ラーソン6勝目も、ハーヴィック、エリオットの因縁発生!(NASCAR第29戦:ブリストル) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 NASCAR第29戦:ブリストル「Bass Pro Shops NRA Night Race」は、第7戦がダートレースを初開催し、250LAPという通常の半分の距離を走るレースを行った。今回はフルバージョンで初のブリストル。ダートレースの開催は来年も決まっているので、年1回の通常レースの開催となる。

 テネシー州ブリストルのブリストル・モータースピードウェイでの開催。0.833マイル(858m)を500周(266.5マイル/429キロ)を3ステージ制(125+125+250LAP)で行われる。過去の最多勝はダレル・ウォルトリップの12勝。現役ではカイル・ブッシュが9勝で過去最多勝に迫っている。

 PPは、リッチモンドのウィナー、マーティン・トゥレックス・ジュニアで2位はサザン500のウィナー、デニー・ハムリンのJGR勢2台。この2人のフロントローでグリーンフラッグ。トゥレックスがリード。チェイス・エリオット、ハムリン、ジョーイ・ロガーノ、クリストファー・ベルが続く。

 7LAP、エリオットがトゥレックスを抜いてリードチェンジ。20LAPには、トゥレックスはハムリン、ロガーノを始め、次々にパスされ、7位にまでポジションを落としている。40LAP終了、トップのエリオットがハムリンとカイル・ラーソンに迫られたところで、コンペティションコーション。

 リードラップカーが一斉にピットイン。エリオット、ハムリン、ラーソン、ブラッド・ケセロウスキー、ケビン・ハーヴィックとトップ5の順位は変わらず。トゥレックスが4ポジション上げて6位となったのが目を引く。いずれも4タイヤチェンジ。49LAP、エリオットとラーソンのフロントローでリスタート。

 エリオットがリード。ラーソン、ハムリン、ケセロウスキー、ハーヴィックが追う展開。84LAP、ラーソンがエリオットを捉え、リードチェンジ、ハムリンも続く。91LAP、ハムリンがラーソンを抜き、トップに立つ。122LAP、一度はラーソンにパスされたハムリンだったが、周回遅れ目前のバッバ・ウォレスに引っかかったラーソンをハムリンが捉え、ポジションを戻す。

 そのままハムリンがステージ1を制し、ラーソン、エリオット、ケセロウスキー、ライアン・ブレイニー、ハーヴィック、カイル・ブッシュ、トゥレックス、ベル、ウィリアム・バイロンのトップ10。コンペティションコーション以外はアクシデントもなく、淡々としたステージだった。

 プレーオフスタンディングは、9位ベル(+33)、10位カイル(+27)、11位エリック・アルミローラ(+9)、12位アレックス・ボウマン(+4)、13位タイラー・レディック(ー4)、14位カート・ブッシュ(ー7)、15位バイロン(ー12)、16位マイケル・マクダゥエル(ー42)。

 もう、可能性がゼロと言って良いマクダゥエルは別にして、他のコンテンダーにはまだまだ可能性はある。リードラップカーが一斉にピットイン。ラーソン(+1)、エリオット(+1)、ケセロウスキー(+1)、ハムリン(-3)、ハーヴィック(+1)のトップ5。

 11(136)LAP、ラーソンとハムリンのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、ケセロウスキー、ハムリン、ハーヴィック、ブレイニーが続く。14(139)LAP、ケセロウスキー、ハムリンがラーソンを抜いて1-2。20(145)LAP、ハムリンがケセロウスキーをパスし、ラーソンが続く。

 43(168)LAP、ダニエル・スアレスとライアン・ニューマンがクラッシュし、2台ともヘビーダメージ。それを避けようとアルミローラがハードブレーキを踏んでタイヤにダメージ。これが3回目のコーション。ウォレスは避けきれずにスアレスに突っ込み、右フロントにダメージを負ったらしい。

 リードラップカーが一斉にピットイン。ラーソン(+1)、ハムリン(ー1)、ケセロウスキー(+1)、ハーヴィック(+1)、ブレイニー(ー2)のトップ5。アルミローラが再ピット。スモークを上げていたし、ボンネットを開けていたから深刻なエンジン系のトラブルかと思われたが、意外と早くトラックに復帰。事なきを得た、かな?

