第５１回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の兼題の披講です。
第５１回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の兼題の披講です。
席題： ＜声＞＜餅＞を順不同の上、作者不明のまま、アップしました。
選句と選評（他人の選評に対する意見交換も）をよろしくお願いします。
選句数＝３句～４句
選句と選評 1/24～1/31
兼題：声
46 奥山に声なく暮らせ冬の鹿
47 鯨呼ぶ鯨の声はぱぴぷぺぽ
48 壁越しに聞こゆる声や鰤起
49 冬日蹴るリハビリの声いちにっさん
50 裏通りたけやさおだけ猫の恋
51 声もなく駆け寄る君の白き息
52 屋根の上声数十羽寒雀
53 記憶より逸れし風花声赫き
54 寒空に震える声でちと冥土まで
55 猫の恋泣き声止まり消灯す
56 初電話安否確認しゃがれ声
57 寒声のかすれながらの詩吟かな
58 関門にたゆたふ河豚の競りの声
59 歌がるた裏声で読むオネエかな
60 寒雀声上げてみた＃Me too・・・
61 声あまし冬寝の妻の寝言かな
62 雪ですとロボットの声こたへをり
63 手のひらで声を上げそう寒卵
64 冬天に透ける掛け声白き脚
65 母見舞う幼子声を潜めをり
66 声もなく泣く子神ゆえの逃避行
67 元旦や母への声かけ「生きとるか」
68 暁の声愛おしや寒椿
69 初競りの声キンキンと天を突く
70 横なぐり吹雪蹴立てて列車ゆく
71 ご詠歌の声か歌会始めの儀
72 雑踏に犬の声聞く寒昴
73 犬に似せ鴉鳴く声初笑い
兼題：餅
74 ひび割れし祖母の指先餅を焼く
75 しんがりはお約束なり餅を撒く
76 餅を焼く父の居場所に今は僕
77 蔵光るたんす長持ち餅を焼く
78 「吹き出しに言葉を埋めよ」餅焼ける
79 身中の酒抜く断酒きなこ餅
80 裏を焼き表を焼いて餅ふくれ
81 今日の雪今日の君在り餅を焼く
82 角餅の国で丸餅探しをり
83 愛想笑いの元旦にプラスチックの鏡餅
84 誕生日もち食うてまあ親の倍
85 餅撒きやジープを追いし日々遠く
86 大好きな餅焼く妻の手の裁き
87 早々に餅詰めたのか救急車
88 鏡餅いつか切らるる日ぞ悲し
89 餅花を母に代わりて咲かせたり
90 掛け軸をあらため鎮座の鏡餅
91 白味噌に丸餅やねんうちとこは
92 雑煮食う白味噌仕立てもう八時
93 父と子の気持ち尻もちきなこ餅
94 搗きたての餅かあるいはデビ夫人
95 半殺しうまし餅つく子らの声
96 残り餅茶漬けに入れて初出勤
97 餅焼ひて漢字パズルを広げをり
98 五つ三つ四つ雑煮の餅いくつ
99 幸せは他愛なきこときなこ餅
100 餅つきや児らの掛けごえ聖教会
101 餅つきの声消えゆきて昭和遠く
以上です。
第５１回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の披講です。
第５１回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の披講です。
席題： ＜自由＞を順不同の上、作者不明のまま、アップしました。
選句と選評（他人の選評に対する意見交換も）をよろしくお願いします。
選句数＝４句～５句
選句と選評 1/16～1/23
1 定位置のりんごあめ売り初詣
2 誰もみな何かを待てりエアポート
3 獅子舞や真顔の豚児人垣に
4 ビル壁にビル影映る冬日かな
5 女湯に声かけ雪の露天風呂
6 川向こうサイレン走る寒波来る
7 手袋に隠れし指を愛おしむ
8 新年や炎と怒り口火切る
9 新春や棒の如きを問うてみる
10 寒林の妻を背なより抱きしむる
11 しがらみを川に流して初明り
12 除夜の鐘神社へと集まる灯り
13 珍しや兎見つめて山に去る
14 吹雪突き急停車誰か死ぬ
15 去年今年ユーチューバーという生業
16 凍蝶の粉々になる深呼吸
17 しんしんと若気の至り窓の雪
18 大将のキャラの際立つおでん種
19 積もらねばつまらぬ朝や夜半の雪
20 冬青空透明人間とすれ違う
21 空っ風嘘八百の帰るとこ
22 吹き初めのサックス気温5度の朝
23 寒月や闇を蹴散らし街の底
24 寒の内二十歳のコート雨弾く
25 足袋の足もて装束の仕上がりぬ
26 黄昏の樹氷はつれなく佇めり
27 窓の風花四方より現るる
28 客人を駅まで送る暮の雪
29 朝の日が老いた背照らす初湯かな
