燥する生島の心情を象徴する。

 

心中を決意した綾生島は、

赤目四十八瀧へむかう。

 

それまでの雑踏から一変して、

そこには神秘的で壮大な美しさがある。

森の中を流れる清流は、

二人の心情を表したものだろうか。

 

綾の背中一面に彫られた刺青が美しい。

演じる寺島しのぶが光る。

内田裕也演じる彫眉の生硬さもいい。

 

マネキンの少年を自分の子のように連れまわす老夫婦。

土管のなかで死んでしまうウシガエル。

この奇妙な世界は、

まるでつげ義春の漫画のようだ。

 

作品的には、

もう少し生島の心理に食い込んでほしかった気もしますし、

大阪弁のアクセントにいささか違和感を覚えた点が惜しかったですが、

見応えのある力作です。

おススメ!

 

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