オーバータイムの末の大波乱。アルメンディンガーに栄冠が…NASCAR第24戦:インディ/ロード) | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 NASCAR第24戦:インディアナポリス/ロード、「Verizon 200 at the Brickyard」は、インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリスモータースピードウェイのロードコースで開催される。去年まで開催されていたオーバルトラックでのブリックヤード400に代わり、ロードレースに。

 インディアナポリスでのロードレースは、過去F1アメリカGPが、2000年~2007年まで開催され、インディカーでは、2014年~現在までインディGPとして開催中。例年は、インディ500の前哨戦として開催されていたが、今年はそれに加えて、前日に2レース目の「Big Machine Spiked Coolers Grand Prix」が行われている。

 インディでは、ウィル・パワーがインディGP5勝目を挙げている。F1では73周、先のインディは85周、NASCARは2.439マイル(3.925キロ)を82LAP(199.998マイル/321.85キロ)を3ステージ制(15+20+47LAP)。

 初開催なので予選が行われ、ウィリアム・バイロンがPP。チェイス・ブリスコー、チェイス・エリオット、カイル・ラーソン、ダニエル・スアレスが続く。エクスフィニティ・シリーズでチャンピオンを争うAJ・アルメンディンガーが8位、オースティン・シンドリックが13位につけている。

 前日のエクスフィニティでは、シンドリックが優勝、アルメンディンガーが2位に入っており、3位のジャスティン・ヘイリーも、このカップ戦に参戦。エクスフィニティでは、ケビン・ハーヴィック(33位)、エリオット(4位)、オースティン・ディロン(6位)の結果を残している。

 バイロン、ブリスコーのフロントローでグリーンフラッグ。バイロンがリード、ブリスコー、エリオット、ラーソン、スアレスが続く。スタートはトップ5の変動はない。2LAP、ブリスコーがバイロンを抜き、リードチェンジ。7LAP、シンドリックがスピンするも、ノーコーション。

 8LAP、ブリスコーがバイロンに0.582秒差をつけ、依然トップ。エリオットは1.546秒、ラーソンが2.961秒、スアレスは7.151秒差のトップ5。やや離れているとは言え、トップ4が1つの集団で、スアレス以下が大きく離れている。5位にいたマーティン・トゥレックス・ジュニアは5LAPにピットイン。最後尾近くに下がっている。

 9LAP、エリック・アルミローラが、コリー・ラジョイとコンタクト。右フロントにダメージを負ってピットイン。13LAP、リードラップカーの一部がピットイン。ジョーイ・ロガーノ、ロス・チャステイン、カイル・ブッシュ、デニー・ハムリンの姿が映る。

 14LAP、ブリスコーからラーソンまでのトップ4を始め、リードラップカーの多くがピットイン。走り続けてトップ争いをしているのは、マイケル・マクダゥエルとタイラー・レディックの2台。プレーオフ入りを決めているのは、優勝した13人。ハムリンはポイント枠での進出は確実なので、あとはケビン・ハーヴィック、レディック、オースティン・ディロン、クリス・ブッシャーの争い(ブッシャーはかなり苦しいが)。

 インディアナポリスを除く2戦(ブルックリン/ミシガンとデイトナ)で新規の優勝者が出れば、残りの枠はさらに少なくなるが、レディックとしては、プレーオフポイントを1つでも積み重ねておきたい。それはデイトナ500で優勝したマクダゥエルも同じで、ステージポイントが必須なのは変わりない。

 粘るマクダゥエルをレディックがパスし、リードチェンジ。そのままレディックがステージ1を制し、マクダゥエル、ディロン、エリック・ジョーンズ、ライアン・プリース、ブラッド・ケセロウスキー、リッキー・ステンハウス・ジュニア、ジャスティン・ヘイリー、ブリスコー、エリオットのトップ10。

 レディックを先頭にリードラップカーがピットイン。ケセロウスキーがステイアウトし、エリオット、バイロン、ラーソン、ブリスコーが続く。5(20)LAP、ケセロウスキーとエリオットのフロントローでリスタート。ケセロウスキーがリードし、バイロン、エリオット、ロガーノ、ラーソンが追う。

 21LAP、バイロンを抜き返したエリオットがケセロウスキーを捉え、リードチェンジ。7(22)LAP、ケセロウスキーはロガーノ、ラーソン、カイルに抜かれ、一気にポジションを落とす。8(23)LAP、追い上げてきたクリストファー・ベルがマット・ディベネデットとコンタクト。2台ともコースアウトするも、すぐのトラックに戻る。

 9(24)LAP、ハムリンに仕掛けたロス・チャステインが360度スピン!あちこちで小競り合いが続く。ラーソンがロガーノをパスし、ヘンドリックの1-2。ケセロウスキーがスピンし、リアからウォールにクラッシュ!ヘビーダメージ。ここでマシンのリペア込みでピットイン。

