マスコミよ「水原一平」を殺すな!! | 中嶋柏樹のブログ

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  マスコミよ「水原一平」を殺すな!!

 

 あの”水原一平”がロスの裁判所に出頭した前後に、マスコミは問い掛けに一言も応えようとしなかったことに不満だった様です。裁判所の正面から堂々と入廷したことからマスコミはコメントが得られると思ったようです。そうすることが辣腕弁護士の作戦なのかも知れませんが、そう云ったことよりも、無言を通す水原被告の表情のほうが気になりました。

 

 水原被告は”一平ちゃん”と呼ばれていた頃から普通以上に表情が暗いのが気になりましたが、そのこと以上に大谷選手がインタビューに応えて「ビジネス上と割り切って、付き合っている」「友だちでは無い」と言い切ったことに驚きました。

 日本の常識では、お世辞を込めて「ごく親しい友人で、面倒見のよい兄のような人です」と云うところでしょうが、あまりの冷めた言い方に「大谷らしい言い方なのかなァ」と思っていました。

 しかし今となっては、あの頃にはああ云う言い方しか出来なかったのだろうと思います。

 

 水原被告が自ら「依存症」であることを告白した事があったようですが、その時の気持ちを考えますと気の毒に思えてなりません。依存症の心境としては、やりたくなくてもやらずには居られないのです。依存症は「心の空白を物で埋める病気」ですから、「買い物依存症」は買った品物を封も切らず部屋の中に山のように積んであります。「アルコール依存症」はお酒が飲めないのに苦しみながら呑み続けるような場合もあります。”呑兵衛”が”アル中”になるとは限りません。

 

 水原被告の表情などからは感情が疲弊し切って起伏が無くなり、心が平板になってしまっているように感じます。このまま追い込めば「自死」を選ぶかも知れません。

 縊死する時はドアノブでもベッドの高さでも成功するので、専門病院の保護室でなければ防げません。

 

 依存症治療には主に精神科病院が応じていますが、生活が破綻し救急車で運び込まれた依存症患者が数ヶ月で元の身体に回復しますので、保健所などの精神保健福祉の担当者は「またやれる身体に戻して退院させている」と遣り切れない気持ちを訴えています。

 依存症治療専門の病院も徐々に増えてきていますが、治療の決め手となる手段はごく例外的にしかありません。

 

 日本を代表する依存症治療の専門病院でも「再入院」は当然であると考えているようで、当初から入院期間を3ヶ月と決めていて、その間の治療活動や行事を恙無く終了した患者は「卒業」と称して「再入院」を認めています。治療活動や行事を終了しない患者は只の「退院」であって「再入院」を認めていません。どこの依存症治療の専門病院でも依存症の治療は元患者の”集い”である「断酒会」のようなところに委ねています。

 

 宗教団体の集いのように輪になって手をつないで「依存を断ち切ろう」と誓いあっていますが、その集会に参加しなくなった元患者を心配する余力は無いようです。「依存症」の治療は「互いに監視し合う」ところまでですから、よほどモティベーションが明確でないと頑張り続けられません。

 

 水原一平被告は刑が確定したら日本に送還されるかもしれませんが、日本に「依存症」の治療はごく稀にしか存在しません。アメリカには少なからず存在するようですが、残念ながらアメリカへの「再入国」は認められないようです。

 

 時にタレントや芸能人の子どもなどが「依存症」で騒がすのも珍しくありませんが、判で押したように繰り返しています。日本で「依存症」の治療をしてくれる病院を探す努力が治療へのモティベーションのように思います。