死刑執行人もまた死す | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます




死刑執行人もまた死す』 原題:Hangman Also Die!
1943年度(米) フリッツ・ラング監督作品。

この作品が作られたのは1943年のこと。
まさにナチス・ドイツが世界中の脅威となっていた時代。
その時代にこんな作品ができるなんて、まさしく奇跡です。

ナチス占領下のチェコのプラハ。
その残虐な殺戮行為で「死刑執行人」とよばれていたナチス副総督のハイドリヒが暗殺される。
暗殺した男はプラハの町でゲシュタポに捕まりそうになるが、
街角で野菜を買っていた女性の機転でその場を逃れることができた。

そしてその夜、
暗殺者の男は女性の家にやってきて、
そこに匿われる。

暗殺者の発見に血眼になるゲシュタポは、
問答無用で一般市民、技師、あげくは牧師までも、
犯人を隠蔽した証人として拘留していき、
ついには匿ってくれた家の主人まで連行されてしまう。

暗殺者が自首してこないと、
捕らえている証人を20分毎に3人ずつ処刑していくという。
女性の父親もいつ処刑されるかわからない。
次々と処刑されていく人々だったが・・・

まさに、手に汗握るとはこのこと。
そしてレジスタンスの熱い思いが観ている者にもひしひしと伝わってくる。
ゲシュタポの描き方に時折コミカルな表現が見られるが、
これが痛烈な皮肉になっている。

一枚岩になっていると思われるレジスタンスの中にも、
ゲシュタポに内通して甘い汁を吸っているものがおり、
その正体がわかるところも映画的な面白さ。

構図にも大変凝っていて、
いろんなアングルからの撮影が、
サスペンスをひときわ際立たせる。

収容所に入れられた市民が、
みな一様にレジスタンスの思いを秘めており、
次第に心がひとつになっていくのもたいへんいいし、
一人、また一人と連行され処刑される場面は胸を打つ。

ナチス・ドイツの蛮行を描いた作品は、
シンドラーのリスト 」をはじめ秀作が多いですが、
この作品はそれらの作品の中でも上位におけると思います。

冒頭に何気なく登場した野菜屋の女主人が、
拷問を受けても決して屈しない姿に、
この作品のテーマが強く打ち出されています。

オススメ!!!!!
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