30 大漁旗競う真下を海鼠這う
31 冬うらら喪主と遺影の似たる眉
32 地球儀にとんがり帽子イブの夜
33 女偏喜ぶと書き師走暮れ
34 年賀式尻こそばゆい訓示きく
35 鐘冴ゆる昏き窓辺に月飾る
36 手袋もせずに遊ぶ子の頼もしき
37 鱈切り身フィッシュ＆チップスで喰う
38 眉の闇はつかあかるる初茜
39 枯れ枝に蛙の花あり月冴ゆる
40 深夜二時蝋梅の香に包まれし
41 冬の海鴎の代も周りゆく
42 不揃いのごまめ炒る間に日ざし消ゆ
43 レマン湖に叫ぶや頬の凍つるとも
44 うつろなる顔の電車や松を過ぐ
45 人と犬と踊るは影絵霜の道
以上です。
第５１回 平成３０年の初句会を開催します。
あけましておめでとうございます。
第５１回 平成３０年の初句会を開催します。
ふるってご応募ください。今回も、自由句を先に投句下さい。
皆様、今年もどうぞよろしくお願いします。
お題：①兼題：自由句＝３句
投句締切り：１月１４日（日）
披講 １月１６日（火）
選句と選評 1/16～1/23
選句数＝４～５句
②兼題：「声」（季語ではありません）＝２句
：「餅」（冬の季語です）＝２句
投句締め切り １月２３日（火）
披講 １月２５日（木）
選句と選評1/25～2/1
投句：下記宛（管理人：三椒）メールで送信（投句）
以上、よろしくお願いします。
第５０回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の結果発表です。
第５０回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の結果発表です。
皆さんに選をしていただいた集計と作者発表をしました。
結果を見てのご感想をどしどしどうぞ。 ＜ ＞は作者名
兼題：自由
32 冬晴れや錨を上げて退職す ⑪ ＜ 零人 ＞ 三椒 茶呉 陽太 陽太 ちぢみ 有子 変亭 トミー 北狐 偏屈 takashi
4 石段の角のやさしき朝の雪 ⑦ ＜ トミー ＞ 茶呉 陽太 有子 里眠 零人 偏屈 莉羅
18 だんまりを決め込んでいるずわい蟹 ⑤ ＜ 有子 ＞ 茶呉 陽太 東西 変亭 莉羅
23 病窓に似合う空なし降るな雪 ⑤ ＜ 偏屈 ＞ 三椒 東西 里眠 変亭 トミー
40 抽斗にあわてて隠す鯨かな ④ ＜ 里眠 ＞ 東西 有子 トミー takashi
2 セロリ噛む深紅のネイルに闇宿る ③ ＜ こまり ＞ あきつ 里眠 takashi
21 生きるのに飽きた鮟鱇の斬られ様 ③ ＜ 里眠 ＞ あきつ あーたろー トミー
39 凩や遠吠えに遠吠え返す ③ ＜ ちぢみ ＞ 三椒 有子 takashi
47 「生きとっていいのか」と母霜の朝 ③ ＜ あーたろー ＞ ちぢみ 北狐 零人
50 黄を洗い銀杏が空を刷いて青 ③ ＜ 変亭 ＞ 茶呉 ちぢみ 莉羅
12 魚焼く匂いの混じる隙間風 ② ＜ 東西 ＞ 陽太 北狐
15 風邪の子は涙を溜めて包まれり ② ＜ 陽太 ＞ あーたろー 変亭
24 残る実の触れあうてゐる十二月 ② ＜ トミー ＞ 有子 あーたろー
26 冬の朝趣味も特技も無かりけり ② ＜ 有子 ＞ 陽太 零人
34 三角に統べたる捌き雪吊り師 ② ＜ 零人 ＞ 変亭 トミー
35 冬晴れにそそのかされて剃髪す ② ＜ 偏屈 ＞ あきつ 北狐
37 白髪を結びて紅さす冬桜 ② ＜ 茶呉 ＞ 北狐 莉羅
46 ままごとの皿持ち上げる霜柱 ② ＜ 三椒 ＞ あーたろー 偏屈
48 トラックの並ぶ食堂屋根の湯気 ② ＜ 三椒 ＞ 零人 偏屈
1 窓飾る白や赤やにある聖夜 ① ＜ トミー ＞ 零人
6 くしゃみする指の先まで愛おしき ① ＜ こまり ＞ あきつ
10 群雀はじける空のビッグバーン ① ＜ 三椒 ＞ 里眠
11 年の暮れあれはこれだれそれはどれ ① ＜ 変亭 ＞ 東西
19 遠吠や雪の闇夜を切り裂けり ① ＜ 北狐 ＞ 偏屈
29 冬ざるる軍歌忘れる軍靴高なる ① ＜ takashi ＞ ちぢみ
30 冬蝗スーパームーンを仰ぎ見る ① ＜ 茶呉 ＞ 三椒
31 百合鷗紅いブーツを揃えをり ① ＜ 零人 ＞ takashi
41 大根一本小脇に抱え猿走る ① ＜ あーたろー ＞ ちぢみ
45 教師の母待つ子うとうと冬銀河 ① ＜ あーたろー ＞ 三椒
3 右手右足同時に出す師走かな ＜ あきつ ＞
5 十二月八日のランチ旗なびく ＜ takashi ＞
7 教室の絵本の見本紙の雪 ＜ takashi ＞
