コンテンダーの墓場となったレースをハムリンが制す(NASCAR第27戦:サザン500) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 NASCARは、レギュラーシーズンを終え、プレーオフに入る。初戦は、サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイで行われる1950年から続く伝統レースサザン500「Cook Out Southern 500」。現役ドライバーでは、デニー・ハムリン(2010、17年)、ケビン・ハーヴィック(2014、20年)の今シーズン勝利のない2人の2勝。

 1.366マイル(2.198キロ)を367周(501.322マイル/806.666キロ)を3ステージ制(115+115+137LAP)で争う。PPは、前戦:デイトナの勝者、ライアン・ブレイニー、2位にはハムリンが続く。ブレイニー、ハムリンのフロントローでグリーンフラッグ。

 ブレイニーがリードし、カート・ブッシュ、ハムリン、アレックス・ボウマン、チェイス・エリオットが続く。15LAP、8位までポジションを落としていたボウマンがウォールにヒットし、初のコーション。ただ、ダメージからするとクラッシュに近い。マシンのリペアと右2本を交換してピットアウト。

 ボウマンは再ピットし、リペア、右2本交換。ウィリアム・バイロンもヒットしたようで、ピットイン。また、コーション前にカートがブレイニーを抜いていて、リードチェンジ。20LAP、カートとエリオットのフロントローでリスタート。カートがリード、ブレイニー、タイラー・レディック、ハーヴィック、エリオットが続く。

 24LAP、ハーヴィックがレディックをパスし、3位に浮上。続いてブレイニーを捉えた直後、25LAP終了でコンペティションコーションが入る。リードラップカーが一斉にピットイン。ジョシュ・ビリッキ、ジョーイ・ゲース、エリック・ジョーンズの3台がステイアウト。ハーヴィック、カートのトップ5。エリオットはジェームス・デイビソンのタイヤキャリーとピットアウト時に接触。タイヤとぶつかってダメージを受けるという不用意なことをしでかしてしまい、再ピット、マシンをリペア。

 30LAPにリスタート。ジョーンズをハーヴィックとカートが一瞬でパスして、1-2。ハムリン、ブレイニー、マーティン・トゥレックス・ジュニアが続いたが、31LAP、コンテンダーの1人であるマイケル・マクダゥエルのマシンがルースになり、ウォールのクラッシュ!トラックを横断して、インサイドウォールに正面から突っ込み、ヘビーダメージ。

 これが3回目のコーション。目の前にいたジョーイ・ロガーノは辛うじて事なきを得る。さすがにインサイドウォールへのダメージは大きく、ここでリタイア。37位の最下位に終わる。ボウマンとバイロンは時間を掛けてマシンをリペア、ボウマンは左側の作業をしており、かなり深刻なようだ。

 ハーヴィック、ハムリン、カート、ブレイニー、トゥレックスのトップ5。36LAP、ハーヴィック、ハムリンのフロントローでリスタート。ハーヴィックがグレートスタート!カート、ハムリン、ブレイニー、トゥレックスが追う。45LAP、デイビソンのクラッシュにコディ・ウェアが巻き込まれ、ウェアのパーツがトラックにばら撒かれる。

 リックウェア・レーシングのチームメイト同士のアクシデントだが、デイビソンはリペアをして、トラックに復帰。これが4回目のコーション。再びリードラップカーが一斉にピットイン。ハムリン、ハーヴィック、ブレイニー、カート、レディックのトップ5。52LAP、ハムリンとブレイニーのフロントローでリスタート。

 ハムリンがリード、ブレイニー、カート、ラーソン、ハーヴィックが続く。69LAP、ハムリンがブレイニーに0.955秒差をつけ、トップをキープ。カートは1.163秒、ラーソンが2.058秒、ハーヴィックは2.933秒差のトップ5。ポジションは変わらないが、ハムリンの安定感が群を抜く。

 79LAP、リッキー・ステンハウス・ジュニアガピットイン。この先コーションが出なければ、ラストピットになる。追随するドライバーも出るだろう。と思ったら、トップのハムリン、手負いのバイロンが入ってきた。カート、ハーヴィック、そしてブレイニーも続く。いずれもコンサバに4タイヤチェンジだ。

 96LAP、ハムリンはラーソンに4.854秒差をつけ、トップを快走。そのままハムリンがラーソンとの差をコントロールして、ステージ1を制した。カート、ブレイニー、ハーヴィック、トゥレックス、レディック、アルミローラ、ロス・チャステイン、ロガーノのトップ10。振り向けばチャステイン、15位以下を淡々と走り、最後はしっかりステージポイントをゲット!

