ラーソン、終盤に大逆転。ファイナルラップにまたしても波乱が・・。(NASCAR第16戦:ソノマ) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 NASCAR第16戦:ソノマは、カリフォルニア州ソノマのソノマ・レースウェイでのToyota/Save Mart 350。2.520マイル(4.056キロ)を110周、218.9マイル(352.285キロ)を25+30+55周の3ステージ制で戦う。ピットロードスピードは、40マイル、フューエルウィンドウは、38~40周。

 テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ以来、今シーズン2度目のロードコースでのレースになる。1989年に初のレースが行われ、2020年のパンデミックを除いて毎年開催されている。1992年以降、スーパーマーケットのセーブマートがレーススポンサーを一貫して務め、2007年以降は、ずっとこの名称となっている。僕がNASCARを観始めてから、レース名が変わっていない稀有な存在でもある(他にはコカ・コーラ600のみ)。 

 2005年のトニー・スチュワート以降、ジェフ・ゴードン、ファン・パブロ・モントーヤ、カイル・ブッシュ、ケイシー・ケイン、ジミー・ジョンソン、カート・ブッシュ、クリント・ボウヤー、マーティン・トゥレックス・ジュニア、カール・エドワーズと10年、毎年ウィナーが変わっており、2015年にカイルが優勝して、その連鎖を断っている。

 ジョンソンは、キャリア83勝を重ねているが、ロードコースでの勝利は、2010年のソノマしかなく、ワトキンスグレンでは一度も優勝していない。最多勝はジェフ・ゴードンの5勝で、トゥレックスが4勝、現役ドライバーのマルチウィンは、他にカイルの2勝しかない。3勝を挙げているスチュワートの最後の勝利となったのも、ソノマで、ファイナルラップでのデニー・ハムリンとのつばぜり合いは今でも語り草になっている。ディフェンディングチャンピオンは、トゥレックス。

 PPはジョーイ・ロガーノで、1分13秒273。97.771 マイル(157.347キロ)、今シーズン3回目、通算31回目の獲得。タイラー・レディック、ライアン・ブレイニー、チェイス・エリオット、カイル・ラーソンのトップ5。プラクティスは、ブレイニー、ウィル・ブラウン、アレックス・ボウマン、エリオットとなっている。



 ロードコースを得意とするエリオットは、ソノマで1勝もしておらず、2022年にダニエル・スアレスがキャリア初優勝を上げているのも思い出深い。トロフィーは、ソノマ郡のワイン産業に敬意を表して、巨大なワイングラスと組み合わせたワインボトルホルダーの形をしており、優勝者はワインを飲むことになっている🍷。

 リチャード・チルドレスレーシングの33号車から出走するブラウンは、1998年6月5日生まれの26歳。シェーン・ヴァン・ギスバーゲンと同じスーパーカーズ・チャンピオンシップ出身で、2021年からフル参戦。109レースに出場し、9勝を挙げ、昨年は、フル参戦して4勝、ランキング5位で、今シーズンはランキングトップに立っている。

 インタヴューでは、タイ・ギブスに薄っすらと髭が、サングラス掛けてるから様になるけど、取れば、あの童顔だ。物凄く違和感がありそう。一方、レディックはすっかり顎髭も伸びて、元の姿に。口髭だけだと、パチモンのナイジェル・マンセルみたいだから、やっぱり、この方が良い。

 事前に確認しなかったけど、AJ・アルメンディンガーもスポット参戦しているようだ。2014年のワトキンスグレン、2021年のインディ/ロード、昨年のシャーロット/ローバルとロードコースでカップ戦3勝をしているマイスターだ。今シーズンはエクスフィニティ・シリーズをメインに走っているが、勝利はない。

 オッズは、+400のラーソンをトップに、+600のレディック、+700エリオット、+800ロガーノ、+900ウィリアム・バイロンとなっている。FOXは繰り返し、ソノマをワインカントリーと連呼(ワインカントリーとは、サンフランシスコベイエリア北部にあるカリフォルニア州の地域で、世界的に最高のワイン生産地と知られているのだとか)している。



 ロガーノとレディックのフロントローでグリーンフラッグ。ロガーノがリード、レディック、ブレイニー、エリオット、ラーソンが続く。3LAP、スタート/フィニッシュラインを通過したハムリンのマシンから白煙が。実況はシフトミスではないか、と言っているが、エンジンブローだったらしい。ハムリンのマシンはストップ。いきなり、初のコーション発生。

 ハムリンは、優勝回数でトップタイ、ポイントリーダー、プレーオフポイントでもトップだけにこれは痛い。落胆した様子で、レスキュー車に乗り込むハムリン。マシンはレッカー車で牽引されていく。7LAP、ロガーノとブレイニーのフロントローでリスタート。