8 雑木山枯れてゆくもの声掠れ ＜ ちぢみ ＞
9 生きる日を支える満天星紅葉かな ＜ 莉羅 ＞
13 冬ざれや断捨離といふ弁明も ＜ あきつ ＞
14 寒き夜ラジオ深夜便で温まる ＜ 北狐 ＞
16 雪道をこけつ迷いつ初句会 ＜ 偏屈 ＞
17 金色の時雨てダナエの寝言聴く ＜ 莉羅 ＞
20 陵の樹木の狸発光す ＜ 陽太 ＞
22 短日の畑を見つむ老夫婦 ＜ 東西 ＞
25 熱燗や北斎ゴッホ好きな人 ＜ ちぢみ ＞
27 ひとり寝てひとり語るや忘年会 ＜ 陽太 ＞
28 柿の実の色を重ねしスーパームーン ＜ 茶呉 ＞
33 午後四時の竜の骨なる秋雲や ＜ 莉羅 ＞
36 たぷたぷんコートの海で平泳ぎ ＜ こまり ＞
38 吾子の手に形とどめぬ六つの花 ＜ 有子 ＞
42 雪だるま溶けると死人見えるよな ＜ 北狐 ＞
43 寝て起きて三食喰うて師走かな ＜ 変亭 ＞
44 冬の夜を金魚が泳ぐお城かな ＜ 里眠 ＞
49 部活後に生徒見送る暮れ早し ＜ 東西 ＞
兼題：新海苔
66 新海苔や山折り三度二の三乗 ⑧ ＜ 三椒 ＞ 茶呉 ちぢみ 有子 零人 偏窟 里眠 takashi 莉羅
58 新のりで騒ぐな妻よ飯を炊け ⑤ ＜ 偏屈 ＞ 東西 陽太 零人 takashi あーたろー
75 地球の呼吸新海苔の胞子吐き出す ④ ＜ 茶呉 ＞ ちぢみ トミー 莉羅 三椒
82 憂きことを新海苔に巻く朝餉かな ④ ＜ 莉羅 ＞ 東西 トミー 偏窟 三椒
68 里帰り新海苔添えし親心 ③ ＜ 北狐 ＞ こまり 陽太 零人
79 新海苔や二人の昼餉満ち足りて ③ ＜ 三椒 ＞ こまり トミー 莉羅
53 新海苔の茶漬け明日も生きんとす ② ＜ 莉羅 ＞ こまり 北狐
57 新海苔や予報は晴れと旅の朝 ② ＜ ちぢみ ＞ 有子 莉羅
62 新海苔や海の語りを聴いてゐる ② ＜ 零人 ＞ ちぢみ 北狐
76 新海苔や火と日と山と海の国 ② ＜ 里眠 ＞ 茶呉 トミー
77 新のりや一噛み毎に波しぶき ② ＜ あきつ ＞ 北狐 あーたろー
52 新海苔を巻いてニコニコハレの日に ① ＜ ちぢみ ＞ 陽太
55 新のりで飾る歯でどや遊園地 ① ＜ 東西 ＞ 偏窟
56 新のりや自由民権匂い立つ ① ＜ 陽太 ＞ 零人
61 新海苔を始めましたと古暖簾 ① ＜ 茶呉 ＞ 三椒
63 新海苔や四角四面の裏表 ① ＜ 有子 ＞ takashi
65 新海苔の白き封とく潮ひかる ① ＜ 変亭 ＞ 里眠
69 新のりやカズオイシグロ５歳まで ① ＜ 偏屈 ＞ 有子
72 ぬばたまの新海苔の香よ平成よ ① ＜ takashi ＞ 里眠
74 新海苔をばりばり破るかもめ来い ① ＜ takashi ＞ 東西
81 新海苔は焙炉に鎮座ときの贅 ① ＜ 零人 ＞ 茶呉
84 新のりを極む男は颯爽と ① ＜ 陽太 ＞ ちぢみ
51 新海苔のぱりり海の波ぱしゃり ＜ 里眠 ＞
54 新のりをパリリと折るや指白き ＜ 変亭 ＞
59 新海苔で食うコンビニの飯も良し ＜ あーたろー ＞
60 食膳にあるじのこころ新海苔香る ＜ 北狐 ＞
64 新のりや板場にぴしと弾かれり ＜ トミー ＞
67 新のりの鋼のやうに黒光る ＜ トミー ＞
70 新のりを採る様見遣る伊勢の空 ＜ こまり ＞
71 新海苔の音の旨さよ汁の湯気 ＜ あーたろー ＞
73 新のりをのどで味わう銀座の夜 ＜ こまり ＞
78 新海苔を炙る指先風立ちぬ ＜ 有子 ＞
80 新のりを持ちて玄関開くを待つ ＜ 東西 ＞
83 配達員新海苔抱え走り来る ＜ あーたろー ＞
兼題：ストーブ
112 ストーブの音だけがある保健室 ⑧ ＜ 有子 ＞ こまり 陽太 零人 トミー 偏窟 里眠 takashi あーたろー
91 ストーブや猫を抱えた革命家 ⑦ ＜ 里眠 ＞ 茶呉 東西 ちぢみ 有子 零人 トミー 莉羅
99 ストーブのぬくもり残る駅舎かな ④ ＜ 里眠 ＞ 東西 こまり 陽太 北狐
113 ストーブに集まる者を家族とす ④ ＜ 零人 ＞ 有子 こまり takashi 莉羅
107 ストーブをあかり代わりに帯を解き ③ ＜ 偏屈 ＞ 茶呉 零人 三椒
87 ストーブや夫婦のひみつ封印す ② ＜ 陽太 ＞ takashi 莉羅
89 ことこととストーブでしか成せぬ味 ② ＜ こまり ＞ ちぢみ あーたろー
90 炎立つS氏の詩集ストーブへ ② ＜ takashi ＞ 陽太 偏窟
94 ストーブやくすり袋の開けにくさ ② ＜ トミー ＞ takashi 三椒
