ダークヒーロー イン・ザ・スクール (49) | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

おれが学童保育の在宅指導員になって5年経った。


学童保育の仕事を5年間続けている内におれは、この仕事にやり甲斐を感じるようになっていた。


しかし在宅指導員の収入ではおれが、この仕事を継続するのは限界になっていた。


そろそろ別の仕事を考え始めたそんな時 正規指導員が一人退職しその空きを補充する為に正規指導員を募集する事になった。


おれにとってはチャンスだった。

正規指導員になれば何とか生活して行くだけの収入を得る事が出来る。


おれは、早速応募した。


後は、採用試験の結果次第だが5年の実績のあるおれが採用される可能性は高いと思っていた。

 

おれが、採用試験に応募したと聞いて各正規指導員達は驚きを隠せない様子だった。


学童保育の平和が乱れると言う指導員も居れば案外優秀な指導員になるかもと言ってくれる指導員も居た。


採用試験は、筆記と面接だったが募集してから試験まで約1ヶ月だった。


今回応募したのは、おれを入れて3人で1人は2年前から長期アルバイトとして学童保育に勤務している30歳位の女性で後1人は50歳位の如何にも普通のおばちゃんと言う感じの女性だった。


おばちゃんは、さて置き長期バイトの女性は、賢い上によく働くので今回の試験では、彼女がおれのライバルだと言える。

ただ子供達の人気は、おれが彼女の数倍上だった。


受験まで約1ヶ月では満足に受験勉強も出来なかったが、こんな採用試験は単なる形式的な物だとおれは高を括っていた。



斯くして受験当日 配られた問題用紙を見たおれは思わず「クソッ」と呟き怒りを込めて机をドカッと殴った。


それは、大学入試並の問題だった。



(50)に続く