 ロガーノがリード、レディック、ブレイニー、エリオット、ラーソンが追う。14LAPにコースアウトして、大きくポジションを落としたバイロンはピットイン。周回遅れにこそならないが、かなり厳しくなる。16LAP、右フロントから白煙を出したギブスが、ターン1でウォールにクラッシュ、2度目のコーションとなる。

 トップのロガーノがピットイン、4タイヤチェンジ。やや早い気はするが、ステージ2でもう1回入るつもりだろう。19LAP、レディックとブレイニーのフロントローでリスタート。ブリスコーのスピンをきっかけにリッキー・ステンハウス・ジュニアが巻き込まれ、コースアウト。ブリスコーはロガーノともヒットし、ロガーノはスピン、ブリスコーはリアを大破させ、ヘビーダメージ。

 3回目のコーションとなるが、周回数の少ないステージ1が荒れ過ぎだろう。ロガーノはマシンをリペアにピットイン、ブリスコーやステンハウスも当然入っているだろう。コーションラップ中にも、何台かピットイン。23LAP、レディックとブレイニーのフロントローでリスタート。

 レディックがそのままステージ1を制し、ブレイニー、ラーソン、エリオット、ボウマン、マイケル・マクダゥエル、ロス・チャステイン、ダニエル・スアレス、コリー・ラジョイ、トッド・ギリランドのトップ10。ラーソンのクルーの自己紹介があったが、ジョンソンとラーソンのクルーを務めたのは分かるが、4タイムカップシリーズチャンピオンとは誰のことを指しているのだろう?。



 ジョンソンは7回のチャンピオンだし、4回のチャンピオンと言えば、ゴードンだが、ゴードンは90年代に3回、2001年に4度目のチャンピオンを獲得している。2015年までフル参戦をしていたが、それ以降のチャンピオンはない。最後にチャンピオンを獲得したのは23年も前の話だ。それ以降のゴードンは、ヘンドリックのドライバー兼カーオーナーだ。よく分からない🤔。

 コーションラップ中に荘厳な音楽流れて、マリオ・アンドレッティのワードが出てきたから、もしや?(亡くなったのでは?)と思って検索したら、はカリフォルニア州ナパバレーにあるアンドレッティ・ワイナリーというワイナリーの創業者で副会長を務めている、と言う記述が出てきた。まぁ、カリフォルニアにゆかりのある著名人と言うことらしい。

 2012年以来、アンドレッティはサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)とアメリカGPの公式アンバサダーを務めているというから、F1との関係も深い。にしては、F1の商業権を握るリバティ・メディアと、こうまで仲が悪いというのは理解出来ない。カイルとトゥレックスがピットイン。トップグループはステイアウト。

 5(30)LAP、レディックとブレイニーのフロントローでリスタート。トップ14はピットに入っていない。7(32)LAP、ターン11で、ブラウンがスローダウン。5回目のコーション。マシンにダメージがあったようには見えず、ブラウンはすぐに走り出す。少し前にコースアウトした、オースティン・シンドリックの時にコーション出せば良かったんじゃないか。

 ブラウンはピットに向かう。コーション中に給油と4タイヤチェンジをするマクダゥエルの姿もある。ステイアウト勢は30周を超えている。度重なるコーションラップはあるにせよ、あと10周持つかどうか。10(35)LAP、レディックとブレイニーのフロントローでリスタート。

 ターン11で、エリック・ジョーンズをブロックしようとして、ジョシュ・ベリーがブレーキをロックさせて、トゥレックス、オースティン・ディロン、ブラッド・ケセロウスキー、バイロンらを巻き込むマルチクラッシュが発生。実に6度目のコーション。マイク・ジョイのコメントを拾っただけで、あの混乱ぶりを観れば、まだまだ<被害者>はいるだろう。



 このアクシデントに関係あるか分からないが、ブラウンはレッカー車に押されて、ピットに向かっている。他にベル、キャメロン・ウォーターズの計7台が巻き込まれている。これだけのクラッシュはロードコースでは珍しい。15(40)LAP、レディックとラーソンのフロントローでリスタート。

 3位のブレイニーをチャステインが追い回す。最近、トップ争いに関わってこなかったチャステインが珍しい。シンドリックとノア・グラグソンが絡み、後方にいたマクダゥエルもコースアウト。7回目のコーション。去年のワトキンスグレンや、インディ/ロードが無風だったのに比べ、低速ロードのソノマがなぜ、ここまでコーションまみれになるのか。驚きだ😲。

 27(52)LAP、3位のブレイニー、エリオット、スアレスがピットイン。翌周にラーソン、チャステイン、ボウマンらも入るが、レディックは次の周に入り、かなり上位陣の顔ぶれも変わっている。ピットストップでやや手間取ったか、レディックはラーソン、チャステインに先行を許す。

 ステージ2は、クリス・ブッシャーが制し、ライアン・プリース、トゥレックス、カイル、アルメンディンガー、ケセロウスキー、ジョーンズ、トッド・ギリランド、ロガーノ、ハリソン・バートンのトップ10。これでレースは、ハーフウェイ。ステージポイントは、ロードコースらしく分散していて、レディックとブッシャーのステージウィナーが10で並び、10位のマクダゥエルも5。

