jokegirl -22ページ目

なんかちょっと

 寒さをこらえて

 トイレ我慢して

 なんかちょっと考えている

 はっきりとしたことわかんないんだけども

 でもなんかしぼりださなきゃって考えてる

 なんだろなーなんなんだろうなぁ

 わかんないんだけどもわかりたいよなぁ

 なんかでてこなくて気持ち悪い

 早く早く知りたいのに

 気持ち悪い
 
 寒さをこらえて

 トイレ我慢して

 なんかちょっと考えている

 目の前のやらなきゃいけないことにもと手がつけられないでいる

 

イトシイアノヒト

 たくさんの想い出を

 作るから

 そばにいてほしいよ

 ゆずれない気持ちおしつけて

 ばかなことしたよ

 ホントごめんね

 ふたり

 歩いた公園の

 並木道は今は裸で

 春になったら花模様

 着飾る君とまた来ようかな

 うつりかわる街の中で

 君はきれいになってゆく

 一緒にいれることの喜びを

 一番知らなきゃいけないのは僕だ

 ゆずれない気持ちは自分には

 つかっちゃいけないものなんだね

 君への想いがゆずれない

 そうさ君に使うんだ

 だから言うよ、大声で

 今が恋しい僕だから

 君が、好きです

 

×

 この胸のうちをわかりたくて

 自分に問いただしてみても

 まったく見えない不安の影が

 ただ自分を急かすだけで

 どうしていいのかわからない迷い道

 くだらない生きかたしてるって

 鏡の自分に言うけども

 だからどうにかしたくても

 どうにもできないわからない

 自分が嫌いと言うのはたやすいのに

 なんで自分を受け止められないんだろう

 優しくしてあげられないんだろう

 自分が信じられなくて

 他人がゆるせないままで

 落ちてくとこまで落ちてみれば、とつぶやくけども

 底なんかない、はいあがれない

 かってに苦しんでるのわかるから

 だめだってわかるから

 なにかが邪魔して受け入れられない現状を

 どうか目が覚めるように気づかせてほしい

 時の流れでは解決できない自分のことだから

・静かな二人の時間 3

 2月にしてはなかなか穏やかな晴れの日だ。

 少し薄着かな、とおもっていたけども、そんなことはないみたい。

 春がもうきたような感じすらする。

 冬の寒い日はあまり好きにはなれないけど、唯一、この澄みきった水色の空は好きかも。

 スパッと青っ、みたいなとこがいいよなー

 なんだか高く高くー、感じる。

 東京にいたときはこんなに空見上げることはなかったけな。

 やっぱ田舎は気持ちがいい。

 高いビルっていったらホテルくらいだし。

 それだってのぶの家の付近にはないから、高いものといったら電柱とか、木とか、山とか。

 とかとか…

 ははは。

 すがすがしい、てこんな感じ? だろか。

 いや、すがすがしい、てなんか違うかも。

 私は日本人だけどもあまり日本語多くは知らないようだ。

 うまい表現が見つからない。

 ま、”気持ちがいい”としかでてこないや。

 あれ?

 そういやなんか物足りない気がする。

 電柱…、電線…

 はて?

「のぶ、なんかさー

 すずめがあんまいなくない?

 あんたんちいくときさー電線にいつもすずめいっぱいいてさー

 フンこわっ、とか思ってここ歩いてた気がするんだよね。

 でもなんか、いないよね? すずめ」

「んー、

 言われてみれば、最近ここらじゃあんま見ないな。

 いないことはないだろうけども」

「そっかー

 どこいったんだら?」

 すずめなんて減るような鳥じゃないと思ってたんだけどもな。

 田舎の風景もちょびっとずつ、なんか変わってきてるんだろか。

 これも温暖化のせい?

