お世話になっております。
都立八柱霊園中参道
藤乃家石材店で御座います。
弊社の業務の一つに亡くなられた方のお戒名・洗礼名・霊号等を彫刻するというものが御座います。
この業務は祖父の代から実に100年を超えて継続してやってきております。
その数は何百、何千、何万以上の実績が御座います。
それが最近、文字彫刻原稿をご確認いただいたお客様からの訂正をご依頼されるケースがとても増えました。
既存の彫刻がある場合はその書式に従いますが、新規の場合フォント(書体)、文字の大きさ、間隔、配列の仕方、太さetc.すべて一から考えて作成していきます。
しかしながら弊社には何万件では収まらな実績が御座いますのでその経験で最も適切なものを作成してお届けしております。
でもそれに対してダメ出しをされてしまいます。
お名前の間違いとかお命日の間違いなどというものは当然何度もチェックしていますので、お客様から頂いた資料の通りで作成していることは言うまでもありませんのでそこは間違えません。
ご指摘を受けるのは、漢字の止めやはね、はらいなどの部分です。
お客様によってご自身で使い続けている書き方があると思いますので、そのおこだわりがあるとは思います。
けれどそれだけでは説明がつかない訂正の要望が入るのです。
訂正される方はほぼご高齢者ではなくもっとお若い世代の方ばかりです。
また、性別も限定されます。(差別と言われないためここは隠します)
その傾向からなんとなく理由がわかりましたが、文字の専門家さんにご意見を仰ぎました。
その結果として考えられる理由は、
日本の漢字教育が世代によって異なるため
活版印刷やワープロ・PC・スマホが普及し始めたこととそれを活用している世代
このあたりが影響しているのではないかということでした。
常用漢字と言うものがありますが、それは年代によって変わっており、途中当用漢字というものが定められました。
さらにその書き方について、止めやはね、はらいなどをきっちりと型にはめたように学ばされた世代。
今はどうなのか知りませんが、僕の子供の頃は『書き方』という授業があり、止めやはね、はらいは煩く言われましたね。
そう、正にそうなんですよね。
訂正される方は自分と同世代か少し先輩の方ばかり。
その上の世代や下の世代はほぼそういう部分の訂正はありません。
もちろん弊社が最初間違ったものを作成してお渡ししているつもりは全く御座いません。
ですがおそらく、先ほど申しましたようにご自分なりの書き方がありそれが唯一の正解というようにお考えなのではないかと。
つまりそれは昔ご自分たちが昔、教育の場受けたやり方そのものなのです。
折角ですのであともう一つ。
墓石の彫刻はお習字の感覚で言うとかなり大きな文字です。
お習字は紙に対しての文字の大きさというものがありますが、その感覚で墓石の文字と比べた場合かなり大きいのです。
『○○家之墓』
和形の石塔の棹石正面にはよく見られる文字彫刻ですが、墓石の縦横をお習字の紙面と考えると、結構ふちに近い大きな文字で彫刻されています。
お習字の比率だとかなり小さいのです。
そのためどんなに著名なお習字の先生でも、筆自慢の方でも墓石に書いていただくとかなり小さくなってしまいます。
ですから昔は墓石専門に書いていただく書家の先生がいらっしゃいました。(現在はそういった文字をフォント化したものを使用)
当時は柔らかい字がお好みだったら女性の先生に書いていただくなんてこともできました。
最初は手書きを手彫りしていましたが後に機械彫りとなり、現在ではPCで作成した原稿を機械彫り(サンドブラストで職人が吹き付けて彫刻)となっています。
手書きや手彫りだと最初から文字がそろっていないのが当たり前だったのですが、現在は正に型にはめたようなそろった文字。
そこでご自身の記憶や日常使っている書き方と違うとかなり気になってしまうのではないかと思うのです。
弊社がPCフォントを中心に使うようになって30年近く経っています。
世代交代は30年と言われていますので、その前の彫刻と比べた場合や、お墓の後を引き継いだ方の世代(年代)等の関係からちょうど気になってしまうようなことになっているのではないかと考えます。
それぞれのお客様の感覚的なものですから何がどうなってと言う説明は付かないと思いますが、自分はこう思いますというご意見を頂戴します。
もちろん訂正と言うか修正は致しますが、弊社の最初の原稿ガマの違ったものではないことと、間違ったものを平気で出しているということでもないことをご理解ください。
さらに、訂正が入る場合完成までのお時間をさらに頂戴いたしますので、埋葬までに間に合わないこともございますのでご了承くださいませ。
なお、業界的に埋葬後の完成が標準にしている業者さんもありますが、それも恐らく最近訂正(修正)依頼が多いことも理由の一つかと思われます。