「借入をすると節税できる」は本当か? | 起業・創業支援-東京都の公認会計士・税理士@渋谷区・新宿区

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創業直前~創業5年くらい経理、税金とか全然わからない「あなた」のためのブログです

最近、
創業前後の方のご相談の中で、

「知り合いに、節税のために借入をしたほうがいい、
 と言われたんですけど、どう思いますか?」

というご相談を、立て続けに受けています。


こういう相談を受けた時、私は、次のような回答をします。

・確かに税金は減ります。
・でも、「基本的には」おすすめしません


なぜ、こういう回答をするかというと、

「結局、損をするから」

です。



その理由を説明する前に、

最初に、いくつか、借入の場合の基礎知識の説明をします。

1.借金の「元本」を返済しても税金は「減らない」

1,000万円の借金がある場合に、1,000万円返したとしても、
税金は「変わりません」。

ひょっとしたら、
お金を払っているのに、税金が減らないなんて、おかしい!
と思われるかもしれません。


でも、
借金をしたとき(お金が手元に来たとき)に、
「お金が増えたんだから、税金を払え!」
と言われたら、怒りますよね?

借りてるだけなのに、税金払う理由なんかないぞ!と。


返済は、借入の「逆」ですから、
借入時に、税金がかからないのであれば、
返済時に、税金を減らすことはできません。


つまり、利息がなければ、
借入をしても、返済をしても、税金には「一切影響はありません」。



2.借金の「利息」を支払うと税金は「減ります」

1,000万円の借金を年利3%で借り、
1年後に元本1,000万円と利息30万円を合わせて返済したとしましょう。

この場合、元本1,000万円を返済しても、税金には影響は出ません。

でも、利息30万円分は、経費ですから、税金を減らす効果があります。




3.利益が出たら税金は増える。経費が増えたら税金は減る


これも、当たり前の話なのですが、
税金は、利益に連動して決まるものが多いです。

その結果、

利益が出れば、税金は増えます。
経費が増えれば、税金は減ります。




▼さて、これを踏まえて、考えてみます。

1,000万円を年利3%で借り、1年後に返すとしましょう。

元本の借入・返済は、税金に影響ありませんが(上記1)、
1年間分の利息30万円は、経費になります(上記2)。


経費が増えますので、税金は減ります(上記3)。


税金がどれくらい減るかというと、

法人税率を25%と仮定すると、

支払利息30万円×25%=7万5千円

税金が減ることになります。


間違いなく、節税できてます。
でも、これで得をしているのかどうか、というと話は別です。



借入をしない場合と、借入をした場合で、
お金の動き、全体で比較してみましょう。


(借入をしない場合)

利息の支払額 0円+節税効果0円=0円


(借入をした場合)

利息の支払額 △300,000円+節税効果 75,000円=△225,000円



当たり前の話ですが、
借入をした場合は、利息を払わないといけません

ですから、
損得の比較をする場合には、
利息と節税効果を合算で比較をしないといけません。

そして、
利息の支払額まで加味して、損得を判断すると、
借入をしたほうが損、ということになってしまいます



そもそも、今回の策は、

経費(利息)を増やして、税金を減らしましょう

というものです


具体的に、数字を入れれば、

利息を300,000円余計に払って、税金を75,000円減らしましょう

という策です。



こんなの、意味ありますか?


もちろん、
最終的には、
経営者である「あなた」が判断することなのですが、
とても、私からおすすめできるものではありません。


また、
世の中には、こういう意味のない節税策を、
まことしやかにおすすめする素人さん(と信じたいですが・・)が、
山のようにいると思いますので、ご注意ください。