 …適当なこと思って勘違いだといやだから、ま、よしにしよう。

 もしかしたらすずめもつばめのような渡り鳥だったかも? だし。

 …。

 そりゃないか。

 いいや、めんどくさいや。

 わかんないことはあまり深く考えないのが私だ。

「そういえばさ、

 のぶ」

「んー?」

「これいつできたの?」

「さー」

 さー、って、おい。
 
 いつのまにか前方に信号機がたっていて驚いた。

 ここらへんはまったく来てなかったので、こうも変わってたりするとなんか違和感がある。

 記憶の中では学生の頃の風景のままなので…

 あそこにあった家が駐車場になってる、とか、

 道路がりっぱになってるとか、

 ソテツが切られて防波堤作られてるとか…

 地味に浦島状態かも。

 おいしかったピザのお店もいつのまにやらただの家に改装されてるし。

 たしかに人いないからお店もなくなるんだろうけども…

 さびしいなぁ。

「あーっ、なにこれっ

 ここの公園っ海が見えなくなってんじゃっんかっ」

 港の端っこにある小さな児童公園。

 ここのブランコに乗っていつも海眺めてた思い出がある。

 のぶの家で遊んだ帰りがけにひとり寄って、ここでまた遊んだ記憶。

 好きだったのにな、ブランコ揺らしながらフェンス越しに見えた海の姿が。

 漁師のオジさんたちがぶらぶらしてるの眺めたり、磯の香り楽しんだり。

 今晩のおかずなんだろなー、とか思ったり…

 それが台無し。

 フェンスが防波堤の壁になって、まったく海が見れなくなってしまってる。

 まるで牢獄の中にある公園みたい。

 あぁ…なんだかなぁ。

 津波きたらこの高さくらいゆうに超えちゃうだろうに…

 どうせつくるならものすごい要塞つくれよー

 したらあきらめもつくのに。

 なんか中途半端な高さの防波堤って…

 がっかり度がますだけだ。

 これが必要だとはわかりつつも、もっとなんとかなんなかったんだろうか。

 自分の生まれた町だから好きには好きだけども…

 景観がくだらなくなってしまってる気がする。

 なんだか住むにはつまらないとこになっちゃってきてるようだよ。

 駿河湾が地震ばかりひきおこさなかったら、こんな景観にはならなかったんだろうな。

 見れば穏やかな海なのに。

 危険度、大、なんだよねぇ…

 毎年やばいやばい、といわれてる地域だしなぁ。

 東海地震なんてずっと起きなきゃいいけども…こればかりはわからないよなぁ。

 自然てホント予想つかないもんね。

 て、

 またそんなことひとりぶつくさ考えて嘆いてたら「ん」とのぶに肘でにの腕をつつかれてしまった。

 ぷるぷるするからやめて、と思うけども、それは言いたくない。

 どうやら車がきてないので、道路を渡れという意味らしいし。

「はいはい」、とうなずいて道を横断した。

 東京なんか交通量多いけども、好きあらばみんな飛び出してくよ。

 なのにここ交通量少ないのに…、のぶはちゃんと信号を守るのねぇ。

 えらい、えらい、というか、なんというか…

 まじめだら。

 のぶのおばぁちゃんのしつけがうまくいった、ということだろか。

 そうして少し歩くと、「お」、ヤツが見えた。

 ヤツって呼ぶほどのもんでもないかもだけども…私にとってはモンスターだ。

 もうね、かなりの急斜面のコンクリートの坂だよ。

 昼間は日差しが照り返して白く光って目が痛くなるくらいなんだよね。

 こんな急斜面なのにさ、昔はこの坂の両脇にも小さな家が建っていたんだよなぁ。

 もう壊されちゃってるけども、かなり狭い土地に無理やり建てた感じの家だった。

 東京じゃ三角形の小さな狭い土地に家建ててるとこ多かったけども、昔あった家もそんな感じ。

 いまは跡地に雑草が生えてるのみ、か。

 ここに家があったなんて後から来た人は想像できないだろうなぁ。

 …しかし、 

 この坂の角度って、どんくらいだら?

 まー急勾配といってものぶのおばぁちゃんも登れる坂だし、80度とか、じゃないよねぇ…

 ははは、そんなん登れないし。

「ホントに、いつ見てもこの坂、急だよね

 ここ使う人感心しちゃうよ」

「うむ」

 のぶは、まあね、みたいな自慢げな顔した。

 そりゃ自慢もしたくもなるだろうよ、と私も思う。

 子供の頃、クラスの男子たちがこの坂を自転車押してのぼって頂上から一気にくだった、ていう自慢をしあっていたっけ。

 すっころびそうになった、とか、

 自転車だけ先にいっちゃって壊したとか、

 うまくおりたわいいけども、坂飛び出して道路でちゃってあやうく通りかかった車に引かれそうになったとか。

 で、こっぴどく親に叱られた、とか。

 あはは、子供は命知らずだよな、まったくもって。

 なんでこんな坂から自転車でくだろうと思うかねぇ…

 ほんと、不思議だら。

 てか、自転車でくだれるなんて…ますますここの角度気になるわ。

 やれるっ、てことだもんね…

 でも見あげるとすごい急な坂で、そんなん危険すぎてできそうにないと思えちゃうけどもなぁ。

 うん~ここ45度とか、か?