 11(26)LAP、3位のロガーノがカイルにプッシュされたかスピン。13(38)LAP、エリオットがラーソンに2.264秒差をつけてトップをキープ。カイルは3.027秒、コール・カスターが4.140秒、バイロンは5.710秒差のトップ5。グレン同様、ラーソンとエリオットの争いに見えてきた感じがするが(まだ、早いか)。

 16(31)LAP、レディックがラーソンを抜き、トップ10に浮上。カスターはカイルを追い回し、ブリスコーもスタートから一貫して速い。ハーヴィックはトップ10圏外だが、SHRの<若手>が、インディアナポリスでは良い走りを見せている。19(34)LAP、エリオットを先頭にリードラップカーがピットイン。ステージ1と同じ構図だ。

 バイロン、ブレイニー、ベルらは彼らに先行して4タイヤチェンジを行っている。これで繰り上がったのが、レディック、ディロンのリチャード・チルドレス2台。そのままレディックがステージ2も制し、ディロン、プリース、ステンハウス、マット・ディベネデット、ヘイリー、ラジョイ、アンディ・ラリー、ラーソン、エリオットのトップ10。

 ファイナルラップのエリオットとラーソンのサイドバイサイドのバトルは見応えがあった。レディックのチェッカーをスルーしてしまうほどにw。82周中、35周が終わり、YouTube動画は1時間ちょい。レース全体で4時間10分4秒。ステージ1、2ともに小競り合いはあったものの、ノーコーション。残り47周で何が起きるんだ?

 レディックを先頭にリードラップカーがピットイン。40LAP、ラーソン、エリオットのフロントローでリスタート。カイル、バイロン、カスターが続く。ラーソンがリード、エリオット、バイロン、ブリスコー、カイルが続く。42LAP、ステンハウスとアルミローラのコンタクトでトラックの縁石にデブリが刺さって。3回目のコーションとなる。

 44LAP、ラーソンとエリオットのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、バイロン、エリオット、カイル、ブリスコーが続く。48LAP、トゥレックスがカイルをパスし、5位に浮上。一方、ブリスコーは、徐々に後退。50LAP、シンドリックがカートとコンタクトし、スピン。



 51LAP、ブリスコーがピットイン、4タイヤチェンジ。シンドリックも入っている。52LAP、ラーソンはバイロンに3.341秒差のリードをし、トップを快走、ヘンドリックの1-2-3。ボウマンは10位で蚊帳の外?状態。53LAP、エリオット、トゥレックス、ベルらがピットイン。これがラストピットになりそうだ。

 次の周にラーソン、バイロン、カイルがピットへ。エリオットがアンダーカットし、バイロンの前に出る。56LAP、ハムリンを先頭に10台がステイアウト。59LAP、2位のカートがピットイン。61LAP、ハムリン、アルメンディンガー、レディック、プリース、ディベネデットのトップ5。ステイアウトは現在6台。

 62LAP、トップを独走していたハムリンがピットイン。タイヤをロックさせ、グラスに突っ込んでフロントグリルにたくさん付いていたが、全部取れている。63LAP、ラーソンはディベネデットを捉え、自力でリードチェンジ。64LAP、ラーソンはディベネデットに1.717秒差をつけ、依然トップ。エリオットは4.077秒、バイロンが6.558秒、カイルは10.165秒差のトップ5。憎めないけど、憎らしいほど強いラーソン。今シーズン6勝目は確実だろうか?

 ラーソンのプレーオフポイントは37。優勝の他に12ものステージウインを飾っているのだ。これにレギュラーシーズンポイントが加算されれば、フェニックス行きは余裕余裕。それでもさらにプレーオフポイントを稼ごうとしている。強いから仕方ないが、あまりに強欲じゃないかって言いたくもなる。

 72LAP、ディベネデットは既にステイアウト組のハムリンにも抜かれて、7位で走り続けている。コーション待ちにせよ、そろそろ燃料の限界が近いだろう。73LAP、ターンで離脱したデブリで4回目のコーション。ディベネデットは、コーションが出る直前にピットは入っていたようだ。これぞ、天の配剤。

 コーション中にトラックの補修作業が行われている。このレースでは再三観る光景。リードラップカーが一斉にピットイン。が、ハムリン、カートはステイアウト。ラーソンがトップでピットアウトするが、エリオットは右側タイヤ交換の際にジャッキを下ろしてしまい、大きくタイムロス。

 クルーチーフのアラン・グスタフソンは落胆の表情。ハムリン、カート、ディベネデット、ブリスコー、ラーソンのトップ5。77LAP、ハムリンとカートのフロントローでリスタート。ハムリンがリード、ブリスコー、バイロン、ラーソン、カイルが続く。中団の争いでトゥレックスが弾き出され、ウォールにクラッシュ!

