今回は、千葉県の千葉東高校です。
https://cms1.chiba-c.ed.jp/chibahigashi-h/
"東"と付いていますが、千葉市でもやや西寄りのJR千葉駅近くにある学校です。
付近には千葉大学や千葉経済大学、千葉商業高校なども立つ文教地域ですね。
昭和16年創立の千葉市立千葉高等女学校を前身として、現在は千葉県でも有数の進学校となっています。
校歌は作詞:沢田繁二 作曲:石黒脩三で、千葉第三高校時代の昭和26年制定です。
作詞の沢田繁二氏は当時の教頭だったそうですが、県内の他校でも多くの校歌を作詞されました。
千葉東 (全2番)
シャロンの花と たたへたる
古きつたへの谷の百合
清きほこりを移し植ゑ
学びの園に つちかひぬ
深きまなびの かてなくば
汝し をみなご をとめさびせじ
なんだか出だしが神話のような雰囲気ですね。
「シャロンの花」とは、中東イスラエルのシャロンという土地に咲くムクゲという花の意味です。
旧訳聖書では"清純・純潔"の象徴とされ、"雅歌"にも「シャロンのばら、谷のゆり」は最も美しい乙女のことを歌っていると言われます。
総じてキリスト教の聖書から取り入れているわけですが、いわゆるミッション系私立ならともかく公立の校歌としては珍しいと思います。
「汝し(いまし)をみなご」は"あなたたち女子"、「をとめ さびせじ」は"女性の気品や趣が現れてこない"と読み取れば良いでしょうか?
要約すれば、聖地に咲くムクゲや百合のように気高い女性を千葉のこの学校でも育てよう、そうして学問や(昔の女性の価値観としての)家政、あるいは品格を学ばなければ、あなたたち女子といえども女の気品や魅力は現れてきませんよということでしょう。
1番は上記のように女子を歌っていますが、2番は「アルプの山のこごしきを ふみやぶりたる ますらをの…」と男子を歌っています。
こちらは箱根八里の歌詞に似ている気がします。
女子から歌うのは女子校として始まったからとも言われます。
旧制の高等女学校も制定されたはずですが、未調査で詳細不明です。