ブッちゃん 4 | ミータの愛猫物語(連載)

ミータの愛猫物語(連載)

愛するにゃんこ達との悲喜こもごもを綴ります。

 翌年、意を決して車で10分程の所に中古住宅を購入した。

山側に峠をひとつ超えたところにあり、不便にはなったが、

持ち家となったので、晴れて猫を飼うことができた。

 秋、ミータとブチにとって初めてのお引越し。色々あったが

楓の紅葉が散るデッキにいるミータとブチを見て、心が和んだ。

 しかし運命は意地悪だった。しばらく経ってミータの体調が

悪いのが二人の目にも明らかになってきた。何度も動物病院に

連れて行ったが、原因がわからなかった。猫エイズだと

わかったときは、もうかなり病状が進んでいた。

 ミータとブチは私達が初めて飼った猫だ。飼い始めるときは

いつかはお別れがあることなど、まったく考えなかった。

永遠に生きることなどないのに・・・

 ミータが死んでブチが残った。

 その家は小さい団地の中にあったので、捨て猫や野良猫を

よく見た。うちに猫がいて匂いがするせいか、捨て猫がよく

庭に入って来た。子猫は保護して、ネットで飼い主を探して

貰ってもらった。成猫は貰ってくれる人がいないことが多く、

そのまま家に残った。でも成猫で保護した子は、それまでに

野良として過酷な生活をしていたため、皆長生きはできず、

何匹も見送らねばならなかった。

 その間沢山の猫が出入りして、時にはMAXで10匹位に

なったが、ブチは誰に対しても平和的に接した。ブチに

ちょっかいをだす猫がいると、夫が

「コラーッ!平和主義のブッちゃんに何するか!」

と怒った。