荒ぶるハムリン&カイル。優勝者が霞む結末(NASCAR第35戦:マーティンズビル) | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 Round Of 8最終戦は、ヴァージニア州のマーティンズビル・スピードウェイで行われる「Xfinity 500」。0.526マイル(847m)とNASCARのトラックでは最も小さく、1947年にオープンし、1950年から年間2レースカップ戦が行われている(初開催は1949年)NASCAR最古のトラック。

 0.526マイルを500周を3ステージ制(130+130+240周)で263マイル/423.5キロを走る。フェニックス行きを早々に決めたカイル・ラーソンが、2連勝し、ディフェンディングチャンピオンのチェイス・エリオットとデニー・ハムリンが30ポイント以上のリードをしていて有力ではあるものの、他にポイントで進出を決めたドライバーはいない。

 カットライン付近でカイル・ブッシュ、ライアン・ブレイニー、マーティン・トゥレックス・ジュニア、ブラッド・ケセロウスキーがしのぎを削り、ジョーイ・ロガーノは26ポイント差ではあるものの、ポイントでの進出を僅かながら残し、優勝すれば、文句なしにファイナルへ進む権利を持つ。

 PPはラーソン、2位はエリオット。この2台のフロントローでグリーンフラッグ。ラーソンがリード、トゥレックス、エリオット、ケセロウスキー、ロガーノが続く。13LAP、ラーソンを除き、エリオットが42ポイントリード、トゥレックス(+9)、カイル(+3)、ケセロウスキー(ー3)、ハムリン(ー4)、ブレイニー(ー10)、ロガーノ(ー29)。

 エリオットがトゥレックスを抜き返し、2位を奪還。56LAP、エリオットがラーソンをインからパスし、リードチェンジ。60LAP終了でコンペティションコーションが入る。ライアン・プリースがフリーパスを獲得。リードラップカーがピットイン。ラーソン(+1)、エリオット(ー1)、トゥレックス、ケセロウスキー、ロガーノ(ー1)のトップ5。

 BJ・マクラウドとカイルがハロウィンのペイントスキームとして紹介される。ハムリンがピットロードペナルティ。68LAP、ラーソンとエリオットのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、エリオット、トゥレックス、ケセロウスキー、ウィリアム・バイロンが追う展開。

 72LAP、マット・ディベネデットとライアン・ニューマンがコンタクト、ニューマンがスピンし、インサイドのウォールにクラッシュ!後方にいたマイケル・マクダゥエルを巻き込む。これが2回目のコーション。77LAP、ラーソンとエリオットのフロントローでリスタート。

 ラーソンがリード、エリオット、トゥレックス、バイロン、ケセロウスキーが続く。85LAP、再びエリオットがラーソンを捉え、トップとなる。ブレイニーは、オースティン・ディロンにリアを突かれ、フェンダーを捻じ曲げられてしまい、ポジションダウン、先ほどのバイロンにプッシュされたりと、コンテンダーなのに散々な目に。

 そのままエリオットが逃げ切り、ステージ1を制した。ラーソン、トゥレックス、バイロン、ケセロウスキー、カイル、ディロン、アレックス・ボウマン、ロガーノ、エリック・アルミローラのトップ10。リードラップカーが一斉にピットイン。ラーソン(+1)、エリオット(ー1)、トゥレックス、カイル(+2)、ケセロウスキーのトップ5。

 今度はラーソンがピットロードペナルティで後方に下がる。11(141)LAP、エリオットとトゥレックスのフロントローでリスタート。エリオットがリード、トゥレックス、カイル、バイロン、ベルが続く。カイルはバイロン、ボウマンのヘンドリック2台に抜かれて、5位にドロップ。

 65(195)LAP、ケセロウスキーがカイルをパスしてトップ5に。67(197)LAP、ディロンがウォールにクラッシュし、4回目のコーション。ステージ1でブレイニーとコンタクトして、右フロントをリペアしたところを再び潰してしまう。ステージも半分を過ぎたところで、リードラップカーが一斉にピットイン。

 トゥレックス(+1)、エリオット(ー1)、バイロン、ボウマン、カイル(+2)のトップ5。74(204)LAP、トゥレックスとエリオットのフロントローでリスタート。エリオットがリード、トゥレックス、バイロン、カイル、ボウマンが追う展開。ラーソンは9位まで戻している。

 88(218)LAP、バイロンがトゥレックスをパスして、2位に浮上。91(221)LAP、ロガーノはエリック・ジョーンズ、ブレイニーに捉えられ、18位に後退。ロス・チャステインも迫っていて、ポイントでのフェニックス行きはもう不可能。優勝でのchampionship4を狙わざるを得ない状況。それにしても覇気がない。