97 シャンパンの泡の行方を知る暖炉 ② ＜ トミー ＞ 茶呉 莉羅
108 ストーブの炎を笑う乳幼児 ② ＜ 東西 ＞ 有子 零人
114 暖炉昏し蜜の如き日々を焼く ② ＜ 莉羅 ＞ ちぢみ トミー
96 アラジンストーブ傍らの裸婦描く ① ＜ ちぢみ ＞ 偏窟
100 山小屋のストーブ赤赤星の夜 ① ＜ 有子 ＞ 里眠
102 わびしき夜ストーブひとつあればいい ① ＜ こまり ＞ 北狐
104 遠巻きの薪ストーブや道の駅 ① ＜ あーたろー ＞ トミー
106 ストーブを檻で囲みて孫八人 ① ＜ 三椒 ＞ 北狐
109 ストーブのわきにサーファーたまりくる ① ＜ 陽太 ＞ 三椒
111 ストーブに錆びた思い出二つ三つ ① ＜ 北狐 ＞ ちぢみ
116 留守の間にストーブぽつり主待つ ① ＜ 東西 ＞ 里眠
117 ストーブに炙り出される加齢臭 ① ＜ 偏屈 ＞ 北狐
85 ストーブで芋焼く昔懐かしい ＜ あーたろー ＞
86 弁当を載せて面壁冬達磨 ＜ 変亭 ＞
88 暖炉燃ゆポインセチアを抱く如く ＜ 莉羅 ＞
92 とろと燃えはぜて吼えたり冬嵐 ＜ 変亭 ＞
93 炬燵ふとん・足つっつきて知らぬ顔 ＜ 茶呉 ＞
95 ニュートンに逸話が幾つ暖炉燃ゆ ＜ 三椒 ＞
98 独裁者は自問自答ペチカ燃ゆ ＜ ちぢみ ＞
101 ストーブのある教会午後三時 ＜ takashi ＞
103 無愛想な父の炬燵の指定席 ＜ 茶呉 ＞
105 ストーブを取り合う猫と人と人 ＜ あきつ ＞
110 赤々とストーブ燃ゆる火宅かな ＜ 零人 ＞
115 ストーブや哀しみ癒す灯をくれし ＜ 北狐 ＞
以上です。
第５０回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の兼題の披講です。
第５０回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の兼題の披講です。
席題： ＜新海苔＞＜ストーブ＞を順不同の上、作者不明のまま、アップしました。
選句と選評（他人の選評に対する意見交換も）をよろしくお願いします。
選句数＝３句～４句
選句と選評 12/19～12/26
兼題：新海苔
51 新海苔のぱりり海の波ぱしゃり
52 新海苔を巻いてニコニコハレの日に
53 新海苔の茶漬け明日も生きんとす
54 新のりをパリリと折るや指白き
55 新のりで飾る歯でどや遊園地
56 新のりや自由民権匂い立つ
57 新海苔や予報は晴れと旅の朝
58 新のりで騒ぐな妻よ飯を炊け
59 新海苔で食うコンビニの飯も良し
60 食膳にあるじのこころ新海苔香る
61 新海苔を始めましたと古暖簾
62 新海苔や海の語りを聴いてゐる
63 新海苔や四角四面の裏表
64 新のりや板場にぴしと弾かれり
65 新海苔の白き封とく潮ひかる
66 新海苔や山折り三度二の三乗
67 新のりの鋼のやうに黒光る
68 里帰り新海苔添えし親心
69 新のりやカズオイシグロ５歳まで
70 新のりを採る様見遣る伊勢の空
71 新海苔の音の旨さよ汁の湯気
72 ぬばたまの新海苔の香よ平成よ
73 新のりをのどで味わう銀座の夜
74 新海苔をばりばり破るかもめ来い
75 地球の呼吸新海苔の胞子吐き出す
76 新海苔や火と日と山と海の国
77 新のりや一噛み毎に波しぶき
78 新海苔を炙る指先風立ちぬ
79 新海苔や二人の昼餉満ち足りて
80 新のりを持ちて玄関開くを待つ
81 新海苔は焙炉に鎮座ときの贅
82 憂きことを新海苔に巻く朝餉かな
83 配達員新海苔抱え走り来る
84 新のりを極む男は颯爽と
兼題：ストーブ
85 ストーブで芋焼く昔懐かしい
86 弁当を載せて面壁冬達磨
87 ストーブや夫婦のひみつ封印す
88 暖炉燃ゆポインセチアを抱く如く
89 ことこととストーブでしか成せぬ味
90 炎立つS氏の詩集ストーブへ
91 ストーブや猫を抱えた革命家
92 とろと燃えはぜて吼えたり冬嵐
93 炬燵ふとん足つっつきて知らぬ顔
94 ストーブやくすり袋の開けにくさ
95 ニュートンに逸話が幾つ暖炉燃ゆ
96 アラジンストーブ傍らの裸婦描く
97 シャンパンの泡の行方を知る暖炉
98 独裁者は自問自答ペチカ燃ゆ
99 ストーブのぬくもり残る駅舎かな
100 山小屋のストーブ赤赤星の夜
101 ストーブのある教会午後三時
102 わびしき夜ストーブひとつあればいい
103 無愛想な父の炬燵の指定席
104 遠巻きの薪ストーブや道の駅