 リードラップカーが一斉にピットイン。ハムリン、ラーソン、カート、ブレイニー、ハーヴィック。7位まではポジション通りで変化なし。いずれも4タイヤチェンジ。8(123)LAP、ハムリン、ラーソンのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、ハムリン、ブレイニー、カート、トゥレックスが追う展開。

 10(125)LAP、ターン2でオースティン・ディロンとコンタクト、リアとフロントをクラッシュし、そのままガレージへ。コンテンダーがまた一人姿を消す。これが6回目のコーション。ラーソン、ハムリン、カート、ブレイニー、トゥレックスのトップ5。

 15(130)LAP、ラーソンとカートのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、カート、ハムリン、ブレイニー、トゥレックスが続く。一時、4位争いで3ワイドになり、レディックが後退。33(148)LAP、チャステインがブレイニーをパスして4位に浮上。この勢いだとチームメイトのカートも食いかねない。

 42(157)LAP、ラーソンがカートに5.250秒差をつけ、依然トップ。ハムリンは7.065秒、チャステインが7.572秒、トゥレックスは8.898秒差のトップ5。ハムリンにチャステインが仕掛けていて、捉えるのは時間の問題に見えるモーメンタム。

 44(159)LAP、ハーヴィックがピットイン、トゥレックス、ロガーノ、エリオット、ハムリン、ラーソン、ブレイニー、カートと続々ピットに入るのが見える。46(161)LAP、デブリで7回目のコーション。これで救われたのはステイアウトでトップを走っていたクリストファー・ベルだ。

 さっそくピットイン。ただ、デブリを踏んでしまい、右フロント部分のリペアに時間を割く。運が良いとも悪いとも言えない微妙なところだ。ハムリン、トゥレックスも入り、4タイヤチェンジ。52(167)LAP、ラーソンとカイルのフロントローでリスタート。

 ラーソンがリード。カート、ハムリン、ベル、チャステインが追う。65(180)LAP、ハムリンがカートを捉え、2位となる。80(195)LAP、エリオットがピットへ。これがラストピットになるだろうから、上位陣は一斉に入ってくるだろう。バイロン、ロガーノ、ハムリン、ラーソンが続く。



 68(183)LAP、7位を走行していたバイロンがウォールにクラッシュ!リプレイを観るとタイヤから火花を出して、セーファーバリアにまっすぐ突っ込んでいるから、タイヤトラブルなのは間違いない。タイヤ交換直後なのに・・・。これが8回目のコーション。

 足回りは完全に壊れているハードクラッシュ!成す術もなく、リタイアとなる。89(204)LAP、ラーソンとチャステインのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、ハムリン、ベル、ハーヴィック、チャステインが続く。111(216)LAP、ベルが遂にインからハムリンを抜いて2位に浮上。

 ラーソンは悠々とステージ2を制し、ベル、チャステイン、ハムリン、ハーヴィック、カート、ロガーノ、エリオット、ブレイニー、コリー・ラジョイのトップ10。レディックはラジョイの前にいたから、1点とは言え、痛いステージポイントの喪失になる。リードラップカーが一斉にピットイン。

 ラーソン、ベル、ハムリン(+1)、ハーヴィック(+1)、チャステイン(+2)のトップ5。ブレイニーはピットでのタイヤアンコントロールでペナルティを受け、リードラップ最後尾に下げられてしまう。236LAP、ラーソンとベルのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、ハムリン、ベル、ロガーノ、チャステインが続く。

 251LAP、ラーソンがハムリンに2.209秒差で依然トップ、ロガーノは3.165秒、チャステインが3.795秒、エリオットは7.171秒差のトップ5。ルースホイールで順位を下げていたベルはピットイン、4タイヤチェンジ。265LAP、ラジョイが名だたるコンテンダーの中で8位を走っている。最後までキープするのは無理だろうが、これは快挙だ。

 268LAP、5位を争っていたエリオットとハーヴィック。遂にハーヴィックが大外からエリオットを仕留め戦いに終止符。カート、ラーソンがピットイン。続々と他車も追随し、アンダーグリーンのピットサイクルに。278LAP、ステイアウトしていたトップのハムリンがピットイン。