 うんん、私、算数嫌いだったからなぁ。

 角度とか、リットルとか、メートルとか…

 もうホント見当つけらんない。

 わかんない、わかんない。

 マジ、こうゆうのわかる人、尊敬しちゃうよ。

「ねぇ、のぶさー

 この坂何度あるの?

 かなり急じゃんねぇ」

「知らん」

 …。

 そうですか。

 ま、気にしないだろうねー使う人は。

 家へ向かう坂なんて毎日のぼりおりするだけだし。

 それが当たり前なんだろうし。

 気にもならんよねー

 てか、こんなとこよくのぼりおりできるよなぁ。

 私きっと息切れしちゃうよ。

 おまけに上まで行くのにかなり時間かかりそう。

 かなりゆっくりのぼることになるだろうな。
 
 のぶなんかスイスイスイスイ行っちゃうんだろうね。

 はぁー、見上げるたびにこの坂はため息でるよ。

「ん。

 行く」

「あー、はいはい」

 私が坂を目の前にして突っ立ったままなので、のぶが先に歩き出した。

 子供の頃のイメージしかないのぶなので、なんだか変な感じだ。

 いつも私が先頭でのぶは私の後をついてきてたから。

 中学や高校へ進学した後は、ほとんどのぶと遊ぶことなかったので…

 のぶがどう成長したのかも知らないままだしね。

 いつまでたっても私の中ののぶは子供の頃の子分のままだ。

 だから余計に不思議な感覚だ。

 目の前にある男の人の大きな背中、それをのぶに感じるとは。

 だけども、そう思ってみたとこで…、やっぱのぶはのぶ、としか思えないのはなぜだろう?

 姿、形がもう大人の男性になってるんだけどもな。

 おまけにイイ男に成長してるし。

 けども。

 のぶはのぶのままにしか思わない、というか、思えない。

 私がおねぇちゃんで、こいつが年下の男の子…ま、弟だね、うんうん。

 その気持ちは変化してないので、だからかな、だいぶ不思議な違和感があるの。

 安心感は感じるけども…

 のぶだし。

 性格もたいして変わってなさそうだし。

 私もすっかり子供時代の口調でのぶとしゃべっちゃってるし。

 のぶもそれがあたりまえみたいな態度でいるし。
 
 けっこう会ってない期間長かったけども、やっぱそこの関係は縮まって戻るんだな~と。

 でも、あののぶが27歳になるなんてねぇ…

 別れた男にはこんな関係というか気持ちにはならないんだろうけども…

 あのばか男、今どうしてるだろか。

 奥さんに捨てられてなきゃいいけども。

 子供いたみたいだし、うまくいってればいいな。

 いや、もう平気な顔でうそこいて不倫してるやつだもん、また浮気しちゃってるんだろうか。

 …なら、離婚してるかな。

 どうでもいいか、そんなこと。

 過去過去。

 そうだ、過去なんだからさ。

 思い出すだけ時間の無駄だ。

 てか、

 なにぃこの坂ー。

 さっきから足あがらないよ。

「のぶ、なんか私進んでなくない?

 めっちゃのぼれてる気がしないんだけども。

 あーもう足が疲れてきたらぁ」

 もうつかれたので、前ゆくのぶの服をひっぱって歩きを止めさせた。

 ちと休みたい。

 まださほど歩いてないけども…

「ん?

 んー、がんばれ」

「いやだね」

 そういったらのぶがおりてきて私の後ろにまわった。

 そして当たり前のように自分の背中を私の背中にくっつけて背で私を押しながら歩きはじめた。

「おーラクラク~

 さすが、のぶ。

 子供の頃もこうやって私の背中押してくれたよねぇ~」

「ん」

「でもさー、

 なんで手で押さないで背中合わせてのぼるわけ?

