赤ひげ | あの時の映画日記~黄昏映画館

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赤ひげ
1695年(日)黒澤明監督作品

数々の傑作を生んだ、
黒澤=三船の最後の作品であると同時に、
最後の『モノクロ作品』でもある。

原作は、
山本周五郎の『赤ひげ診療譚』
3時間5分の大作であるため、
途中でインターミッションが入ります。

江戸時代後期の享保の改革で徳川幕府が設立した、
小石川養生所を舞台にした、
感動の群像ドラマ。

赤ひげ(三船敏郎)と呼ばれる寡黙だが貧しい患者を報酬を顧みず診療する名医の奮闘と、
長崎で蘭学を学ぶ少々自信過剰な若医者(加山雄三)の人間的成長を軸に、
舞台となる養生所に集まる貧しい人々の数々の出来事を描く。

黒澤ヒューマニズム作品の中でも、
『生きる』のように押しづけがましさがなく、
時にユーモアを交えながらの黒澤監督の演出は絶品。

風の音、
風鈴の根、
鶯の鳴き声、
そして大地震、
人物の心模様を表す効果音の使い方のうまさ。

生意気だった加山雄三の鼻っ柱が、
いとも簡単にへし折られ、
次第に三船赤ひげに心酔していく過程も面白い。

加山雄三は、
『若大将シリーズ』などとは比べ物にならない好演だが、
出番は加山より少ないながらも三船の存在感は圧倒的。

自然に演技をさせるといわれる黒澤監督。
この作品でも、
大雨、強風、大雪、雪解けと、
ここでも登場人物の心情を映している。

特に、
連日の激務に倒れた加山雄三を、
12歳で遊郭に売られ、
他人を拒んできたおとよが雪を溶かしながら
看病するシーンは印象的。

また、
人間的やさしさを取り戻したおとよが、
年端もいかないこそ泥の少年におむすびを渡すシーン。
ここも感動的だ。

自らの出世を捨てて、
この貧しい養生所に骨を埋めることを、
祝言の席で婚約者に語る加山雄三と、
それを見ながらすこし照れているように見える三船。

『医は仁術である』
この有名な言葉を見事なドラマにして見せてくれた、
黒澤映画の傑作。
セットも壮大です。

印象的なセリフがあります。
『人の臨終の瞬間ほど壮言なものはない』

予告編










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