105 ストーブを取り合う猫と人と人
106 ストーブを檻で囲みて孫八人
107 ストーブをあかり代わりに帯を解き
108 ストーブの炎を笑う乳幼児
109 ストーブのわきにサーファーたまりくる
110 赤々とストーブ燃ゆる火宅かな
111 ストーブに錆びた思い出二つ三つ
112 ストーブの音だけがある保健室
113 ストーブに集まる者を家族とす
114 暖炉昏し蜜の如き日々を焼く
115 ストーブや哀しみ癒す灯をくれし
116 留守の間にストーブぽつり主待つ
117 ストーブに炙り出される加齢臭
以上です。
第５０回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の披講です。
第５０回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の披講です。
席題： ＜自由＞を順不同の上、作者不明のまま、アップしました。
選句と選評（他人の選評に対する意見交換も）をよろしくお願いします。
選句数＝４句～５句
選句と選評 12/10～12/17
1 窓飾る白や赤やにある聖夜
2 セロリ噛む深紅のネイルに闇宿る
3 右手右足同時に出す師走かな
4 石段の角のやさしき朝の雪
5 十二月八日のランチ旗なびく
6 くしゃみする指の先まで愛おしき
7 教室の絵本の見本紙の雪
8 雑木山枯れてゆくもの声掠れ
9 生きる日を支える満天星紅葉かな
10 群雀はじける空のビッグバーン
11 年の暮れあれはこれだれそれはどれ
12 魚焼く匂いの混じる隙間風
13 冬ざれや断捨離といふ弁明も
14 寒き夜ラジオ深夜便で温まる
15 風邪の子は涙を溜めて包まれり
16 雪道をこけつ迷いつ初句会
17 金色の時雨てダナエの寝言聴く
18 だんまりを決め込んでいるずわい蟹
19 遠吠や雪の闇夜を切り裂けり
20 陵の樹木の狸発光す
21 生きるのに飽きた鮟鱇の斬られ様
22 短日の畑を見つむ老夫婦
23 病窓に似合う空なし降るな雪
24 残る実の触れあうてゐる十二月
25 熱燗や北斎ゴッホ好きな人
26 冬の朝趣味も特技も無かりけり
27 ひとり寝てひとり語るや忘年会
28 柿の実の色を重ねしスーパームーン
29 冬ざるる軍歌忘れる軍靴高なる
30 冬蝗スーパームーンを仰ぎ見る
31 百合鷗紅いブーツを揃えをり
32 冬晴れや錨を上げて退職す
33 午後四時の竜の骨なる秋雲や
34 三角に統べたる捌き雪吊り師
35 冬晴れにそそのかされて剃髪す
36 たぷたぷんコートの海で平泳ぎ
37 白髪を結びて紅さす冬桜
38 吾子の手に形とどめぬ六つの花
39 凩や遠吠えに遠吠え返す
40 抽斗にあわてて隠す鯨かな
41 大根一本小脇に抱え猿走る
42 雪だるま溶けると死人見えるよな
43 寝て起きて三食喰うて師走かな
44 冬の夜を金魚が泳ぐお城かな
45 教師の母待つ子うとうと冬銀河
46 ままごとの皿持ち上げる霜柱
47 「生きとっていいのか」と母霜の朝
48 トラックの並ぶ食堂屋根の湯気
49 部活後に生徒見送る暮れ早し
50 黄を洗い銀杏が空を刷いて青
以上です。
第５０回 今年最後の俳人ホームウェブ句会を開催します。
第５０回 今年最後の俳人ホームウェブ句会を開催します。今回で５０回となります。
ふるってご応募ください。今回も、自由句を先に投句下さい。
お題：①兼題：自由句＝３句
投句締切り：１２月８日（金）
披講 １２月１０日（日）
選句と選評 12/10～12/17
選句数＝４～５句
②兼題：「新のり」（冬の季語です、ちなみに海苔だけだと春の季語です）＝２句
：「ストーブ」（冬の季語です）＝２句
投句締め切り １２月１７日（日）
披講 １２月１９日（火）
選句と選評12/19～12/26
投句：下記宛（管理人：三椒）メールで送信（投句）
以上、よろしくお願いします。
第４９回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の結果発表です。
第４９回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の結果発表です。
皆さんに選をしていただいた集計と作者発表をしました。
結果を見てのご感想をどしどしどうぞ。 ＜ ＞は作者名
兼題：自由
21 幸せはいかに測るやとろろ汁 ⑩ ＜ 東西 ＞ あきつ 有子 あーたろー 変亭 三椒 陽太 ちぢみ こまり takashi 莉羅
