ファイブ・イージー・ピーセス | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます


ファイブ・イージー・ピーセス
』 原題:Five Easy Pieces
1970年度(米) ボブ・ラフェルソン監督作品

これは’70年代という時代が作った作品だと思う。
現状に対する形のない不安。
一方で時代が持つ卓越する会話力によって、
時代を生き抜いていこうという力。
でも、その力はこの時代のアメリカの世相と同じく、
根拠がなくて自信がない。

その時代の申し子だったジャック・ニコルソンが、
いつもの過剰気味の演技を抑え、
静かな表情で映画の雰囲気を創りあげてます。

音楽一家の名門家族の次男ロバート(ニコルソン)。
かれはそんな”いい生活”からドロップアウトし、
石油採掘工場でエルトンらとはたらいていてた。

適当に彼女も作りながらも、
無軌道な生活を続けているロバートは、
ある日姉から父親の具合が悪いことを知る。

ロバートは久しぶりに家に帰り、
家族もそれなりに温かく迎えてくれるが、
なにかしっくり来ないものを感じていた。

数日すると、ほったらかしにしていた彼女レイも、
ロバートの屋敷にやってきて、
ディスカッションに参加するが、
そこでレイは無教養をさらけ出してしまう。

そんなレイをロバートはかばう。

口を利くことができなくなった父親と、
一対一で対話する場面がいい味で、
「僕は疫病神」と号泣するシーンはこの作品のクライマックス。

エンディングも主人公の無軌道性がぶれていなくていい。
印象的なラストシーンです。
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