最近、
創業前後の方のご相談の中で、
「知り合いに、節税のために借入をしたほうがいい、
と言われたんですけど、どう思いますか?」
というご相談を、立て続けに受けています。
こういう相談を受けた時、私は、次のような回答をします。
・確かに税金は減ります。
・でも、「基本的には」おすすめしません
なぜ、こういう回答をするかというと、
「結局、損をするから」
です。
その理由を説明する前に、
最初に、いくつか、借入の場合の基礎知識の説明をします。
1.借金の「元本」を返済しても税金は「減らない」
1,000万円の借金がある場合に、1,000万円返したとしても、
税金は「変わりません」。
ひょっとしたら、
お金を払っているのに、税金が減らないなんて、おかしい!
と思われるかもしれません。
でも、
借金をしたとき(お金が手元に来たとき)に、
「お金が増えたんだから、税金を払え!」
と言われたら、怒りますよね?
借りてるだけなのに、税金払う理由なんかないぞ!と。
返済は、借入の「逆」ですから、
借入時に、税金がかからないのであれば、
返済時に、税金を減らすことはできません。
つまり、利息がなければ、
借入をしても、返済をしても、税金には「一切影響はありません」。
2.借金の「利息」を支払うと税金は「減ります」
1,000万円の借金を年利3%で借り、
1年後に元本1,000万円と利息30万円を合わせて返済したとしましょう。
この場合、元本1,000万円を返済しても、税金には影響は出ません。
でも、利息30万円分は、経費ですから、税金を減らす効果があります。
3.利益が出たら税金は増える。経費が増えたら税金は減る
これも、当たり前の話なのですが、
税金は、利益に連動して決まるものが多いです。
その結果、
利益が出れば、税金は増えます。
経費が増えれば、税金は減ります。
▼さて、これを踏まえて、考えてみます。
1,000万円を年利3%で借り、1年後に返すとしましょう。
元本の借入・返済は、税金に影響ありませんが(上記1)、
1年間分の利息30万円は、経費になります(上記2)。
経費が増えますので、税金は減ります(上記3)。
税金がどれくらい減るかというと、
法人税率を25%と仮定すると、
支払利息30万円×25%=7万5千円
税金が減ることになります。
間違いなく、節税できてます。
でも、これで得をしているのかどうか、というと話は別です。
借入をしない場合と、借入をした場合で、
お金の動き、全体で比較してみましょう。
(借入をしない場合)
利息の支払額 0円+節税効果0円=0円
(借入をした場合)
利息の支払額 △300,000円+節税効果 75,000円=△225,000円
当たり前の話ですが、
借入をした場合は、利息を払わないといけません。
ですから、
損得の比較をする場合には、
利息と節税効果を合算で比較をしないといけません。
そして、
利息の支払額まで加味して、損得を判断すると、
借入をしたほうが損、ということになってしまいます。
そもそも、今回の策は、
経費(利息)を増やして、税金を減らしましょう
というものです
具体的に、数字を入れれば、
利息を300,000円余計に払って、税金を75,000円減らしましょう
という策です。
こんなの、意味ありますか?
もちろん、
最終的には、
経営者である「あなた」が判断することなのですが、
とても、私からおすすめできるものではありません。
また、
世の中には、こういう意味のない節税策を、
まことしやかにおすすめする素人さん(と信じたいですが・・)が、
山のようにいると思いますので、ご注意ください。