12 山茶花や月の匂いのする坂で ⑦ ＜ 茶呉 ＞ 東西 三椒 ちぢみ 里眠 トミー こまり 莉羅
43 駐在のもうひと巡り柿かぢる ⑥ ＜ トミー ＞ あきつ あーたろー 東西 茶呉 陽太 こまり
17 鳥兜凄みの青に輝けり ⑤ ＜ あーたろー ＞ 有子 東西 トミー こまり 莉羅
20 月の夜に閂かけても溢る恋 ⑤ ＜ こまり ＞ 三椒 陽太 零人 里眠 莉羅
7 箸に刺す芋の煮ころがし与太ばなし ④ ＜ ちぢみ ＞ 変亭 東西 里眠 takashi
8 風も樹もめいめい生きて月笑う ④ ＜ 莉羅 ＞ 茶呉 ちぢみ 零人 takashi
10 空高く義足は大きく弧を描く ④ ＜ 零人 ＞ 有子 里眠 takashi 莉羅
11 松茸や眺めすがめつ客が去る ③ ＜ 陽太 ＞ トミー こまり 北狐
28 鶏頭のいくつかはまだひよっこで ③ ＜ あきつ ＞ あーたろー 変亭 三椒
9 香典を幾度と数え冬隣 ② ＜ 陽太 ＞ あーたろー 零人
13 炭を焼く煙り重たや川面這ふ ② ＜ 三椒 ＞ 東西 トミー
14 秋の空よきにはからえ髪を梳く ② ＜ 有子 ＞ 茶呉 北狐
16 団栗の帽子剥がせばうす緑 ② ＜ 三椒 ＞ 変亭 零人
23 鬼灯に猫の目ほどの光あり ② ＜ あきつ ＞ 有子 トミー
27 あの咳は妻の咳なり待合室 ② ＜ 三椒 ＞ 陽太 北狐
46 郷愁を餌に集まるいわし雲 ② ＜ 東西 ＞ あきつ 茶呉
3 銀色の空に鐘の音葡萄もぐ ① ＜ 莉羅 ＞ 三椒
5 乳せびる嬰児（やや）泣き止まぬ夜長かな ① ＜ 里眠 ＞ 北狐
6 盛り場のガイドのやうな焼き芋屋 ① ＜ トミー ＞ 零人
18 柘榴はぜて虚 ① ＜ こまり ＞ 里眠
25 芋の露ぽとりと命が落ちた朝 ① ＜ こまり ＞ あきつ
26 善悪の彼岸に色なき風の吹く ① ＜ 莉羅 ＞ あきつ
35 飛行機のよく飛ぶ街の月夜かな ① ＜ 里眠 ＞ ちぢみ
1 学ランの肘膝テカる春を待つ ＜ 有子 ＞
2 うなだれて咲くを忘るる秋のバラ ＜ 北狐 ＞
4 一枝の楓遅早あり秋の声 ＜ 変亭 ＞
15 ひつじ田に群れから抜けた鳩一羽 ＜ 東西 ＞
19 口数の少なくなれば冬隣り ＜ あきつ ＞
22 小春日の牛肉馬肉羊肉 ＜ takashi ＞
24 全山の嘘に染まりし紅葉かな ＜ 零人 ＞
29 アルバムの整理などして石蕗の花 ＜ 茶呉 ＞
30 きのこ狩り樹海の奥へ操らる ＜ ちぢみ ＞
31 台風去り雲なき空の呆気なさ ＜ 北狐 ＞
32 枯枝の先はや空といっしょくた ＜ トミー ＞
33 秋の暮波打ち際に誰もいず ＜ 北狐 ＞
34 秋天の雲ひとつ無し友逝けり ＜ 零人 ＞
36 あみたくじ秋の長雨宝くじ ＜ takashi ＞
37 サックスの音くぐもりて秋湿り ＜ あーたろー ＞
38 ビリ走る我が子鉢巻き運動会 ＜ 陽太 ＞
39 ノッポソッポぽっぽぽぽぽ冬ぽっぽ ＜ takashi ＞
40 台風一過水道カランゆるみおり ＜ ちぢみ ＞
41 闇の魔法解けてアキノキリンソウ ＜ 里眠 ＞
42 秋を行くスポーツサイクル顔爺い ＜ 変亭 ＞
44 ささやきを聞きて柘榴の頬の色 ＜ 変亭 ＞
45 神無月明けゆく空に光る星 ＜ 有子 ＞
47 津軽並ぶ笑み交わし合う老夫婦 ＜ あーたろー ＞
48 初時雨セピア・・色した君が笑う ＜ 茶呉 ＞
兼題：おでん
64 生きるだの死ぬだのおでんは竹輪だぜ ⑦ ＜ 里眠 ＞ あきつ 東西 こまり 茶呉 ちぢみ 莉羅 takashi
73 ぐだぐだになつても好きでいておでん ⑥ ＜ あきつ ＞ 有子 三椒 東西 トミー 里眠 零人
60 顔ぶれにはしごの予感おでん酒 ④ ＜ トミー ＞ 三椒 こまり 茶呉 北狐
75 おでんの日帰らぬ夫辛子練る ④ ＜ 有子 ＞ 三椒 里眠 陽太 北狐
71 おでん屋をくぐる男女の声高し ③ ＜ 陽太 ＞ 東西 トミー 零人
53 先生と呼び合っているおでんかな ② ＜ 里眠 ＞ 有子 陽太
61 初雪やせめてダイコのしみるまで ② ＜ 茶呉 ＞ 三椒 莉羅
63 晩秋のちくわの穴の正当性 ② ＜ takashi ＞ 有子 里眠
65 二日目のおでんは嫌い外待雨（ほまちあめ） ② ＜ 零人 ＞ ちぢみ 莉羅
67 おでん煮るまだかまだかと子が唄う ② ＜ こまり ＞ 零人 北狐
68 しみしみのアツアツおでんホクホクで ② ＜ 有子 ＞ こまり ちぢみ
72 やっぱりなあいつもおでんやっぱりな ② ＜ 北狐 ＞ あきつ takashi