 ボウマンがトゥレックスを抜いて、ヘンドリックの1-2-3。その後ろはカイルをパスしたベルでノンコンテンダーが2位から4位までを占め、エリオットを追走。104(134)LAP、ハムリンがカイルを捉え、6位まで順位を戻す。117(247)LAP、エリオットがボウマンに1.227秒差をつけ、依然トップ、バイロンは2.090秒、トゥレックスが2.769秒、ベルは3.924秒差のトップ5。

 119(249)LAP、ハムリンは周回遅れのコリー・ラジョイとコンタクトし、バランスを崩したベルを抜いて、トップ5入り。一方、カイルはアルミローラ、ケセロウスキーにもパスされ、9位にドロップ。エリオットはステージ2も制し、ボウマン、バイロンとヘンドリックがトップ3を独占。

 トゥレックス、ハムリン、アルミローラ、ベル、ケセロウスキー、カイル、カート・ブッシュのトップ10。ラーソンに次いで、エリオットがポイントでのフェニックス行きを決め、安心してファイナルステージを戦える。この勢いで3ステージ全制覇をしたいところ。ラーソンはカートに阻まれ、トップ10入りを逃しているし。

 エリオット、ボウマン、ハムリン(+2)、アルミローラ(+2)、バイロン(ー2)のトップ5。トゥレックスも2ポジションダウンの6位。9位をキープしたカイルはナットが締まっておらず、再ピット。270LAP、エリオットとボウマンのフロントローでリスタート。エリオットがリード、ハムリン、ボウマン、バイロン、アルミローラが追う。

 274LAP、ジャスティン・ヘイリーが白煙を上げてピットに向かう。エンジンではなく、ウォールにクラッシュしたっぽい。レースに影響は出なかったので、コーションは出ず。282LAP、ボウマンがハムリンをパスして2位を奪還。286LAP、バイロンが続き、再びヘンドリックがトップ3独占。

 310LAP、マクダゥエルとのコンタクトで体勢を崩したラジョイに巻き込まれたジョシュ・ビリッキがウォールにクラッシュし、6回目のコーション。リードラップカーが一斉にピットイン。エリオット、ハムリン(+2)、ボウマン(ー1)、バイロン(ー1)、トゥレックスのトップ5。

 320LAP、エリオットとハムリンのフロントローでリスタート。エリオットがリード、ボウマン、ハムリン、トゥレックス、アルミローラが追う展開。それからすぐにビリッキがクイーン・ハフにヒットしてしまい、ハフがウォールにクラッシュ!7回目のコーションとなったが、コーションラップ中にハフが故意にビリッキにマシンをぶつけてスピンさせるおまけつき。



 ハフって、こんなに沸点低かったか?330LAP、エリオットとボウマンのフロントローでリスタート。エリオットがリード、ボウマン、ハムリン、トゥレックス、バイロンが続く。339LAP、チャステインが止まり切れずにライアン・ニューマンに突っ込み、ニューマンはスピン、クラッシュ。これが8回目のコーション。

 ニューマンの意趣返しか、チャステインにぶつけたっぽいけども、スピンさせなかったから、セーフ?リードラップカーがピットイン。エリオットにボウマンが続く。トップに立ったのは、ステイアウトしたロガーノ。ポイント上でのフェニックス行きはなくなったので、ここは何でも仕掛けるしかない。

 346LAP、ロガーノ、エリオットのフロントローでリスタート。まずはロガーノがリード、エリオット、ボウマン、ラーソン、トゥレックスが続く。349LAP、エリオットはあっさりロガーノを抜き、トップへ。ボウマン、ラーソンが続く。その後ろのトゥレックスは水蒸気を上げるオーバーヒート。大丈夫か?

 358LAP、コール・カスターが後ろから押されたのかスピン、9回目のコーション。ステージ2が比較的おとなしかったのに、一気に荒れ模様。363LAP、エリオットとボウマンのフロントローでリスタート。エリオットがリード、ボウマン、トゥレックス、ラーソン、バイロンが追う展開。

 378LAP、チェイス・ブリスコーのプッシュでダニエル・スアレスがスピン、10回目のコーション。リードラップカーがピットイン、エリオット、トゥレックス(+1)、ハムリン(+2)、バイロン、ロガーノ(+3)のトップ5。ディロン、タイラー・レディック、カスターがステイアウト。

 ラーソンはピットロードでハムリンを押しまくって、スピードオーバーのペナルティ。せっかく上位に戻ってきたのに勿体ない。385LAP、ディロンとレディックのフロントローでリスタート。トゥレックスがリード、ハムリン、ディロン、レディック、ロガーノのトップ5。

 388LAP、ハムリンがトゥレックスをパスして、リードチェンジ。434LAP、ディロンの右フロントタイヤがダウン、ウォールにクラッシュ!11回目のコーション。リードラップカーが一斉にピットイン。ハムリン、ボウマン、エリオット(+1)、トゥレックス(ー1)、ケセロウスキーのトップ5。

