*今日(2021.3.26)の焼津市和田浜のひとコマ
昨年の出来事です。
私が住む周りには空き地が多いのですが、すぐ西側の空き地に不動産業者とおぼしき人が何かを振りかけていました。
私は農薬と直感し、「何をしているんですか?」と尋ねました。
業者いわく、「そこのホームセンターでも売っている普通の農薬です」というので、「見せてください」といってチェックしたところ、劇薬の除草剤ラウンドアップ(グリホサート)でした。
私は即刻散布を中止してもらおうと思い、「これが何か知っていますか?」と言い、昔ベトナム戦争の枯れ葉剤で発生したベトちゃんとドクちゃんの双生児の奇形のことをはじめ、除草剤がいかに危険かを話しました。
また、それが気化して風で運ばれ、私が吸引して健康被害を起こす可能性についても。
そうしたら、業者はすぐに作業を即中止して、帰っていきました。
でも、結構、すでにまかれてしまった除草剤はいかんともし難く、ものすごく嫌な感じが残りました。
そして、それからややしばらくして、今度は東隣りの隣家に庭師が来て、作業車から農薬散布が始まりました。
私はすぐに庭師のところへ行き、「農薬が風に乗って私の家の中に入ってくる」こと、そして「今時、農薬を散布する前に ひと言、隣り近所に挨拶をするのが普通だろう」と少しきつく言いました。
そうしたら、庭師はすみませんと言って、すぐに作業を止めて帰って行きました。
これが今の日本の実態なのです。
こうしたことが、皆さんの近くでも日々行われ、学校や公園や河川敷き、あちこちの空き地で日常的に行われているのです。
そして、たとえそれが離れたところで行われていたとしても、気化した農薬は風に運ばれて到達し、それを私たちは吸入してしまう可能性が高いのです。
日本人の農薬に対する意識というものは、上述した人たちとあまり変わらないと思います。
このブログを読んでくださったご縁のある方は、世界の農薬に対する規制の現状と日本の現況を知っていただけましたら幸いに思います。
それでは印鑰 智哉さんの投稿から転載してご紹介させていただきます。
※読みやすいように少し加筆修正させていただいていますので、ご了承ください。
世界各地で禁止の除草剤「グリホサート」が日本では増加の異常!
印鑰 智哉 2021年3月23日
モンサント(現バイエル)のビジネスモデルの崩壊
(除草剤ラウンドアップを遺伝子組み換え種子とセットで売る)
■ラウンドアップによってガンになった裁判が勝訴
ラウンドアップによってガンになったとして訴えたドウェイン・ジョンソンさんの裁判。
バイエルは控訴せず、判決が確定する(1)。
■ラウンドアップの集団訴訟には終わりが見えない
バイエルはラウンドアップに関する集団訴訟に決着を付けようとしているが、まったく終わりは見えない(2)。
この裁判が明らかにしたことは2つある。
1.1つはグリホサートの発ガン性である
2.もう1つはその有害性をモンサントがかなり初期からつかんでいたことが、裁判所に提出された社内文書によって曝露されたことだ。
この2つはもうひっくり返すことはできない事実として認定されることになった。
■政権と癒着したモンサントの不正が出版された
政権と結びついたこの巨大企業の不正の事実をまとめた本”The Monsanto Papers”が出版されている(3)。
ラウンドアップ(主成分グリホサート)の終わりが見えた。
■世界でグリホサート禁止の動き
・ドイツ内閣は2024年からのグリホサートの禁止政策を決定(4)。
・フランス政府も同様の政策を掲げている
・米国内でもスーパーでの不売を求める運動が進み、学校、公園など公的土地での使用禁止を決めた地方自治体は100を超している。
・オーストラリアでもその傾向は顕著。
いかにグリホサートが環境や生物に悪影響を与えるかを明らかにする研究は追い切れないほど発表され続けている。
■バイエルはコントロール不能状態
もはやバイエルにとってもコントロール不能状態と言わざるを得ない(5)。
■日本は逆行して使用量が増え続けてきたが変化の兆候
しかし、日本ではラウンドアップ/グリホサートの使用が逆に年々増え続けている。
それでも、日本においても状況は変わりつつある。
これまではラウンドアップに批判的な記事を出せば、すぐに農薬村から攻撃され、報道した側が謝罪文を書くことを強いられることが繰り返されてきた。
その結果、批判的な記事は市民の目に触れない状況が作られてきていた。
それが変わりつつある。
日本でもグリホサートなどの農薬に批判的な記事が出る状況になってきた。
もうこの動向はいかに日本の農薬村が強いとしてももう止められないだろう。
■農水省は「みどりの食料システム戦略」を策定
・その中でこれまで日本だけ規制緩和を続けてきたネオニコチノイド系農薬を減らすことが明言されている。
・グリホサートは明記されていないが、今後、日本でもグリホサートは再評価の対象となる。
この世界の動向を日本政府は無視できるだろうか?
■さらに問題は、化学農薬から遺伝子操作農薬(RNA農薬)へと転換
というのも今後、これまでの化学農薬から遺伝子操作農薬(RNA農薬)に変わっていく可能性があるからだ。
そして、化学農薬をすぐにやめるという話にも日本ではなりそうにない。
この事態をどう変えていくのかが問われている。
■化学農薬を使わない方法が進み、拡大中
今、化学農薬を使わない代替方法は世界で探求が進んでおり、使わずとも十分やっていける方法が提案されている。
そして有機農業は毎年、このコロナ蔓延の中でも拡大し続けている。
(1) Bayer Not Seeking Supreme Court Review of Nation’s First Roundup Verdict
https://www.law.com/…/bayer-is-not-seeking-supreme…/…
(2) Bayer’s plan for settling future Roundup cancer claims faces broad opposition
https://usrtk.org/…/bayers-plan-for-settling-future…/
Bayer’s class action settlement plan draws widespread outrage, opposition
https://usrtk.org/…/bayers-class-action-settlement…/
(3) The Monsanto Papers
https://usrtk.org/…/the-monsanto-papers-deadly-secrets…/
写真は筆者のキャリー・ギラム氏と本の表紙
(4) German cabinet approves legislation to ban glyphosate from 2024
https://www.reuters.com/…/german-cabinet-approves…
(5) どれだけバイエル(モンサント)にとって不都合な情報が世界を駆け巡っているのかリストにしようと思っても到底追い切れない。
米国環境保護局はグリホサートが絶滅危惧種の93%、そしてその96%棲息地を脅かしているというレポートのドラフトを発表した。
New EPA finding: Glyphosate harms 93 percent of endangered species
https://thecounter.org/new-epa-finding-glyphosate-harms…/
■この他にも人と環境への数々の障害
・精子を破壊する
・腸内細菌にダメージを与える
・水生生物に影響を与える
・呼吸器に障害を与える
など、挙げだすときりがない。
■日本では今だにグリホサートは環境に優しい農薬
上述にも関わらず、日本での一般的な反応は「ラウンドアップ(グリホサート)は環境に優しい農薬で、農薬をかけた草は枯らすけど、土に落ちたら土壌細菌によってすぐに分解される」。
という、もはや海外では虚偽広告として有罪判決を受けた文句を今なお、多くの人が信じてしまっている。
■グリホサートは抗生物質で特許を取得
・グリホサートをモンサントは抗生物質として特許を取っている。
・抗生物質は細菌の繁殖を抑えてしまう。
・その抗生物質が細菌によって分解されるというモンサントの説明はどうみても通らない。
・海外ではNGの説明が日本ではまかり通っている。
★当社ホームページ