北海道札幌市立 札幌開成中等教育学校 | 校歌の広場

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高校の校歌についていろいろ書き綴っています。
高校野球でも流れたりする、校歌の世界は奥深いですよ~

今回は、北海道の札幌開成中等教育学校です。旧校名は札幌開成高校です。

https://www23.sapporo-c.ed.jp/sapporo-kaisei/index.cfm/1,html

 

札幌市北区、立地としては札幌丘珠空港の近くに所在している学校で、札幌市立としては札幌旭丘高校に次いで戦後2番目の高校です。現在こそ市街地の中にありますが、創立当初は人家が点在する雪原の野っ原といった様相だったようです。

校名については元町高校の仮称が付けられたり北桜や北陽などの候補があったものの”開成”に落ち着き、札幌開成高校として昭和37年に開校しました。東京の開成学園と同じく”務”から採用されたとする見方の他、「生徒の天分をき展ばし、その和を基にし、新しく力に満ちた社会を形していく」とする説もあるそうです。

校歌は作詞:谷川俊太郎 作曲:宍戸睦郎で昭和39年制定です。

札幌開成 現校歌 (全3番)

 山あり 空あり 大地あり

 無限の問いに 答えつつ

 今日をいかに 生くべきか

 心心に 理想は高く

 われら ともに学ぶ 開成高校

 

校歌の作成は初めから学校の校風醸成や基礎固めが一段落するまで延ばす方針だったようです。「単に自然環境や旧跡などを織り込むのではなく人間として生きるべき道や教育の基本を盛りつつ、北国の若人が歌うにふさわしい新しい形式のもの」という構想のもと谷川氏に依頼して来校、学校のイメージを掴むのに苦心されたようですが完成にこぎつけました。

校訓は山アリ空アリ大地アリ、永遠を知れで、1番冒頭に取り入れられています。「山あり~無限の問いに答え」までがその範囲なのでは?と思いますね。

それ以前には開校初年に作られた「生徒の歌」が、校歌や応援歌代用を兼ねていたようです。

 

その後、平成23年に札幌市中高一貫教育校設置基本構想を策定、市内の市立高校8校のうち札幌開成高校を母体として中等教育学校に改編する計画が進められ、平成27年に札幌開成中等教育学校として新規に開校しました。

校歌については、平成24年の開校50周年記念式典において谷川氏から校名部分を「開成札幌」に修正する案を提案され、開成高校の伝統を引き継ぐ意味もこめてほぼ従来通りの形で決着しました。

札幌開成 現校歌 (全3番)

 山あり 空あり 大地あり

 無限の問いに 答えつつ

 今日をいかに 生くべきか

 心々に 理想は高く

 われら ともに学ぶ 開成札幌

 

中高一貫校ではありますが、4年生(高校1年相当)からも入学することは可能です。現在はIB(国際バカロレア教育)、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)認定校としてグローバル社会に立ち向かい、学び続ける力を養うことを目標としている学校です。

 

高校野球では、昭和63年夏に甲子園出場しています。谷川俊太郎氏作の校歌の中で、甲子園出場校はこの札幌開成高校と長岡向陵高校花北商業高校(現・花北青雲高校)の3校くらいではないかと思われますが、いずれも初戦敗退で惜しくも流れていません。