ミータは1回目と2回目の妊娠の間が短かったので、
夫が避妊手術を早くしたほうがいいと言って、晩秋のころに
手術をした。手術の翌日迎えに行くと、診察室に連れてこられた
ミータは不安そうな感じだった。
「ミータ!」と呼ぶと私に気が付いた様子で、少し安堵したよう
な反応をした。
ミータのために買ったキャリーに入れて急いで家に帰り、家の
中で籠から出すと、私達を見ていたようにブッちゃんが
どこからか現れた。ブチはすぐに安心したように水をたくさん
飲んだ。ミータが初めて一晩いなくて不安だったのだろう。
デッキに出たミータの背中を秋の薄い陽光が照らしていた。
ミータ、ごめんね・・ミータのお腹は手術のため広く毛を
剃られていて寒そうだった。こんな季節に手術してごめん・・
ブチは翌年の満1歳の誕生日を迎えるころにやはり手術をした。
ブチの時はミータのように寒そうなお腹を見なくてすんだ。
ミータの時は手術の後少しダメージが残っているような感じが
あったが、ブチにはそれが感じられなかった。若かったと
いうことと、ミータの場合お産や子育てで疲労もたまっていた
のだろう。
私達は2匹にかまってやれる時間は多くはなかったが、
ミータもブチも大切な存在だった。夜も家に入れてやりたくて、