まず、保元の「乱」の後の天皇家の状況を確認しておかなければなりません。
わかると思うんですけど、ここがいなくなるわけです。
で、じゃあ改めて書き出してみると、まず「鳥羽」が亡くなっているわけです。
また、「鳥羽」の関係者が生き残っていますから、一応鳥羽を無視できないですけど、
まず無視できないのが「女院」の「美福門院」です。
これはまだ生きていますので、無視できない…。
何を言っているかって言うと、この「美福門院」と鳥羽っていうのが、大量の荘園を持っているわけです。
「治天の君」だったから荘園を持っているわけですけど、
で、その荘園は後白河には継承されないわけですよ。
なぜかって言うと、後白河門院っていうのは中継ぎですから、その人の「守仁」がいるわけですけど、
じゃあ鳥羽と「美福門院」の荘園っていうのは誰に継承されるかって言うと、「八乗院」を継承されるわけです。
で、鳥羽は死んでますから、ここがだから荘園は継承しているわけです。
この「美福門院」から「八乗院」へ荘園が継承される。それが「八乗院領」ということになるんですけど、
あくまで後白河は中継ぎですから、天皇家の家の長として院政をやるなんてことにはならないわけです、
あくまで森仁への、この「守仁」が本来の鳥羽の後継者ということになるんだけれども、
問題はこの人が若年であるということです、。
で、当然これをカバーする人が必要で、「美福門院」ていう考え方は当然あるんですけど、
女性だし、しかもこの「美福門院」の家ってそんなに「貴族」社会で家柄が高いわけではない。
「院の近臣」の家なんですから。
そうなると「美福門院」の一族が森仁をバックアップして摂政になんていう話にはこれは当然ならないですから。
そうなってくると出てくるのが誰かっていうと、鳥羽の「院の近臣」だった藤原の「信西」ということになるんです。
「信西」自身は非常に能力があるのと、
もう一つ重要なのはその「信西」の妻ですよ。
この「信西」への妻っていうのが後白河の乳母ですから、
で、これは古典常識に類する話ってことになりますけど、乳母ですから当然この女性と後白河は非常に密接な関係がありますし、
乳母の一族と乳飲み子です。お乳をもらった側っていうのも密接な関係ってことになるんで、
当然ここの関係は両方ってことになりますよ。ということになりますので、
「院の近臣」の藤原「信西」、これが国政を指導するということです、。
なぜかって言うと、保元の乱後、天皇家が空白であるということなんです。
中継ぎの後白河上皇、それから幼少の「二条」天皇です。
ちなみにこの後、後白河は「守仁」に「皇位」を継承して二条天皇になります。
で、これはなぜかって言うと、天皇にならないと上皇になって「院政」はできないですから、天皇になるのは当たり前ですし、
後白河も これで上皇になったことで、可能性として院政をやる道が見えてきてるわけです。
ちなみに後白河ってこの後「二条」の下で院政をやろうと彼自身は思ってるということになります。
ただし、あくまで政治を指導しているのは藤原「信西」ですから、
後白河上皇の「院政」が始まったわけではないというところをまず押さえておいてほしいと思います。
で、じゃあいわゆる1159年の「平治の乱」っていうのは、じゃあなぜ起こったんだっていう話になるんですけど、
わかりやすく言えば、「院の近臣」でさして家柄も高くない藤原「信西」が国政を主導することに対する反発です。
要は面白くない人間たちがいるということです。
反「信西」派の連中がいる。
で、この反「信西」派には大きく2ついるんです。
1つが院の「近臣」の中で何で「信西」なんだよと、それが藤原信頼と呼ばれる人物です。
でこの藤原信頼も、平家物語だとなんかしょうもないなんか悪いキャラみたいな感じで描かれてますけど、立派な軍事貴族です。
この藤原信頼の一族って、武蔵国とか、ちなみに信頼自身も武蔵の国で「受領」とかやった経験があるんですけど、
だから「院の近臣」としては「受領」をやって上皇に奉仕するそういうタイプの「院の近臣」です。
ちなみにこの藤原信頼は後白河の「院の近臣」ってことになります、
後白河上皇ですから、その当然「近臣」がいてもおかしくないってことになるんですけど、
で、この藤原信頼は、その一族が東日本で「受領」をやってるわけです、
例えばこの藤原信頼お兄さんに藤原の元就っていうのがいるんですけどこれはふんと思って聞いてくればいいですけど、
