節税保険の本当のリスク | 起業・創業支援-東京都の公認会計士・税理士@渋谷区・新宿区

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創業直前~創業5年くらい経理、税金とか全然わからない「あなた」のためのブログです

期末になって利益が出た。

どうしよう!

節税保険にでも入るか?


確かに、保険に入れば、払うのがイヤでイヤでたまらない税金が減る。

そのうえ、簿外で貯金ができます!なんて、ゾクゾクするようなこと言われ、30年後の実質返戻率が140%!なんて言われれば、、、


もう、クラクラきちゃいますよね。


実際、関与先から、

「社長をやっている友だちから、節税保険入ったほういいよ!って勧められたんだけど、どう思う?」

なんて聞かれることは日常茶飯事。


税金が減る、というのは、社長にとっては、相当インパクト強いですから、かなり心が揺れるようです

その気持ちはわかります。

だって、私の会社で利益出たときも、一瞬考えてしまいましたから(^^)。


とはいえ、

こういう感情が揺さぶられるときほど、冷静に考えないといけません


そこで、最初に考えたいのが、

節税保険の本当のリスクは何か?

という話です。


私が思うに、節税保険に加入した場合の、本当のリスクは「資金繰りが悪くなること」です


少なくとも、保険に加入している間は、保険に加入していない場合よりも資金繰りが厳しくなります


例えば、期末に節税保険の保険料100万円を払うと、年間利益800万円以下の場合、税金が27万円安くなります。


確かに、税金は安くなっているのですが、差引だと、保険料100万円-節税額27万円=73万円のお金が出ていってしまっています。


さらに、通常、節税保険というと、ある程度の期間保険に加入し続けないと不利になってしまうものが多いです。


どれくらいの期間加入し続けないといけないか、というと、保険の種類や、節税スキーム組みにより大きく異なるのですが、最低4年~最長30年程度は、保険料を払い続けることになります。


4年としても、73万円×4年= 292万円。

30年とすると、73万円×30年=2,190万円。


これだけのお金を寝かせておかないといけない、ということです。


※保険の種類により異なるのですが、あらかじめ決められたタイミング以外で保険を解約してしまうと、明らかな損が出ることが多いので、解約したくてもできない状況に追い込まれがちなのです。


ということで、節税保険に加入するのであれば、上で書いたように長期的な資金負担を覚悟しないといけない、ということです。



さて、このように節税保険=長期的な資金負担が必要、という観点から考えると、「たまたま今期は利益が出たから節税保険に入ろう!」というパターンでの安易な加入はおすすめできません。


たまたま今年は利益が出ただけで、来年どうなるかなんてわからないですからね。


特に、創業後歴史がない会社はなおさらです。


長い目で(少なくとも向こう10年くらいについて)どれくらいの利益が出そうで、どれくらいの資金負担ならば耐えられそうか、が読める段階になってからでないと、節税保険に入るべきではないと思います


もっとも、10年スパンで、どれくらいの利益が出そうか読めるのであれば、会社運営なんて苦労しないわけなのですが(^^)。



また、既に借入がある会社や、近い将来借入をしたいと思っている会社、というのも、特別な理由がない限りは、節税保険加入には不向きだと思います。


資金繰りが回っていないから借入をするのだと思うのですが、節税保険に加入すると、さらに、資金繰りが悪くなります。


ただでさえ資金繰りが苦しいときに、わざわざ、節税保険に加入して自分から資金繰りを苦しくすることはないと思うのです



いずれにしても、節税保険加入による最大のリスクは「資金繰りが苦しくなること」。

ここがクリアーできない限り、節税保険加入はおすすめしません。