それから数年クロとダイの平和な時間があった。
冬はガレージで暮らす2匹のために、大きな箱を工夫して寝床を
作り、下に暖房用のプレートを敷いた。それでも家の中の
猫たちに比べると、ガレージは寒くてかわいそうだったが、
クロ・ダイは元気で仲良く過ごした。そして何よりも自由
だった。体はダイのほうがクロよりずっと大きくなったが、
小さいクロちゃんが大きなダイをよく舐めてやっていた。
幸せそうだった。
朝起きて台所に行くと、いつもクロちゃんが勝手口の外に
座って、待っていた。
「クロちゃん、待ってたー?」
と言ってドアを開けるのだが、家の中にはほかの猫もいるので、
ドアを少し入ったところで大人しく待っていた。
抱っこをすると、初めの頃は両手を突っ張っていたが、最近は
私には少し慣れていた。でも夫が抱っこをすると思いっきり
両手を夫の胸に突っ張って、モゾモゾ・・。 写真はダイ。