エル・トポ | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます


あの時の映画日記

エル・トポ』 原題:El Topo
1970年度(米=メキシコ)
監督・脚本・音楽・衣装・装置・主演 アレハンドロ・ホドロフスキー

上記に示すとおり、アレハンドロ・ホドロフスキー監督が全てやっている、
異色中の異色なウエスタン。
不条理でファンタスティックでエキサイティング。
物語の序盤に登場する裸の子供も自分の子供。

山賊に住民を虐殺された町に流れ着いた子連れの主人公エル・トポは、
その山賊たちを退治する。
その山賊に囲われていた女が、エルトポに付いて旅をすることになり、
修道院で子供を捨てる。

あの時の映画日記

女は、「この砂漠には4人の銃の達人がいる。
全員殺して。
最強の男じゃないと嫌なの」とエルトポに懇願する。

4人の達人はそれぞれ盲目のヨガの達人や東洋哲学者、
自然主義者や超能力者などまさに極めた人間たちだったが、
エル・トポは卑劣な手段を用いて4人を倒す。

旅の途中、女はレズになりエルトポを裏切り、
エルトポを射殺する。

と、ここまででもブッ飛んだ展開だけれど、
物語はまだまだ序盤。

洞窟の中でエルトポは蘇り、
眠っていたエルトポを看ていた女と、
洞窟の中で幽閉されているフリークスたちを解放しようとする。

その町とは、
人種差別が横行し、堕落しきった退廃した町だった・・・

1970年に作っちゃったらまずいでしょ。
レズ、SM、,フリークス、全部詰まっている。
100羽を超える死んだうさぎや引き裂かれたヤギなんかも本物。
いや、1970年だから作れたのかな。

ヨハネの黙示録などに精通していたら、
それぞれのシーンでの哲学的なセリフがもっと理解できただろう。

いささか長尺で難解な部分も多いのだが、
少しも退屈しなかった。

野趣的で荒っぽいタッチは、全盛期のクロサワに通じるものを感じた。
とにかく線が太いのだ。
あるいは退廃した町の描写は、「フェリーニのローマ」を連想した。

セリフが極端に少なく、余計な説明は一切なしで物語が進行していくので、
最近の説明過多な作品とは確実に違う。
観る者それぞれに違った余韻に浸れると思います。

こんなに文章にするのが難しい作品はそうありません。

冒頭にも書きましたが、本当に異色作。
面白いかどうかは別にして、一見をおすすめしたいです。


ペタしてね 読者登録してね フォローしてね
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ にほんブログ村
ポチっとしていただけたら嬉しいです。

エル・トポ HDリマスター版 [Blu-ray]/Happinet(SB)(D)
¥3,990
Amazon.co.jp

エル・トポ HDリマスター版 [DVD]/Happinet(SB)(D)
¥3,990
Amazon.co.jp