51 今宵またぐつぐつおでん魔女二人 ① ＜ ちぢみ ＞ 陽太
52 輪郭に禅の世を見るおでん鍋 ① ＜ 東西 ＞ こまり
55 おでん屋は猫も通わぬ高速沿い ① ＜ takashi ＞ トミー
56 口紅の落ちてさばさばおでん食ぶ ① ＜ 莉羅 ＞ あきつ
57 コンビニのおでんうまいと母の笑み ① ＜ あーたろー ＞ 零人
59 鍋底に潜むちくわぶ秋思かな ① ＜ 零人 ＞ 茶呉
49 ひとり鍋すじに大根文化の日 ＜ 陽太 ＞
50 おでん鍋に痘痕の玉子眠りおり ＜ 莉羅 ＞
54 おでん屋に置き忘れたる夢語り ＜ トミー ＞
58 おでん食うひと晩の空かみしめて ＜ こまり ＞
62 おでん屋で凍える心洗うかな ＜ 北狐 ＞
66 酒一本おでんが二つほろ酔ひセット ＜ 三椒 ＞
69 お隣もそのお隣もおでんらし ＜ あきつ ＞
70 大根の出汁立ち上り子ら帰る ＜ あーたろー ＞
74 やめてくれ政局談義おでん酒 ＜ ちぢみ ＞
76 おでん鍋健康食が踊りおり ＜ 東西 ＞
77 千鳥足〆のおでんはガード下 ＜ 三椒 ＞
78 黄金色のおでんの出汁で二十年 ＜ 茶呉 ＞
兼題：映画
91 名画座の椅子の硬さや寒の入り ⑧ ＜ 零人 ＞ 有子 あきつ こまり トミー 里眠 陽太 莉羅 北狐
89 立冬や四隅に客の映画館 ⑥ ＜ 陽太 ＞ 有子 東西 こまり トミー 零人 莉羅
87 梟はエンドロールを見届ける ④ ＜ 有子 ＞ 三椒 東西 里眠 陽太
88 帰りにはおでんはどうだい小津映画 ④ ＜ 零人 ＞ 東西 茶呉 ちぢみ 北狐
105 映画観て豚まん買うて日短し ④ ＜ ちぢみ ＞ あきつ こまり 零人 莉羅
79 銀幕の女優脱いでる除夜の鐘 ③ ＜ 有子 ＞ あきつ こまり takashi
97 銀幕のマストロヤンニ的マフラー ③ ＜ 里眠 ＞ 有子 トミー ちぢみ
104 映画館膝掛け下で握る手や ③ ＜ こまり ＞ 零人 北狐 takashi
98 映写機のまっすぐ冬空へ向かう ② ＜ あきつ ＞ 三椒 茶呉
81 柿を食みチャプリン観て鬱消えし ① ＜ 北狐 ＞ 茶呉
82 我が映画いまが終章黄落期 ① ＜ 三椒 ＞ 里眠
83 どてら着て愛猫と観る仏映画 ① ＜ こまり ＞ ちぢみ
84 とある島とある映画の白い蛇 ① ＜ takashi ＞ 三椒
92 雪近し高倉健のいる酒場 ① ＜ 茶呉 ＞ あきつ
96 蔦紅葉ロマンポルノの映画館 ① ＜ 里眠 ＞ 三椒
102 化粧さす映画の合間冬ぬくし ① ＜ 陽太 ＞ 零人
108 映画の日予習を済ませ牛蒡引く ① ＜ 東西 ＞ 陽太
80 暮れの秋風の音する映画館 ＜ 東西 ＞
85 君の過去映画化しても日向ぼこ ＜ ちぢみ ＞
86 シリウスの灯り満天シネマかな ＜ 莉羅 ＞
90 鳥渡る三本立ての映画館 ＜ トミー ＞
93 火恋しゆつくりはねてゆく映画 ＜ トミー ＞
94 銀幕の芙蓉なり原節子 ＜ 北狐 ＞
95 秋夕焼夫婦割観て帰りつく ＜ あーたろー ＞
99 しあはせを柘榴に託すワンシーン ＜ あきつ ＞
100 四畳半パートカラーの牡丹散る ＜ takashi ＞
101 愛と死のマコは今どこ山眠る ＜ 三椒 ＞
103 重低音熱いコーヒー3D ＜ あーたろー ＞
106 婚星一千一夜シネマ観る ＜ 莉羅 ＞
107 初雪や唐獅子牡丹の高倉健 ＜ 茶呉 ＞
以上です。
第４９回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の兼題の披講です。
第４９回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の兼題の披講です。
席題： ＜おでん＞＜映画＞を順不同の上、作者不明のまま、アップしました。
選句と選評（他人の選評に対する意見交換も）をよろしくお願いします。
選句数＝３句～４句
選句と選評 11/10～11/16
兼題：おでん
49 ひとり鍋すじに大根文化の日
50 おでん鍋に痘痕の玉子眠りおり
51 今宵またぐつぐつおでん魔女二人
52 輪郭に禅の世を見るおでん鍋
53 先生と呼び合っているおでんかな
54 おでん屋に置き忘れたる夢語り
55 おでん屋は猫も通わぬ高速沿い
56 口紅の落ちてさばさばおでん食ぶ
57 コンビニのおでんうまいと母の笑み
58 おでん食うひと晩の空かみしめて
59 鍋底に潜むちくわぶ秋思かな