 ファイナルステージのポジションが、トータルの獲得ポイントに影響してきそうだ。ステージ2のポジション争いで、ラーソンとレディックはタイヤをコンタクトさせたが、ステイアウト。8度のコーションを経て、60LAP、ブッシャーとプリースのフロントローでリスタート。

 61LAP、3位につけていたプリースがスピン、大きくポジションを落とす。ブッシャーがリード、トゥレックス、アルメンディンガー、カイル、ジョーンズが続く。65LAP、ケセロウスキーがピットアウト。コーションなしだとしたら、フューエルウィンドウでは厳しい。



 69LAP、ブッシャー、トゥレックス、カイル、ロガーノ、マクダゥエルなどステージ間コーションのステイアウト組が続々ピットイン。トップになったアルメンディンガーは、ロードコースのカップ戦は、39レースで3勝だとか。勝率はかなり高い。アルメンディンガー、ジョーンズ、ギリランド、ステンハウス、ラーソンのトップ5。

 71LAP、アルメンディンガーがピットイン。10秒後方のラーソンがトップに立つ。燃料としてはカツカツだが、最後まで走り切るのは可能だ。ラーソンも、もう1ストップ必要。アルメンディンガーが10位で復帰。76LAP、ラーソンがリード、エリオット、バイロン、ラジョイ、ブレイニー、カズ・グラーラのトップ5。

 82LAP、ラーソンがピットイン。4タイヤと、給油をして、ピットアウト。エリオット、コリー・ラジョイ、ブレイニー、ブッシャー、トゥレックスのトップ5。84LAP、エリオットが入る。ステイアウト勢はいるが、優勝を争えるドライバーは全てピット済。このまま走り切り、トップチェッカーを受けたドライバーが優勝だ。

 88LAP、マクダゥエル、アルメンディンガー、ラーソンの3台が、4位争いと言う名の事実上のトップ争い。3ワイドでミドルにいたアルメンディンガーをマクダゥエルとラーソン。ラーソンがマクダゥエルをパス。ブッシャー、トゥレックス、カイルはピットを済ませているが、とてもラーソンを抑えられるとは思えない。

 94LAP、映像には映らなかったが、ラーソンがカイルを抜き、3位に浮上。2位のトゥレックスとは、約4秒離れているが、一気に差を詰めている。100LAP、ブッシャー、トゥレックス、ラーソンがほぼ1グループになる。マクダゥエルは、カイルを捉え、4位となっている。

 102LAP、トゥレックスがブッシャーを捉え、リードチェンジ。ただ、すぐ背後にラーソンがいることを考えれば、より有利にしたとしか思えない。そのラインについてラーソンもブッシャーをパスし、2位となる。ペースの差は明白で、ラーソンは、トゥレックスを抜いて、トップに立つ。



 ブッシャーの背後から、マクダゥエルがじわじわと差を詰めてくる。ショートオーバルならともかく、ロードコースでの8周なら、十分に射程圏内だ。5位に下がったカイルには、モーメンタムがない模様。ラーソンがすぐに引き離していくと思われたが、セーフティリードを築いてから、ペースをセーブしているのか、トゥレックスとの差は開かない。

 とは言え、トゥレックスに勝機があるようにも思えず、トップ4が接近したまま、周回を消化していく。107LAP、マクダゥエルがブッシャーを捉え、3位に浮上。ファイナルラップ、カイルと5位争いをしていたチャステインだったが、カイルがスピン、接触があったかどうかは分からなかったが、大きくポジションを落としている。6位のチャステインの方が速かったのは明らかだったが😢。

 ラーソンがそのまま逃げ切り、今シーズン3勝目、通算26勝目🏆。エリオットに代わって、今やロードコース最強のドライバーと言って良いだろう。フィニッシュ直前に、トゥレックスはガス欠でストップ。マクダゥエル、ブッシャー、エリオット、チャステイン、アルメンディンガー、ブレイニー、レディック、ベル、ギリランドのトップ10。

 12位カイル、13位ケセロウスキー、14位スアレス、15位ボウマン、18位プリース、21位ロガーノ、26位ノア・グラグソン、27位トゥレックス、30位バイロン、32位ベリー、34位チェイス・ブリスコー、36位ギブス、37位ハムリンと言うところ。

 レッカーがやってきたが、のろのろとトゥレックスがチェッカーを受ける。ラーソンのバーンアウトとほぼ同時だったが、これはトゥレックスに対しての大歓声と思いたい。終盤を観る限り、ラーソンの勝利は固いと思っていたけども、マクダゥエルの巻き返し、カイルのスピン、トゥレックスのガス欠と見どころはたくさんあった。次戦は、カップ戦初開催のアイオワになる。FOXの放送は終わり、後半戦は、NBCになる。その点も楽しみだ。