 ハムリンとブリスコーがサイドバイサイドの争い。その後ろにラーソンがつく。78LAP、めくれ上がった縁石にバイロンが乗り上げ、カイル、プリース、スアレスがスピン、コースアウト。ロガーノはそのままタイヤバリアに突っ込む。無事に出てきたロガーノにインフィールドの観客が拍手。

 この5回目のコーションで、バイロン、ロガーノ、ベル、プリース、スアレスの5台がリタイア。当然、レッドフラッグに。壊れた縁石を撤去、牽引していくと大きな拍手が起こります。リプレイを観てると、みんな縁石に乗り上げて、ダメージが蓄積して行き、底を打ったマシンから、凄いでかいデブリが飛んでいく。

 23分余りでレッドフラッグ解除。コーションラップに。トゥレックス、ケビン・ハーヴィックらダメージの大きいマシンはピットイン。NASCARオーバータイムに突入し、平穏だったレースが一気に不穏な事態に。ハムリン、ラーソン、ブリスコー、ディベネデット、ライアン・ブレイニーのコーションラップが淡々と続く。

 どこまで続くんだ・・・と思ってたコーションラップ。レース再開に観客が一斉に立ち上がる。89LAP、ハムリンとラーソンのフロントローでリスタート。ハムリンがリードし、ブリスコーが続く。カートにプッシュされたラーソンはポジションを失い、アルメンディンガーが3位に浮上。

 マクダゥエルが<例>の残された縁石に引っかかってジャンプ。後続のマシンが巻き込まれ、ディロン、ジェームス・デイビソンもクラッシュして3台纏めてリタイアし、6回目のコーション。もう泥沼だ・・・。カスター、レディックもヘビーダメージ。再びレッドフラッグ。

 コーションラップ再開。当面のライバル、ディロンがリタイアしたのでレディックは、ボンネットは全部外して完走を狙う。ハムリン、ブリスコー、アルメンディンガー、ディベネデット、ブレイニーのトップ5。オーバータイム2回目。ハムリンとブリスコーのフロントローでリスタート。

 ハムリンがリード、ブリスコーが続き、ターン1でアルメンディンガーに押されたハムリンがブリスコーのラインを開けることが出来ず、グラスに押し出す形に。ブリスコーはショートカットして、トップに立つものの、ハムリンに抜き返され、ブリスコーは追いすがり、ハムリンを押し出してしまう。

 ブリスコーは、その直後にコースアウトしてしまい、トップはアルメンディンガーに。そのままファイナルラップ、問題なく逃げ切って、アルメンディンガーが2014年のワトキンスグレン以来、カップ戦2勝目。クルーチーフもクルーも大喜び。ハムリンとブリスコーの件は後味は悪いものの、アルメンディンガーの勝利は見事だった。

 ブリスコーは完全に頭に血が上ってしまい、ハムリンを押し出してしまったのは、擁護出来ない。あの場面でラインが残されていない理由を理解することは無理にしても。レース後2人は口論していたが、ハムリンの方が大人の対応。さすがにルーキー相手に大ベテランが感情を露にするのは、大人げないとの判断もあったのだろうけど。

 ブレイニー、ラーソン、エリオット、ディベネデット、カート、ジョーンズ、ヘイリー、シンドリック、ニューマンのトップ10。アルメンディンガーを始め、ヘイリー、シンドリックなど、スポット参戦(ポイントは付与されない)の活躍が目立った。ラップダウンのシーンでだけ目立っていた満身創痍のニューマンがトップ10に食い込んだのは驚きだ。

 12位ブッシャー、13位バッバ・ウォレス、14位ハーヴィック、15位トゥレックス、17位ボウマン、19位アルミローラ、20位カイル、21位レディック、23位ハムリン、24位ケセロウスキー、25位カスター、26位ブリスコー、29位ロス・チャステイン、31位ディロン、33位バイロン、34位ベル、36位ロガーノと言ったところ。

 14人目のウイナーが誕生したものの、アルメンディンガーはスポット参戦なので枠外。ハムリンがポイントでのプレーオフ進出を決め、残り枠は2。残りはブルックリン(ミシガン)とデイトナの2戦。ハーヴィックは固いと思うけども、リチャードチルドレスのレディック、ディロンの争いは最後まで続く。

 特に最終戦:デイトナは誰が勝つか分からない。チルドレスの2人ともふるい落される可能性も高い。ならば自力で勝つしかないわけで、この2人に加え、チャステイン、ディベネデットは要注目だ。トラックハウスでのシートが保証されているチャステインはともかく、ディベネデットは後がない。さて、どうなるか。