「ピアニストの脳を科学する超絶技巧のメカニズム」
著者:古屋晋一
コンサートでピアニストが目に止まらぬ速さで演奏するのを見て
人間の計り知れない能力に感嘆するばかりであるが
そのメカニズムについて詳しく解説されている。
『 ピアニストの指はなぜあれほど速く動くのか?
ピアニストの手指を動かす神経細胞は長年の練習によって
複雑な指の動きを生み出しやすいように特殊な変化をとげている。
「ピアニストとそうでない人の決定的な違いは脳にある」
ピアニストは3、4歳ぐらいからピアノを弾き始め、演奏家に
なる為に20歳までに約1万時間を超える膨大な練習を積み重ねて
いると言われ、特に幼少期11歳までにしたほうが脳を育むうえで
効率が良いそうだ。
しかし大人になっても脳の神経細胞は増えるので、始めるのが遅くても
練習時間さえ沢山確保すれば上手になるチャンスが残されている』
人が話す時、話したいことをイメージするだけで自然に口が動くが
ピアニストはイメージした音を自動的に手指へ伝え動かせる技能、
耳と指をつなぐ脳の特別な回路を持っているそうだ。
あらゆる角度から超絶技巧のメカニズムが探究されていて興味深い。
楽器類は全く手にしたことは無く、もっぱら聴き手専門だが、
お気に入りの音楽を聴いて感動している時は脳からドーパミンが
沢山分泌され心地よくなるそうで、脳活性化の為に、これからも
音楽鑑賞の機会を増やしていきたい。