60 顔ぶれにはしごの予感おでん酒
61 初雪やせめてダイコのしみるまで
62 おでん屋で凍える心洗うかな
63 晩秋のちくわの穴の正当性
64 生きるだの死ぬだのおでんは竹輪だぜ
65 二日目のおでんは嫌い外待雨（ほまちあめ）
66 酒一本おでんが二つほろ酔ひセット
67 おでん煮るまだかまだかと子が唄う
68 しみしみのアツアツおでんホクホクで
69 お隣もそのお隣もおでんらし
70 大根の出汁立ち上り子ら帰る
71 おでん屋をくぐる男女の声高し
72 やっぱりなあいつもおでんやっぱりな
73 ぐだぐだになつても好きでいておでん
74 やめてくれ政局談義おでん酒
75 おでんの日帰らぬ夫辛子練る
76 おでん鍋健康食が踊りおり
77 千鳥足〆のおでんはガード下
78 黄金色のおでんの出汁で二十年
兼題：映画
79 銀幕の女優脱いでる除夜の鐘
80 暮れの秋風の音する映画館
81 柿を食みチャプリン観て鬱消えし
82 我が映画いまが終章黄落期
83 どてら着て愛猫と観る仏映画
84 とある島とある映画の白い蛇
85 君の過去映画化しても日向ぼこ
86 シリウスの灯り満天シネマかな
87 梟はエンドロールを見届ける
88 帰りにはおでんはどうだい小津映画
89 立冬や四隅に客の映画館
90 鳥渡る三本立ての映画館
91 名画座の椅子の硬さや寒の入り
92 雪近し高倉健のいる酒場
93 火恋しゆつくりはねてゆく映画
94 銀幕の芙蓉なり原節子
95 秋夕焼夫婦割観て帰りつく
96 蔦紅葉ロマンポルノの映画館
97 銀幕のマストロヤンニ的マフラー
98 映写機のまっすぐ冬空へ向かう
99 しあはせを柘榴に託すワンシーン
100 四畳半パートカラーの牡丹散る
101 愛と死のマコは今どこ山眠る
102 化粧さす映画の合間冬ぬくし
103 重低音熱いコーヒー3D
104 映画館膝掛け下で握る手や
105 映画観て豚まん買うて日短し
106 婚星一千一夜シネマ観る
107 初雪や唐獅子牡丹の高倉健
108 映画の日予習を済ませ牛蒡引く
以上です。
第４９回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の披講です。
第４９回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の披講です。
席題： ＜自由＞を順不同の上、作者不明のまま、アップしました。
選句と選評（他人の選評に対する意見交換も）をよろしくお願いします。
選句数＝４句～５句
選句と選評 11/1～11/8
1 学ランの肘膝テカる春を待つ
2 うなだれて咲くを忘るる秋のバラ
3 銀色の空に鐘の音葡萄もぐ
4 一枝の楓遅早あり秋の声
5 乳せびる嬰児（やや）泣き止まぬ夜長かな
6 盛り場のガイドのやうな焼き芋屋
7 箸に刺す芋の煮ころがし与太ばなし
8 風も樹もめいめい生きて月笑う
9 香典を幾度と数え冬隣
10 空高く義足は大きく弧を描く
11 松茸や眺めすがめつ客が去る
12 山茶花や月の匂いのする坂で
13 炭を焼く煙り重たや川面這ふ
14 秋の空よきにはからえ髪を梳く
15 ひつじ田に群れから抜けた鳩一羽
16 団栗の帽子剥がせばうす緑
17 鳥兜凄みの青に輝けり
18 柘榴はぜて虚
19 口数の少なくなれば冬隣り
20 月の夜に閂かけても溢る恋
21 幸せはいかに測るやとろろ汁
22 小春日の牛肉馬肉羊肉
23 鬼灯に猫の目ほどの光あり
24 全山の嘘に染まりし紅葉かな
25 芋の露ぽとりと命が落ちた朝
26 善悪の彼岸に色なき風の吹く
27 あの咳は妻の咳なり待合室
28 鶏頭のいくつかはまだひよっこで
29 アルバムの整理などして石蕗の花
30 きのこ狩り樹海の奥へ操らる
31 台風去り雲なき空の呆気なさ
32 枯枝の先はや空といっしょくた
33 秋の暮波打ち際に誰もいず
34 秋天の雲ひとつ無し友逝けり
35 飛行機のよく飛ぶ街の月夜かな
36 あみたくじ秋の長雨宝くじ
37 サックスの音くぐもりて秋湿り
38 ビリ走る我が子鉢巻き運動会
39 ノッポソッポぽっぽぽぽぽ冬ぽっぽ
40 台風一過水道カランゆるみおり
41 闇の魔法解けてアキノキリンソウ
42 秋を行くスポーツサイクル顔爺い
43 駐在のもうひと巡り柿かぢる
44 ささやきを聞きて柘榴の頬の色
45 神無月明けゆく空に光る星
46 郷愁を餌に集まるいわし雲
47 津軽並ぶ笑み交わし合う老夫婦
48 初時雨セピア・・色した君が笑う
以上です。