ブッちゃん 3 | ミータの愛猫物語(連載)

ミータの愛猫物語(連載)

愛するにゃんこ達との悲喜こもごもを綴ります。

 ミータは1回目と2回目の妊娠の間が短かったので、

夫が避妊手術を早くしたほうがいいと言って、晩秋のころに

手術をした。手術の翌日迎えに行くと、診察室に連れてこられた

ミータは不安そうな感じだった。

「ミータ!」と呼ぶと私に気が付いた様子で、少し安堵したよう

な反応をした。

 ミータのために買ったキャリーに入れて急いで家に帰り、家の

中で籠から出すと、私達を見ていたようにブッちゃんが

どこからか現れた。ブチはすぐに安心したように水をたくさん

飲んだ。ミータが初めて一晩いなくて不安だったのだろう。

 デッキに出たミータの背中を秋の薄い陽光が照らしていた。

ミータ、ごめんね・・ミータのお腹は手術のため広く毛を

剃られていて寒そうだった。こんな季節に手術してごめん・・

 ブチは翌年の満1歳の誕生日を迎えるころにやはり手術をした。

ブチの時はミータのように寒そうなお腹を見なくてすんだ。

ミータの時は手術の後少しダメージが残っているような感じが

あったが、ブチにはそれが感じられなかった。若かったと

いうことと、ミータの場合お産や子育てで疲労もたまっていた

のだろう。

 私達は2匹にかまってやれる時間は多くはなかったが、

ミータもブチも大切な存在だった。夜も家に入れてやりたくて、

引っ越しを考えるようになった。近所のこともあった。