これ陸奥守をやってるんですよ。陸奥守をやってるって事は「奥州」藤原氏と親しいわけです。
ちなみに元就の娘は秀衡と結婚してますんで、だからこの信頼っていうのは隣を通じて、
要は例えばその「奥州」藤原氏から金とか馬とか鷲の羽とか、そういったものを手に入れることができる、
だからそういう意味では結構能力のある人です。
それから武蔵野守つまり武蔵の国の「受領」をやってたわけだけど、その頃に河内源氏の源義朝と結構親しくなってるんで
信頼が声かければ源義朝はやらせていただきますみたいな形で協力してくれるんで、
だからその意味で言うと信頼は「受領」系の院の「近臣」であると同時に、源義朝とかを動員できる、ちょっと軍事貴族的な側面もあるんです。
というのもあってこの後白河上皇の「院の近臣」として急速に出世してくるという感じなんです、。
平家物語だと後白河におべっか使うしょうもないやつみたいな形で描かれてますけど
それはこの人が結局平治の乱を起こすんですけどで首謀者なんですよ。
で、最後死刑になるんでそれを悪く書こうっていう、もう平家物語史観の典型的な例です。
だから藤原信頼をダメな奴って理解するのはあかんです。
で、その信頼が、急速に出世して「信西」に対して対抗しようとするっていうのが一つと
もう一つ反「信西」グループで誰が出てくるかっていうと、この「二条」天皇の側近たちです。
例えば、藤原惟道であるとか、
であとは多いみかど常々とかです。あとは葉室のこれ方とか、そういう連中が「二条」天皇の側近ってことになります。
で、この二条天皇の側近ってことになると、この二条天皇はあくまで「美福門院」から後継指名されてますから、
鳥羽が指名してるって事は「美福門院」が指名してるとイコールなんで
ここ一帯のものですからで、そうすると何が大事かっていうと、
二条天皇というのは「美福門院」から後継指名されてます
で、「美福門院」は自分と夫である咎が持っていた大量の荘園「八乗院」、娘の「八乗院」継承させてます。
それが「八乗院領」ってことになるんですけど、この「八乗院領」を守るために当然たくさん武士を「美福門院」は抱えてるわけです。
例えば「美福門院」が抱えてる「八乗院領を守るための武士の代表的な例が摂津の源頼朝なんです。
でいいですか、その人が指名してるわけですから、この二条天皇の側近たちと備蓄門院及びその「八乗院領」を守ってる武士はある程度、関係があってもおかしくないですよ。
ですからここの「二条」天皇の側近に摂津源氏の源頼政が源頼朝は系図確認しときましょうか、
山川の「詳説」日本史です。源氏の系図から、源頼政はチェックしておいてください。
当時の摂津源氏の棟梁です。河内源氏と「摂津」はまた違いますから、
それも系図見てもらえばわかるんですけど、これで見えてくるじゃないですか、
「院の近臣」の藤原信頼自体が軍事力を持ってるし、源義朝が関係者としている、
それから二条天皇の側近である源頼政ってのもいるということです。
で、ちなみに言っときますけど、この両者っていうのはそんなに仲は良くないです。
なぜかって言うと、藤原信頼からすると後白河が「院政」やってくれた方がいいですよ。
なぜか。自分は後白河の「院の近臣」ですから、後白河が「院政」をやってくれた方が当然自分としては出世の見込みがありますし、
一方の「二条」天皇の側近たちからすると、後白河が「院政」なんかやったら困りますよ。
とっとと二条天皇が「信西」自ら天皇として政治をやってくれ、
で、しかも「二条」天皇が上皇として院政をやるようになれば、
ここら辺は笑いが止まらないってことになるから、お互いに考えてることは微妙に違うんだけど、とりあえず信西がうざいよということは、一致してるわけですよ。
でその「信西」をじゃあうざいから排除しようって言った時に、信頼は源氏とそして二条天皇の側近は源頼政がいるわけですから、
そこら辺を動員すれば女子力でこれを排除することはできますよ。
そこら辺っていうのが「平治の乱」の一つ、背景だから山川の「詳説」日本史なんかだと「平治の乱」は「院の」近親同士の権力争いっていう風に書いてあります。つまり藤原信西と藤原信頼です、。
名前が出した方が分かりやすいですから、っていうことなんでしょうけれども、
そういう「信西」が国政を指導することに対する反発。
じゃあなぜそもそも「信西」が国政を主導するのって言った時に、