 442LAP、ハムリンとボウマンのフロントローでリスタート。ハムリンがリード、ボウマン、エリオット、トゥレックス、ケセロウスキーが追う。453LAP、トゥレックスを抜いたケセロウスキーがエリオットとコンタクト、エリオットをスピンさせてしまい、12回目のコーション。ちょっとケセロウスキーは強引じゃなかったんじゃないかな。

 459LAP、ハムリンとボウマンのフロントローでリスタート。ハムリンがリードするものの、すぐにリッキー・ステンハウス・ジュニアがスピン、13回目のコーション。バッバ・ウォレスもフロント部分がめくれ上がり、ラーソンもダメージを負いピットイン。

 465LAP、ハムリン、ボウマンのフロントローでリスタート。ハムリンがリード、ボウマン、ケセロウスキー、トゥレックス、バイロンが続く。467LAP、ケセロウスキーが2位に浮上。トゥレックスはボウマン、ケセロウスキーのインに飛び込み、3ワイドこのムチャがたたってポジションダウン。あちこちぶつけられてボコボコに。

 トゥレックスは、アルミローラに続いて、カートともヒットして、ウォールにぶつけ、その直後にプリースがクラッシュして14回目のコーション。カイルがカットライン上の+1、ケセロウスキー、トゥレックスがー1と大混戦に。476LAP、ハムリン、ケセロウスキーのフロントローでリスタート。

 ケセロウスキーが出遅れ、ボウマンが2位に。カイル、ケセロウスキー、バイロンが追う。ハムリンとボウマンのトップ争い、カイルとケセロウスキーの3位争い、カートとトゥレックスの8位争いに画面が分割。ハムリンはポイントに余裕があるので別にして、カイル、トゥレックス、ケセロウスキーはカットライン上と下、その差はわずか。

 492LAP、トゥレックスがカートを抜いて、カイルを逆転。その直後にボウマンがハムリンとわずかに接触し、ハムリンがスピンし、何と15回目のコーション。結構大きな歓声が飛ぶ。ハムリン、そんなに嫌われてたっけ?マーティンズビルで。優勝の目が無くなったハムリンはピットに入り、4タイヤチェンジと給油。ダメージはさほどないけども軽くチェック。

 NASCARオーバータイム。ボウマンとカイルがフロントロー、2列目にケセロウスキーとトゥレックス。わずかなポイント差でファイナル行きを争う3人が密集。リスタート!ボウマンがリード、カイル、ケセロウスキー、トゥレックス、バイロンが続く。勝つしかないカイルとケセロウスキー。

 ボウマンに対し、ファイナルラップでカイルが体勢を崩し、勝負あった。ボウマンが逃げ切り、カイル、ケセロウスキー、トゥレックス、バイロン、アルミローラ、カート、エリック・ジョーンズ、クリス・ブッシャー、ロガーノのトップ10。フィニッシュ時にケセロウスキーかカイルを軽くコンタクト、チェッカー後にケセロウスキーの進路を塞ぎ、ぶつかってスピン!

 一方、ドーナツターンを決めようとしたボウマンにハムリンが立ちはだかって妨害。それを2度繰り返し、クルーチーフの警告で引き上げる。こんなの初めて観た。カイルの行為は大人げなかったし、ハムリンのボウマンに対する<報復>もいただけない。ボウマンの行為は故意ではないし。

 まして、championship4へは生き残れたんだし。やるべき行為じゃない。ハムリンのインタヴューには大ブーイング。エリオットをここマーティンズビルで弾き飛ばした<前科>があるから、何を言っても説得力がない。フェニックスでは、ハムリンを応援したいと思ってたんだけど、その気持ちが萎えたかな。後味が悪い。

 ボウマンは通算6勝目。今シーズン4勝目でトゥレックスと並ぶ2位タイ。コンテンダーから脱落して以降、精彩を欠いていたが、思いがけないところで調子を取り戻すのが、ボウマン。力はあるんだから、コンスタントにプレーオフを戦って欲しい。来シーズンに期待しよう。

 11位ブレイニー、12位ケビン・ハーヴィック、14位ラーソン、16位エリオット、17位ベル、18位レディック、23位カスター、24位ハムリン・・・と言ったところ。Roundごとに戦う今のプレーオフがどれだけドライバーに負荷を与えているか思い知らされた気はする。カイル、ハムリンの行為は擁護出来ないにしても。

 これで、ラーソン、エリオットのヘンドリック2名と、ハムリン、トゥレックスのジョー・ギブス2名の対決となり、ペンスキーの3人は脱落。チャンピオン経験者2人と未経験者2人、20代2人と40代2人という、いろんな面からも注目のフェニックスとなりそう。長い長いカップシリーズの最終戦:気持ちの良い結末になって欲しいと思う。