最近、私の事務所に、
「数年前から申告してないんだけど、まとめて申告してくれないか?」
という依頼が、ちらほらと来ます。
面白いことに、こういう問い合わせに共通しているのは、最後に
「こんなダメダメな状況なんですけど、お仕事受けてくれますか?」
といった類の、かなり弱気な発言をされること。
どうやら、税理士に、申告していないこと伝えると、怒られそう・・・、という感覚があるようですね。
この場をお借りして、複数年決算を依頼したい、というあなたに、お伝えしておきますが、私は、こういう問い合わせを頂いても怒りません。ですので、安心してお問い合わせください(^^)。
それはさておき、今日の話は、申告しないことのリスクです。
複数年の申告を依頼しようとしている、ということは、当然、過去何年か無申告の状態にある、ということです。
ですので、過去の分をさかのぼって申告すると、当然ペナルティがかかってきます。納付税額に対して、下記の割合だけ、ペナルティが上乗せされます。
- 無申告加算税
- 5%(※自主的に申告した場合)
- 延滞税
- 約4.5%×遅れた年数
ざっくり、2割増し、ということです。
なーんだ。
どうせ赤字だから大した税額じゃないから。
2割増しでも別にいいよ、と思うかもしれませんが。
意外に、複数年まとめて申告のケースだと納税額が膨らむケースが多いです。
納税額が膨らむ理由その1
複数年まとめて申告、という場合、よくあるのが、「領収書がどこかに行ってしまっている」ケース。
実質赤字なのに、決算を組んでみたら、経費が足りなくて黒字になってしまい、想定外に納税額が生じてしまった、なんていうことは、よくあります。
納税額が膨らむ理由その2
次に、ありがちなのが、申告書を提出していないので、青色申告の届出が取り消されてしまい、赤字の繰越ができなくなってしまうこと。
例えば、1期目から無申告で、利益の状況が
第1期 ±0、第2期△100、第3期 100
という場合。
きちんと申告していれば、第2期の赤字と第3期の黒字を相殺できますので、利益連動部分の納付税額は0になります。
ところが、無申告だと、第2期から白色申告扱いになってしまうため、第2期の赤字と第3期の黒字が相殺できません。結局、第3期の100の利益について、税金を払わないといけなくなります。
納税額が膨らむ理由その3
上のような困難を乗り越え、仮に決算が無事(?)、赤字で落ち着いたとしても、消費税が多額になってしまうケースは結構あります。
消費税を計算するうえでは、給料等の人件費を無視して計算します。そのため、決算書は赤字でも、消費税は多額の納税、なんていうケースは珍しくありません。
結果、法人税が無事0円になったとしても、消費税の納税額が膨らんでしまう・・。これまた、よくあります。
上のような要因で、納税額が膨らんでしまうと、その2割がペナルティですから、ペナルティの金額も膨らんできてしまいます。
要納税額 50万円なら、ペナルティ10万円弱です。
要納税額100万円なら、ペナルティ20万円弱です。
要納税額200万円なら、ペナルティ40万円弱です。
結構大きいですよね?
要納税額200万円って、そんなわけあるか!って思うかもしれませんが、
4,5年無申告だと、簡単にこれくらいの金額になります。
しかも、この2割増しのペナルティ部分は、経費になりません。
ダブルで痛いです。
結論。
どうせ申告するなら、さっさと申告するに限る!
これ、本当です。
結果的に、無申告になってしまった、という場合でも、翌年は必ず期限内に申告してください。
でないと、青色申告が取り消されて、痛い目を見ます。
ちなみに、無申告だったのが申告するはめに陥るケースの実例は、下記のような感じです。
・取引先に税務調査が入り、無申告がバレた
・許認可の関係その他で、自社の申告書を提出しないといけなくなった
・バタバタしていて申告どころではなかったが、ふと、身綺麗になりたくなった
こんなケースに該当しそうな予感がしたら、特に早い目に動くことをおすすめします。
※上では書きませんでしたが、重加算税対象になったら、いろいろ合わせて約50%のペナルティが課せられますので、ますますご注意ください。