量が後白河は中継ぎだし本来の跡継ぎでは二条天皇は若年だし、っていうところで、
要は「信西」が出てきたっていう部分があるんだけど、
なんでてめえがやるんだよっていうところですよ。
これはやっぱり「院の」近臣っていうのが家柄が低いんでというところもありますし、
人生がちょっと独裁的な傾向があったっていうことも影響してるんですけど、
で、この反「信西」グループが信西を政治的に排除するにあたって注意しなければいけないのが平清盛ですよ。
要は軍事力で排除するって言った時に清盛がこっちについたら困りますから、
だからこの反「信西」グループは何やったか、
清盛が熊野詣に行ってる間に「信西」を襲撃したという、
そういうような形で平治の乱が始まるということになります
「信西」派と「院政」派内の反信頼派です、。
「院政」派内の阪神前半っていうのはここですよ。
「院の近臣」の藤原信頼たちです、
。ここら辺が藤原を殺害するということなんです、。だからこれは清盛がいなければうまくいくということなんです、。
で、その平清盛の軍事力によって、この藤原の信頼たちはやられるということになります。だから4番です、。神聖かたいらの清盛 vs 「院政」が源義朝軍事力に勝る前者が勝利するということで、だから結局平治の乱も清盛が味方した側が勝ったということなんです。
清盛が味方した側が勝つのは当然で、
それは軍事貴族としてこの当時の異性形式っていうのが力を持ってたからっていう、またはそれだけです。
だからここら辺も平家物語史観だと平次郎なんて平清盛 vs 源義朝みたいな形で説明されたんですけど、
全然構図が違うんですよ。いやだから平家物語史観で理解しちゃいけないんですよ。
で、しかも平清盛と源義朝がある程度、力も接近してたみたいな感じで説明すると
平氏の「乱」の戦い自体は盛り上がりますよ。だから平治物語の分岐ものとか、当然それはある程度ね戦いが盛り上がれば盛り上がるわけだけど、それは真実じゃないからで真実じゃないことは説明したらまずいんで、だからその意味でこの源頼政と平清盛たちが藤原信頼とか源義朝をやっつけるということになります。
源義朝は東国に逃げる途中、義友っていうのはねも相模の国に白河とか鳥羽の荘園があったんですけど、そこの管理人とかをやってるんで、だから源義朝は東日本にある程度地盤があるんで逃げるんですけど逃げる途中、終わりの国で長田忠宗っていう、自分の元部下だった人に裏切られて殺されますで、藤原信夫より、これが当然首謀者ってことになるんですけど、首謀者なんでこれ捉えられて結局30で注意をしたいのはあくまでこの平氏の何ていうのは院の「近臣」とか「二条」天皇の側近とかが頑張ったってだけなんで、後白河とか「二条」天皇っていうのは直接この「乱」には関わってないっていう研究が、一般的です。一部研究者はね信頼が「信西」に突っかかったのは後白河の影響だっていう風に言ってる研究者もいるんですけど、それを否定してる研究者っていうのがやっぱりいますから、ちょっとそこは何とも言えないという。だからあくまで良い「近臣」や天皇の側近たちが軍事貴族を動員した。
で、その動員された軍事貴族たちに、源義朝であるとか源頼政であるとか、そして平清盛がいるということなんです。
だからそう考えると源義朝の息子で13歳、この「平治の乱」が初陣だった源頼朝です。
首謀者でも何でもない、首謀者に誘われて戦に参加した軍事貴族の息子ですから、しかも13歳ですから、これを殺すってなると、ちょっとね後味が悪いっていう部分があるんで、源頼朝は伊豆に島流しにされると、
ところがその伊豆島流しにされた頼朝が20年後に今流しに下側です。平清盛たちに報復するわけですから、
ある種の因果応報ではあるし、この時、死刑にしてればねっていう話はあるということでございます。
この保元平治の乱の結果ですけれど、
これによって平清盛朝廷における軍事警察部門を独占する、教科書にそう書いてあるからそう書きましたけど、
節減時の源頼政はいるけどな、っていう話はあります。
ただ力関係で言えば圧倒的に清盛が力が強いんで、
確かにこの後清盛が朝廷の軍事警察を、ある独占していくっていう話にはなります。
それはなぜかって言ったら、河内源氏がいなくなったっていうのもありますし、
清盛が参加した側、これが保元の乱の「平治の乱」も買ったからだというふうに言うことができます、
以上平家物語史観によらないで、保元「平治の乱」を説明してきました。
◆おまけ