 子供の頃はさ、あんたちびだから力なくてそうしたのはわかるんだけども…
 
 あんた後ろ歩きになって大変じゃん」

「ん? 

 これがラク。

 それに、
 
 いい眺め」

 のぶは私を押しながら坂の下に広がる町の風景を楽しんでいるようだ。

 おもわず私も押されながらも、ちと顔だけ振り返ってみた。

「おーホント、いい眺め~」

「うむ」

 鏡のように穏やかな海、はるか遠くには船影が見える。

 たぶんあれは清水からのカーフェリーだろうか。

 そして、広い青空に飛行機雲が2本あって、なんかきれい。

 日差しも暖かい。

 そっかいつのまにやら2階建ての家なんかよりも高い位置に登ってきてたんだなー

「ちゃんと坂進んでるら~」

「ん。

 オレが押してやってる」

「あーはいはい、どもども、ありがとうございます」

「ん」

 のぶの背中のぬくとさが私の背中越しから伝わってきて、ちょっと居心地がいい。

 冬の日のこんな暖かさもいいけども、こうゆう人の温もりもたまにはいいかも。

 てか、ひさしぶりの他人の体温だ。

 なんか歩くたびに服が上へ下へとしわよって動くけども、なんかそれもおかしくていい。

 うちら、いくつだよ。

 こんなことをしてることじたい、なんか笑えるよね。

 子供時代に一気に戻った気がした。

 あ、でもー

 子供時代はのぶが小さくて私の頭を越す背丈じゃなかったな。

 それに押す力もぜんぜん弱くて1歩進むたびにのぶが疲れた息吐き出してたし。

 で、私が「まだまだ押せ押せ~」て言ってたな。

 かなりいばりくさって。

 今は、どうよ。

 のぶ力あるある。

 もうぐいぐい押されてしまう。

 悔しいので遠慮なしに体をのぶの方へだらけて倒しているにもかかわらず、なんか平気みたいだし。

 私より背が高くなったのぶは、ときたまわざと後ろから自分の頭をコツンと私の頭にぶつけてきて

「ん、ん」と、早く歩けよーてやってくる。

 成長しやがってこん小僧、とここらでちょと思う。

 そうこうしてるうちに頂上に着いた。

 ほとんどのぶのおかげだけどもね。

 本当はここが頂上じゃないけども。

 コンクリートの坂道が終わってるだけで、まだ道は続いてる。

 でも、私はここが頂上と思うようにしてるだけ。

 この先からは土の道。

 まっすぐあがってくと山道になっていて、さらにずっと進んでいくと山を越えて隣の地区へと出る。

 山の中にはどこかの家の畑もいくつかある。

 こんな山の中に畑作るなんて…物好きがいたもんだ、と子供の頃驚いたのを覚えてる。

 さすがにもうそこへは私は行かないけども。

 いく理由もないし。

 景色いいわけでもないし。

 山道さびしすぎるし。

 隣の地区へ行くのだって、山越えなくても海沿いの道路からいけるしね。

 そうそう、のぶの家はこの頂上から左の細いわき道へと入っていく。
 
 残念なのは、この山頂で眺めのいい景色が終わるということ。

 のぶの家はうっそうとした木々が立ちはだかっていて、ただの山の中。

 昔話にでてくるようなヤマンバの家、てみんな悪がきどもが言ってたなぁ、そういやー。

 はじめてきた子供は泣き出して逃げ出す、なんてこともあったとか。

 いまどきの大人だったらさ、素敵な隠れ家、とか言うかもしれない。

 私なんかはこうゆう雰囲気が好きだから、のぶの家は嫌いじゃない。

 うまく言えないけども…ひっそり1軒だけ建ってる小屋のようなのぶの家、すごくいいなーて。

 うちは隣近所と接近して建ってるから、ちょっとした声や物音でも隣同士筒抜けで、なんかそれが嫌なのだ。

 庭もないし。

 のぶんとこはまわり山の木々で囲まれてるから、しーんとしてる印象だけども、実は山鳥が鳴いててかなり情緒たっぷり、癒し効果があるんだよねぇ。

 風が吹くと木々がサワサワいうのも好き。

