法科大学院合格体験記④(論文試験) | ぼくが司法試験とかを受験したよブログ

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かつては法科大学院ルートで司法試験合格を目指すつもりだった大学生の主にメモ。
今は予備試験ルートで司法試験に合格してしまった法科大学院生の主にメモ。
たまに再現答案、老婆心。


論文試験、ロー入試の本丸です。



とは言っても、適性や短答みたいに付け焼き刃でなんとかなるものでもないし、勉強法なんかも自分でもよくわかんないので使用教材とか年表みたいのは詳しく書けません。



代わりに、ロー入試の論文試験の勉強をしてて感じたことを思いついたまま書いておきます。






まず、教材について。論文対策となると使う教材は各自いろいろあると思うんですが、予備校の論文講座(I塾でいう論文マスターとか)を受講している人はそれでいいし、そうでない人も予備校本の論文問題集(スタンダード100とか)をひとつ決めて勉強すればどこでも受かると思います。


ちなみに僕は全科目LECが出してる新論文の森シリーズをやってました。論点の解説や答案の書き方についての指摘も充実してて良いんですが、明らかに間違ってたり反判例・少数説を採る参考答案とかもあります。まあでもそれを批判的に検討したのが結果的に力になってると思います。初学者段階からロー入試直前まで、2~3周やりました。



学者執筆の演習書は、無理してやらなくていいんじゃないかと思います。ネットで探すとロー入試段階で刑法事例演習教材とか憲法の急所とか解析民事訴訟法とかロープラクティスとか、なんかいろいろやりまくってる人いてすげえなあと思ってたんですが、僕はそんな色々手を出す余裕なかったです。

でもロースクール演習刑法はけっこうオススメ。



論証についても、いわゆる予備校説でいいんじゃないかと。担保的構成でいいし、折衷的相当因果関係説でいいし、違法排除説でいいし、間接損害事案の株主も第三者でいいし。



憲法も三段階審査とかよく知りませんでした。小山作法はロー入試おわったあとに読みました。




何が言いたいかというと、予備校本の参考答案とかを使ってちゃんとした「形式」の答案を書けるようになるのが先ですし、そのうえで超超基本論点さえ拾えればロー入試は受かる、ということです。



さらに論点をもれなく抽出できれば学費免除が来る感じだと思います、感覚としては。



最新の問題意識とか事案の特殊性に配慮した論述なんてできなくていいでしょうし、ていうか時間がそれを許しません。










むしろロー入試で最大の壁は、時間の短さでしょう。


慶應や中央は1科目あたり50~40分、東大に至っては2科目で70分なので実質1科目35分です。


問題の量もそれなりに配慮されてるとは思うんですが、綿密に答案構成してフルスケールで論証書いて~なんてやってるヒマは全くないです。




答案構成はほぼ論点の名前だけメモっておわりでしたし、論証は可能な限りコンパクトにする必要がありました。





もちろん、「問題提起→規範定立→あてはめ→結論」という形式(特に規範定立から結論までの法的三段論法)は絶対に崩してはいけません。


ただ、これをなるべく短くスムーズ書くために、①規範の理由付けを短縮する、②いちいち文を区切らない、などの工夫をしてました。




例えば今年の慶應ロー刑法の再現答案ですが、僕は「甲は本件連れ出し行為を自ら実行していないが、一部実行全部責任の根拠が相互利用補充関係にあることから、①意思連絡と②正犯意思からなる共謀と、③共謀に基づく実行行為があれば、共謀共同正犯が成立すると解する。」と書いてるようです(→再現答案用ブログ)。




ここでは問題提起と規範部分を一文でまとめて、理由付けも簡単なものにしてます。


本当は刑法60条の文言にひっかけた形式論の理由付けも用意してるんですが、実質論だけでいきました。理由付けが2個以上ある場合は重要なものだけ選んで書いてましたね。


ちなみに問題提起の部分は「自ら実行していないため共謀共同正犯の成否が問題となるところ、一部実行~」としても良かったかなと思います。でもどうせそんなことで点数下がんないよたぶん。


ちなみにこの「~であるところ~」っていうのは問題提起と規範、規範とあてはめの間で文を区切りたくないときに使ってました。論理関係が曖昧で読みづらくはなりますが、時間ないんで勘弁してくださいと心の中で謝りながら。






あとはとにかく時間との兼ね合いで何をどこまで書けばいいのかを掴むのは必須だと思ったので、どのローも直近2年分くらいの過去問は時間を測って解きました。





とりあえずこんなもんでしょうか。また思いついたら書きます。