 ハムリンは戻ってみれば、エリオットの後ろの6位。オーバーカットは失敗。ラーソンに290LAP中148LAPをリードって出る。ラーソンは勝利数や、プレーオフポイントだけじゃなく、内容的にも圧倒的。その点じゃ、去年のハーヴィックもそうだったんだけども。付け入る隙が見当たらない。

 297LAP、ラーソンがハムリンに6.615秒差をつけ、トップをキープ。ロガーノは7.603秒、カートが8.328秒、エリオットは12.637秒差のトップ5。その直後、ラーソン、ロガーノ、チャステイン、カートらが続々ピットイン。ハムリンがトップに戻る。

 ピットでチャステインが2秒速く、ラーソンを逆転、ハムリン、トゥレックス、クリス・ブッシャーの3台のステイアウト組に次ぐ4位につけ、ラーソンと共に、自力でラップバック。316LAP、ブレイニーが右フロントタイヤのトラブルで単独スピンし、10回目のコーション。

 ハムリン、トゥレックスは勿論、ラーソンやチャステインもピットイン。これでズレていたピットサイクルがリセットされる。324LAP、ハムリンとラーソンのフロントローでリスタート。ハムリンがリード、ラーソン、チャステイン、カート、ロガーノが追う展開。

 325LAP、バッバ・ウォレス、ベルとの3ワイドで一番イン側にいたエリオットが、ウォールにクラッシュ!足回りが完全に壊れているハードダメージ。リペアこそしたものの、どうにもならずリタイアとなる。マクダゥエル、カイル、バイロンに次ぎエリオットまで。ボウマンは序盤でダメージを負ってしまい、トラック上に残ってはいるものの、勝負ができる状況じゃない。

 ベルもリペア。スピンしたブレイニーは除くとしても、<コンテンダークラッシュ祭り>。ブラッド・ケセロウスキー、トゥレックス、カートがこの11回目のコーションでピットイン。330LAP、ハムリンとラーソンのフロントローでリスタート。ハムリンがリード、ラーソン、チャステイン、ロガーノ、ハーヴィックが続く。

 4位争いをしていたロガーノとハーヴィックの間にトゥレックスが割り込み、ハーヴィックをパスして、ロガーノに迫る。クリーンエアーでトップを快走するハムリン。が、ラーソンも仕掛けるに至らないものの、差は開かない。そのハムリンを助けたのが、ラーソンを何度も抜きにかかったチャステイン。

 ラーソンが挙動を乱す場面もあり、ひょっとしたら?とも思わせたものの、頑張り過ぎたせいか、チャステインは後退。ハムリンはトップを着実にキープしながら、ファイナルラップに。ラーソンがすぐ背後につき、ウォールにブラッシュしながら、スモークを上げるシーンもあったものの、そのままハムリンが逃げ切った。

 今シーズン初勝利。レースで最多の57ポイントを上げ、文句なしでRound Of 16を初戦で突破した。通算45勝は歴代単独18位。それ以上の顔ぶれを見ると、50勝のジュニア・ジョンソン以外は、全てチャンピオン経験者。積み上げた記録は大したものだが、不名誉でもある。今年こそは・・・。

 ラーソン、チャステイン、トゥレックス、ハーヴィック、カート、ケセロウスキー、ロガーノ、クリス・ブッシャー、ディロンのトップ10。11位コール・カスター、16位エリック・アルミローラ、18位レディック、19位チェイス・ブリスコー、20位ベル、22位ブレイニー、26位ボウマン、31位エリオット、34位バイロン、35位カイルと言ったところ。

 優勝は出来なかったものの、ハムリンに次ぐ54ポイントを加算して、優勝がなくても、ポイントでのRound Of 12進出は確定的なラーソン(2106)。トゥレックス(2062)、カート(2052)、ブレイニー(2048)、ロガーノ(2047)、ハーヴィック(2046)、ケセロウスキー(2038)・・・。

 ベル(2031)、エリオット(2030)、アルミローラ(2029)、レディック、ボウマン(2026)、カイル(2024)、バイロン(2017)、マクダゥエル(2006)。ボウマン以下はカットライン下になるとは言え(レディックと同ポイント)、正直、トゥレックスくらいのアドバンテージがないと安心とは言えない。

 マクダゥエルは優勝しなければ、次ラウンドへの進出はまず不可能だろう。次戦はリッチモンド、次がブリストルとショートオーバルが続く。コンテンダーとして比較的<弱い>者が落とされるRound Of 16。赤信号のマクダゥエル、黄信号のレディック、ボウマン、バイロン。メンツにかけて負けられないカイル。明日なき戦いはまだまだ続く。