 たった1度だけだったけどものぶの家に泊まったことがあるんだ。

 夜がすごく長く感じられて不思議な気がした。

 なんだろう、あの感覚。

 家にいるときはあっとゆうまに過ぎる夜の時間が、あの家ではのろのろ過ぎてったよな。

 まわりも真っ暗になって、ほーほーと鳴く声を聞きながらのぶと一緒の布団で寝たっけな。

 あいつ甘えて私に抱きついて寝たよなぁ。

 ま、あの時はたしかのぶは小1だったから、無理ないか。

 おばぁちゃんと二人暮らしで寂しかったんだろうし。
 
 私は…

 あー、そうだ、そうだ。

 お姉ちゃんとケンカして「家出だ」、とかいってのぶっちにいったのか。

 次の日も家に帰らない、ていったのにお母さんがむかえにきて、耳ひっぱられながら連れ戻されたんだっけ。

 なんでケンカしたのかはもう覚えてないけども…

 たぶん好きだった少女マンガの全プレ(全員プレゼント)の懸賞をめぐってケンカしたとか、アイドルのポスターをうばいあった、とか…そんなんだろう。

 うん、くだらないケンカだったと思う。

 姉妹のケンカなんてそんなもんだ。

 でも人生ではじめてのお泊りになったから、あの日のケンカはイイ思い出だ。

 いろいろと、良い経験したもの。

 あの頃家ではあぶないからって父さんに包丁とか持たせてもらえなかったんだよね…

 でも、のぶのおばぁちゃんに味噌汁の作り方教わって一緒に作ったし。

 蒸かしパンなんかも作ったよなー

 干しブドウとサツマイモ入れたやつ。

 ほんのりと甘くておいしかったっけ。

 素朴な味、てのはあの蒸かしパンのようなもののことを言うんだろうな。

 そうだ、そうだ、セイロってあのときはじめて見て使い方も知った気がするー

 そうか、そう考えるとのぶのおばぁちゃんは私に料理教えてくれたはじめての先生だったんだ。

 …そのおばぁちゃんがここからいなくなっちゃうなんて。

 さびしいよ。

 ずっと会いにもこなかった私だけども、それでもずっといると思ってたから。

 いなくなると思うと…

 悲しい。

 この町にずっといる人のひとりだと勝手に思い込んでたとこもあるし。

 …あぁ、おばぁちゃん。

 行かないでほしいな。

 1歩、1歩。

 のぶと並んで歩く。

 木々の薄暗いトンネル道を進んでくと、その先にひらけた場所が見えてた。

 のぶの家。

 のぶのおばぁちゃんち。

 おばぁちゃん、あの頃とかわりなく元気だろうか…あ、元気じゃないから…離れるんだった、この町を。

 でも、

 それでも変わってなければいいな、て思う。

 うん、私の大好きな人のひとりだもん。

 気づいた。

 私にとっても、”おばぁちゃん”だった人なんだ。

 あの日の蒸かしパンを一緒に作ったときの優しい笑顔が、うん、よみがえってきたよ。

 もうじき久しぶりに会えるんだ。

色眼鏡

 そのまっすぐ向けられた君の瞳がイイね

 いつもなにかを考えている

 声をかけづらいんだけども

 話せばニコリと笑顔をくれる

 その白くてキレイな歯が好きかも

 寝癖の頭ぽりぽりかくクセや
 
 うつむきながら話し出すとこも

 なんか君らしくて微笑ましいよ

 並んで歩くと背が高くて

 ポケットにいつも手をつっこんでいるね

 ちょっとがにまたの猫背君

 たまには私と手をつなごうよ

 青くて高い気持ちいい空のお昼のときも

 ちょっと寒くて寂しくなる夕焼けの中でも

 ふたりでのんびり歩いてゆこうよ

 ふと見つめれば剃り残しのヒゲ

 もっとしっかりしなきゃだよ

 私だってりっぱな女の子

 たまには気をつかってほしいかも

 でもね

 だけどね

 本当は

 こんな君が大好きなんだよ

 だからね

 ぎゅっと

 ハグしてあげるから

 優しく強く

 愛してるんだからね

 よれよれの格好でもなんか君ならカッコイイと思える

 私の色眼鏡