数あるブライアン・デ・パルマ監督作品の中でも、私が最も愛してやまない作品。
『ファントム・オブ・パラダイス』
１９７４年度（米）
かの有名な「オペラ座の怪人」をロック・ミュージカル調に自由脚色した異色作です。
ポピュラー音楽界の頂点に立っているスワン（ポール・ウィリアムス）が、才能豊かな作曲家ウィンスローリーチの新曲を騙し取り、さらに麻薬所持の罪を着せる。
歯を抜かれたりしながら刑務所を脱走したウィンスローは復讐のために、スワンのレコード工場に忍び込むが、プレス機械で顔半分をつぶされ、声もうばわれた怪人と化す。
仮面をつけて、新しくオープンするスワンのパラダイス劇場の屋根裏に隠れて劇場に爆薬を仕掛けたりして大暴れする。
スワンは怪人と化したウィンスローに、パラダイス劇場のオープンにウィンスローが心惹かれていた娘（ジェシカ・ハーパー）に唄わせてやるからといって騙し、ウィンスローに作曲を続けさせる。
そして、曲が完成するやいなや、ウィンスローを部屋から出られないよう扉を固めてしまい幽閉する。
怒った怪人ウィンスローは壁を破って飛び出して、オープニング公演でにぎわう劇場内を暴れまわります。
彼女も、顔も、声も奪われたウィンスローの作る音楽の哀愁。
画面分割や長回しカメラで味わえるデ・パルマ独特の映像感覚。
ウィンスローが愛した娘役のジェシカ・ハーパー（このあと、サスペリアでブレイクします）の可憐な美しさ。
スワン演じるポール・ウィリアムスのふてぶてしさ。（この映画の音楽を担当しています）
あちこちに散りばめられた、ヒッチコック監督作品のパロディ。もちろん、シャワーシーンもありますよ。
デ・パルマ監督の原点であり頂点であると私は思います。
是非、多くの人に観てもらいたい作品です。
がちゃん
