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のんびり屋のジョー

四季折々、自然に親しみながら、あちこち散策しています。

ドラマ「スクラップ・アンド・ビルド」

原作:羽田圭介(153回 芥川賞受賞作)

 

サラリーマンを辞め、新たに行政書士資格を目指す主人公

健斗(柄本佑)と勤める母(浅茅陽子)そして87齢の

祖父(山谷初男)の3人家族の物語。

 

健斗は家で勉強しながら就職活動をするが上手くいかず

図らずも体の不自由な祖父の面倒をみることになった。

「痛くて痛くてどうもようならん、早く迎えにきてほしか

毎日それだけば祈っと」が口ぐせで毎日聞かされていた。

そこでふと、死を追い求める祖父の手助けが自分で

できないだろうかと考えつく。

友人に話しすると「人間は骨折して体を動かさなくなると

身体も頭もあっという間にダメになる」と聞き、とんでもない

方法を思いつく。

 

それは丁寧な介護をし、身体を楽にして運動させない、

困ったことがあれば直ぐ手助けして頭を使わせない、

そして安らかな尊厳死へ持っていく方法だ。

祖父はそんな健斗の思惑を知ってか知らでか、思わぬ展開へ・・・

 

録画していたドラマを見て、面白かったので原作を読んでみた。

現代っ子の心理や行動が詳細に書かれ、高齢化問題を新たな

視点で捉えていて興味深かった。

 

原 作

ドラマ「ファーストラヴ」

原作:島本理生(第159回直木賞受賞作)

 

時々、テレビが面白くない場合は録りためていた映画や

ドラマを観ることがある。

昨夜は表題のドラマ、直木賞作品は多少読んでいるが

この本は未読、単なる恋愛ストーリーと予想していた。

ところが殺人事件が主題、しかも著名な画家の父親を

・環菜(上白石萌歌)が殺したという事件だ。

しかし動機がはっきりしない、この事件の解明に弁護士

(平岡祐太)と公認心理師・由紀(真木よう子)が臨む。

本心を明かさない娘に対し、時には優しく、時には怒りを

ぶつけて面談を重ねていく・・・はたして真相はいかに。

 

ところでタイトル「ファーストラヴ」は・・・

ストーリーが進む中、環菜の幼い恋心と

由紀のほろ苦い恋を細やかに絡ませている。

 

本が先か、ドラマが先かと言われるとこの様な謎解きの

ミステリーは結果を知らない方が良いと思った。

登場の公認心理師という職業について馴染みが無かったが

国家試験があり、心理状態を観察し分析する仕事で教育・医療・

福祉など、多方面で活躍されているそうだ。

 

 

原 作

「ピアニストの脳を科学する超絶技巧のメカニズム」

著者:古屋晋一

 

コンサートでピアニストが目に止まらぬ速さで演奏するのを見て

人間の計り知れない能力に感嘆するばかりであるが

そのメカニズムについて詳しく解説されている。

 

『 ピアニストの指はなぜあれほど速く動くのか?

ピアニストの手指を動かす神経細胞は長年の練習によって

複雑な指の動きを生み出しやすいように特殊な変化をとげている。

「ピアニストとそうでない人の決定的な違いは脳にある」

ピアニストは3、4歳ぐらいからピアノを弾き始め、演奏家に

なる為に20歳までに約1万時間を超える膨大な練習を積み重ねて

いると言われ、特に幼少期11歳までにしたほうが脳を育むうえで

効率が良いそうだ。

しかし大人になっても脳の神経細胞は増えるので、始めるのが遅くても

練習時間さえ沢山確保すれば上手になるチャンスが残されている』

 

人が話す時、話したいことをイメージするだけで自然に口が動くが

ピアニストはイメージした音を自動的に手指へ伝え動かせる技能、

耳と指をつなぐ脳の特別な回路を持っているそうだ。

あらゆる角度から超絶技巧のメカニズムが探究されていて興味深い。

 

楽器類は全く手にしたことは無く、もっぱら聴き手専門だが、

お気に入りの音楽を聴いて感動している時は脳からドーパミンが

沢山分泌され心地よくなるそうで、脳活性化の為に、これからも

音楽鑑賞の機会を増やしていきたい。

 

 

 

 

逸翁美術館にて開催中の「百鉢展」を観に行く。

 

阪急東宝グループの創始者、小林一三氏は茶の湯に

造詣が深く、茶道具をはじめ書画骨董を数多く収集したが

その内の一部、鉢を108点まとめて展示。

百八(鉢)は煩悩、洒落で数合わせをして集めたとか。

 

多くは中国・明や宗時代の花鳥文の鉢が多いが

江戸時代の樂長入・永樂保全・仁阿弥道八など

巨匠による器も揃っている。

 

いずれも名品ばかりだが、これらの器を使った茶会の

盛り上がりに思いをはせて、ゆっくり鑑賞した。

 

 

東京で45万人を集めた「ゴッホ展」が兵庫県立美術館

(神戸)へやってきた。

ゴッホは37年の短い生涯のうち、画家として活躍したのは

わずか10年間だそうで、その短い間に「ハーグ派」と

「印象派」に出会い、独自の画風を確立。

影響を受けたセザンヌ・モネ・ルノワール・ピサロ

シスレーなどの作品も同時に展示。

 

今回、あまり馴染みのなかった初期の落ち着いた表現の作品から

一転して鮮やかな色彩と力強いタッチの作風への変遷が

辿れるように、ゴッホの作品約50点が展示されている。

 

7年ぶりの来日となる傑作「糸杉」と最も美しい作品のひとつと

言われる「薔薇」を中心に見どころが多い。

 

 

「糸杉」 93.4x74cm

木も草も空も渦を巻いているようなタッチで描かれ

その強いエネルギーに感動した

 

 

パイプと麦藁帽子の自画像 49x30cm

 

 

麦畑 50x61cm

 

 

薔薇 71x90cm

 

モンマルトルの家庭菜園

 

 

↓麦畑とポピー            ↓器と洋梨のある静物