 47(172)LAP、ラーソンとケセロウスキーのフロントローでリスタート。ラーソンがリード。ハムリン、ハーヴィック、ケセロウスキー、ブレイニーが続く。93(218)LAP、アンソニー・アルフレドがクラッシュし、BJ・マクラウドを巻き込み、ジャスティン・ヘイリーにヒット!

 マクラウドとヘイリーは、リタイアし、37位と36位に終わる。アルフレドはピットに。4回目のコーションとなる。コーションラップから、レースはレッド・フラッグに。17分53秒のレッドフラッグから、コーションラップに。ハーヴィック、ブレイニー、レディック、ベル、ロガーノ、ボウマン、カートらがピットイン。

 106(231)LAP、ラーソン、ケセロウスキーのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、ハムリン、ケセロウスキー、エリオット、カイルが追う。そのまま何事も起こらず、ラーソンがステージ2を制した。ハムリン、ケセロウスキー、バイロン、エリオット、ハーヴィック、ブレイニー、ベル、レディック、カイルのトップ10。

 リードラップカーが一斉にピットイン。レディックはコーションラップ中にもう一度ピットイン、フューエルオンリー。260LAP、ハーヴィックとベルのフロントローでリスタート。ラーソンが8位に下がっていることから、それ以上はステイアウトの可能性が高い。レッドフラッグ時のピット勢が結構いる。

 ハーヴィックがリード、ラーソン、トゥレックス、ベル、アルミローラが追う。265LAP、ブレイニーがハーヴィックを捉え、リードチェンジ。プレーオフスタンディングは8位ベル(+41)、9位ケセロウスキー(+35)、10位カイル(+19)、11位アルミローラ(+18)、12位ボウマン(+12)、13位バイロン(ー12)、14位カート(ー13)、15位レディック(ー21)、16位マクダゥエル(ー53)。



 ブリストルは荒れるレーストラックだが、デイトナ、タラデガのように上位がごっそりいなくなるようなビッグワンはまず起きない。10位のカイルから14位のカートまでの中で、カットラインの境界線上の戦いになりそうだ。306LAP、ハーヴィックがブレイニーを抜き返し、トップを奪還。

 既にラーソンがピット組トップのハムリンをパス、4位となり、猛追。335LAP、ラーソンがハーヴィックを捉え、名実ともにトップとなる。361LAP、クイーン・ハフがスピン、さらにリッキー・ステンハウス・ジュニアとコンタクトし、左リアを大破。インナータイヤまで外れるクラッシュ。これが6回目のコーション。

 ステイアウト勢にとっても待望のコーション。リードラップカーが一斉にピットイン。ラーソン、ハムリン(+1)、ハーヴィック(ー1)、カイル(+5)、ブレイニー(ー1)のトップ5。ベルがピットボックスをオーバーラン、大幅にタイムロス。369LAP、ラーソンとハーヴィックのフロントローでリスタート。

 ラーソンがリード。ハムリン、ハーヴィック、カイル、ブレイニーが続く。386LAP、またもハフがウォールにクラッシュ。左フロントタイヤから火花が出て、右フロントタイヤが完全に壊れている。さすがにもう走れず、ハフのレースは終わった。34位となり、7回目のコーション。

 カイル、ロガーノ、ブレイニーらがピットイン。395LAP、ラーソンとハーヴィックのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、ハムリン、ハーヴィック、ボウマン、エリオットが追う。398LAP、激しくトップを争っていたラーソンとハムリンがコンタクト。ハムリンがウォールにヒットし、8回目のコーションとなる。

 ハムリンは、4タイヤチェンジとマシンのリペア。408LAP、ラーソンとエリオットのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、エリオット、ハーヴィック、ボウマン、バイロンが続く。413LAP、エリオットがラーソンを捉え、リードチェンジ。と思ったら、5位のバイロンと手負いで17位のアルミローラが1ポイント差。

 ポイントではアルミローラが上なものの、崖っぷち。いつの間にか、ハーヴィックがラーソンを抜き、2位へ。340LAP前後から、エリオットに迫る。タイヤのコンディションは同じだから、ピットサイクルが違っていたさっきとは状況が違う。正真正銘のトップ争い。

