眉唾物の話 | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

おれは、山の麓に住んでいるので頻繁に狐や狸等の野生動物に遭遇する。


遭遇すると 時々思うのは、こいつら人を化かす事があるのか?と言う事だ。


不可解な事件や想定外のトラブルに見舞われた時 昔の人は「狐狸(こり)の仕業」つまり狐や狸に化かされたと考えていたようだ。


「眉唾」と言う言葉がある。

怪しい話を聞く時は、眉毛に唾を付けて聞くと言う意味だが、人間の眉毛の本数には化かせる本数と言うのがあって狐狸は、瞬時に眉毛の本数を読み取り化かせる本数の眉毛の人間だけ化かすとされている。

だから 眉毛に唾を付けて本数を読まれ難くして化かされないようにする事を「眉毛に唾をして聞く」と言う。


そんな言葉や言い伝えがあるんだから狐狸に人間を化かす能力が無いとは言い切れないのかも知れない。


現代社会に於いて狐狸の仕業とは関係無く眉唾物の話は、幾らでもある。


武道の世界も例外じゃない。


考えてみたら 動物の中で一番化かすのが上手いのは、間違い無く人間だ。

そしてその巧妙な手口は、眉毛に唾を付けた位で防げる程 甘い物じゃない。