カビリアの夜 | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます




カビリアの夜』 原題:Le Notti di Cabiria
1957年度(伊) フェデリコ・フェリーニ監督作品

とても悲惨な物語なのに、
なぜか見終わったら身体中から生きる意欲が湧いてくる、
そんな素敵なフェリーニ作品です。

夜の仕事をしているカビリア(ジュリエッタ・マシーナ)。
ある日、つきあっていた男性に大金の入ったカバンっをひったくられ、
川に突き落とされてしまう。

危うくおぼれそうになるところを、
近所の人々の救助で何とか助かる。

が、当のカビリアは、
助けてくれた人たちにお礼を言うどころか、
憎まれ口をたたいて家に帰ってしまう。

家に帰っても、
鍵はひったくられたカバンの中に入れてあったため、
カビリアは玄関から入ることが出来ず、
窓から入る始末。

ある夜、
カビリアは喧嘩中のカップルに遭遇してしまい、
そのカップルは喧嘩別れしてしまう。
その男性のほうは映画スターで、
男はカビリアを一夜の相手として選ぶ。

カビリアは今まで経験したことのないような、
ゴージャスで素敵なデートをする。

しかし、
やっぱり男はその夜だけの女性として選んだだけであって、
翌朝にはまったくの他人。

こんな暮らしから一日も早く脱出したいと考えているカビリアは、
祈祷の集会(?)に出向き、
涙ながらにマリア様に助けを乞う。

お祈りが通じたのだろうか、
カビリアはふと立ち寄った見世物小屋で催眠術をかけられ、
それを見ていた紳士に付き合ってほしいと告白される。

初めて知った本当の愛。
カビリアは紳士のプロポーズを受けることになるのだが・・・

全編を通じて、
カビリアを演じるジュリエッタ・マシーナの演技がすごい。

口角を少し上げてニタッと微笑むマシーナ。
決して美人じゃない(失礼)ですけど、とても魅力的に見えます。

気が強くて強情で意地っ張りで、
それでもとても純真なカビリアを奇跡的な演技で魅せてくれて、
そして時折天使のような無垢な表情を見せる。

ゴージャスなナイトクラブに入場するシーンの面白さ、
さらにマンボを踊るマシーナの躍動感、
とても素晴らしいです。

根底には「魂の救済」がテーマになっていますが、
決して理屈っぽくない。

人間の、いや女性のたくましさを描いた、
まさしく傑作。
こんな元気をもらえる作品大好きです。

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