 444LAP、何と右フロントタイヤのトラブルで緊急ピットイン。多少余裕があったポイントを一気に失い、2周遅れに。これで一気に当落線上の大ピンチ。わずか2ポイントしかリードがなく、1周遅れに戻そうとまずは、ラーソンを標的に。その前では、エリオットとハーヴィックがトップ争い。これは大変なことに。

 トップ2台と2周遅れの三つ巴の争いと言う、とんでもない展開。カイルは2台をパスし、1周遅れになることに成功。カイルに攪乱され、周回遅れの処理に忙殺されたエリオットは、ハーヴィックにパスされ、リードチェンジ。ただ、そこでハーヴィックがアウトに膨らみ、コンタクト。エリオットは左フロントタイヤをカットし、ピットイン。

 374LAP、今度はベルがピットイン。ジョシュ・ビリッキとのコンタクトの模様。右側にハードダメージを負い、マシンをリペアしてトラックに復帰。トラブル続出でもコーションは出ず。一方、バイロンとアルミローラは相変らず1ポイント差。カイルは同じ1周遅れのマシンを捉えつつ、安全圏に近づいてゆく。

 怒ったエリオットは、ハーヴィック、ラーソンを抜きつつ、差を開くことなく、幅寄せ、ブロックとハーヴィックの進路を妨害。エリオットは、カイルと違い、20ポイント以上もカットラインと開きがあり、Round突破は確実。それでもハーヴィックのすぐ前にいるのは、完全な嫌がらせ。

 2位のラーソンが迫り、ハーヴィックに仕掛ける。397LAP、ラーソンがハーヴィックを捉え、トップに復帰。そのままラーソンがレースを制し、今シーズン6勝目。通算12勝目を挙げた。ハーヴィック、バイロン、ブレイニー、ボウマン、ケセロウスキー、トゥレックス、エリック・ジョーンズ、ハムリン、マット・ディベネデットのトップ10。

 11位ロガーノ、12位レディック、13位チェイス・ブリスコー、18位アルミローラ、19位カート、21位カイル、24位マクダゥエル、25位エリオット、28位コール・カスター、29位ベル・・・といったところ。アルミローラ、レディック、カート、マクダゥエルは、ここでRound Of 16で姿を消した。

 バーンアウトを決めるラーソンなのか、2台をピタリとつけ、マシンを降りて口論を始めたハーヴィックとエリオットに対する歓声なのか、NASCARなら、後者だろうなぁ、多分。エリオットがハーヴィックのヘルメットに手を掛け、不穏な雰囲気になってきたので、2人は分けられ、エリオットは去り、ハーヴィックはグローブを投げつけた。

 まぁ、おとなしいハムリンならともかく、<NASCAR最恐の45歳>に喧嘩を売るあたり、エリオットも優等生っぽさが無くなってきたか。かつてG+中継で桃田さんが「物足りない」って言ってたけど、それを払拭するムーブ。かつてカイルがロガーノ陣営に殴り込んで行って、返り討ちに遭う・・・あそこまでやるとドン引きなんだけど、ね。

 プレーオフポイントを6加算して59としたラーソンは2人の争いを尻目にチャンピオンへの道筋を着々とつけつつある。「素晴らしいレースだった」と。ハーヴィックは、「ただのチキンだ」、エリオットも「それは彼がいつもやっていることだ」と引く様子はない。

 それぞれに優勝のチャンスがあっただけに、優勝してプレーオフポイントは誰もが喉から手が出るほど欲しかったのは当然だ。確実にフェニックスに行ける保証が欲しいラーソン、21ポイントあっても、さらに欲しいエリオット、僅か2ポイントで、12人の中で最下位のハーヴィックは、なおさら。

 Round Of 12には、ヘンドリック、ジョーギブスの4人、ペンスキーの3人全員とスチュワート・ハースのハーヴィックが進出する。本当の戦いはここからになる。名門チームでも容赦なくノックアウト。<負け犬>は誰もいない。次の戦いは、ラスベガス・モータースピードウェイの「South Point 400」。容赦のないレースが待っている。