◇年神貞子さん(出水市)「ナマコ」
 ◇田中由利子さん(薩摩川内市)「トムとジェリー」
 ◇清田文雄さん(出水市)「ATMのぼやき」
 はがき随筆3月度の入選作品が決まりました。出水市上知識町、年神貞子さん(74)の「ナマコ」(1日)▽薩摩川内市宮里町、田中由利子さん(69)の「トムとジェリー」(9日)▽出水市高尾野町柴引、清田文雄さん(71)の「ATMのぼやき」(2日)--の3点です。
 3月11日の大災害以後には、その感想を綴(つづ)った文章が増えるかとも思っていましたが、そうではありませんでした。おそらく多くの人が言葉を失ったのではないでしょうか。それにしても、テレビで聞く政治家や評論家の言葉の非力さには、「かまどの下に燃える茨(いばら)の音」(伝道の書)のような虚(むな)しさを感じます。
 天変地異そして人災、鴨長明の『方丈記』にはその中での生き方が考察されています。
 年神貞子さんの「ナマコ」は、海鼠(なまこ)釉薬(ゆうやく)の色あいと本物のナマコの色の違いに、はじめはがっかりしたが、調理したら美しいナマコ色が出てきたという驚きが記されています。日常の瑣事(さじ)への観察の細かさが優れた文章にしています。
 田中由利子さんの「トムとジェリー」は、車道の真ん中でのネコとネズミの追っかけっこを、アニメの「トムとジェリー」に見立てた文章です。信号待ちの短い時間の、2匹の小動物の動きが的確に表現されています。
 清田文雄さんの「ATMのぼやき」は、自分の、ATMを使っての払込書の挿入ミスを、機械の視点からからかった文章です。短い文章のなかにも、客の服装や駆けつけた銀行員の様子などに、波瀾(はらん)を感じさせる仕掛けのある文章です。
 入選作の他に3編を紹介します。
 鹿児島市魚見町、高橋誠さん(60)の「電子書籍」(12日)は、娘さんから還暦祝いに読み取り機を贈られた内容です。何かと批判の多い電子書籍ですが、意外と老人には好評のようです。問題は内容の質と量ですね。肝付町前田、吉井三男さん(69)の「エコ対策」(19日)は、ご夫婦で揚げ足取りをしながら、省エネに励んでおいでの様子が、軽妙な会話仕立ての文章で綴られています。霧島市溝辺町、秋峯いくよさん(70)の「卒業旅行」(26日)は、お孫さんたちが卒業旅行に鹿児島に来て、自然と温泉と美食とを満喫して帰って行った。ここまでは普通の近況報告ですが、最後にその日「東日本大震災を知った」という一文を加えることで、まったく別の印象をもつ文章になっています。(鹿児島大学名誉教授・石田忠彦)
 ◇係から
 入選作品のうち1編は30日午前8時半過ぎからMBC南日本放送ラジオで朗読されます。「二見いすずの土曜の朝は」のコーナー「朝のとっておき」です。
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 ◇投稿規定◇
 だれでも投稿できるミニ随筆です。日常生活の印象的な出来事を日記がわりに、気楽に書いて下さい。作品は文章部分が250字前後(14字×18行)。他に7字以内の題。住所(番地まで)、氏名、年齢、電話番号を明記し、〒892-0847 鹿児島市西千石町1の32 鹿児島西千石町ビル 毎日新聞鹿児島支局「はがき随筆」係へ。はがき、封書など書式は問いません。新人の投稿を歓迎します。

4月15日朝刊

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白浜温泉で防災研修 地震津波、施設が対応学ぶ
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【巨大地震と観光地の課題について話す照本清峰特任准教授(14日、和歌山県白浜町で)】
 大地震と津波に対し観光地はどう取り組むべきかを学ぶ防災研修会が14日、和歌山県白浜町の白浜温泉旅館協同組合事務所で開かれた。和歌山大学防災研究教育センターの照本清峰特任准教授は「各施設が連携し地域全体で対応する仕組みづくりが必要」と話した。

 東日本大震災を受け、同組合が照本さんを講師に迎えて開いた。組合加盟施設や町商工会、白浜観光協会、町などから約40人が参加した。

 照本さんは東海・東南海・南海地震の概略と、観光地としてどう対応するかの考え方を説明。観光地では全従業員が地震・津波の危険性について知識を持ち、どんな場合にでも客に避難するよう迅速・的確に伝えられるような備えが必要だと強調した。

 花火大会の最中に大地震が発生したらどうするかなど、最も危険性の高い条件を想定して対応を考えることも重要と指摘。防災対策がしっかりしていることがアピールポイントにもなると話した。

 また、避難終了後、観光客をどう被災地外に安全に送り出すかを考えることも観光地の使命と話した。

 参加した宿泊施設経営者は「施設外に出た客が右往左往しないで安全なエリアに避難できる仕組みづくりが必要と感じた」と話した。

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栃木県は、県内に避難している震災被災地の住民を、宇都宮市の公園に花見に招待した。
避難者は「生きててよかったなあと思います。きょうはね、何も考えないで、1日楽しく過ごそうかと思っています」と話した。
このお花見は、栃木県が県内に来ている避難者のために、栃木県総合運動公園で13日~17日まで、「桜を見て元気をだそうキャンペーン」を開催している。
15日は、福島・飯舘村などからの避難住民およそ120人が招かれた。
屋台では、栃木・佐野市で有名な佐野ラーメンやいもフライ、宇都宮のギョーザ、地ビールなどが無料で振る舞われ、園内の入浴施設では、湯西川温泉から運ばれた湯を使い、即席の温泉が用意された。

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