2013年(日) 沖田修一監督作品
派手な音響と、目がくらむようなCG映像の洪水の中で、
こういう作品を観るとホッとしますね。
舞台は1980年代東京~長崎。
18歳の大学生横道世之介が主人公。
サンバサークルに入り、自動車教習所に通い、
アルバイトをしながら一人暮らしをしている普通の大学生。
この世之介、とにかく人がいい、超お人好し。
初対面の相手に対する警戒感はまるでなし。
そんな彼の周りに集まってくるのはいいやつばかり。
世間知らずの世之介をほっておくことができない。
年上の妖艶な美女に片思いしたりするが、
ある日、世之介は社長令嬢と恋に落ちる。
二人の恋愛遊戯もまるでノーガード。
禅問答のようなピュアな関係。
時は現代に戻って、
みんな世之介のことを思い出す・・・
「蛇にピアス 」以来約5年ぶりの共演となる、
高良健吾と吉高由里子の掛け合いは抜群。
「蛇に~」ほどの衝撃はないものの、安心して観ていられます。
彼ら二人を取り巻く人々もいい人ばかり。
悪い人が表に登場しないのは良質な人情喜劇だということ。
大袈裟に言えば、フランク・キャプラの描く人間賛歌へのオマージュのよう。
劇中に出てくる車や音楽のディテールにもこだわっていて、
特にレベッカの「monotone boy」が流れてくるあたり、
その時代を思い出して、鳥肌が立ちました。
哀しい物語のはずなのに笑顔になれる。
そんな素敵な小品でした。
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