ブッシュ兄弟がドミネイト。最後はカートが競り勝つ!(NASCAR第21戦:アトランタ) | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 NASCAR第21戦:アトランタは、ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モータスピードウェイで開催される「Quaker State 400」。3月21日に開催以来、4ケ月ぶり。アトランタは1.54マイル(2.48キロ)を260LAP(400.4マイル)を走り、3ステージ制(80+80+100LAP)で争う。

 PPは、チェイス・エリオットで、カイル・ブッシュ、デニー・ハムリン、クリストファー・ベル、マーティン・トゥレックス・ジュニアの4台のジョー・ギブスレーシング勢4台が続く。第13戦:ドーバーでトップ4を独占してから、ヘンドリック・モータースポーツの独走が続き、第19戦のポコノ350でカイル・ブッシュが優勝したのを除いて、全勝。

 8戦で7勝(カイル・ラーソン3勝、エリオット2勝、アレックス・ボウマン2勝)と破竹の勢い。話は逸れるけれども、9日にアイオワ州ノックスビルのノックスビル・スピードウェイで行われた「Corn Belt 150」で、トヨタを駆るハットリ・レーシングのオースティン・ヒルが、キャンピングワールドトラックシリーズで今シーズン初優勝。

 0.5マイル(800M)のハーフマイルトラックで、主にスプリントカーレースが行われるダートレース。昨シーズン、フロントローモータースポーツでカップ戦にフル参戦したジョン・ハンター・ネメチェックが4勝を挙げ、独走。ベン・ローズに僅差の3位で健闘している。ダートレースで大荒れで、オーバータイムが再三繰り返される乱戦をヒルが制している(リンク先)。

 一方、カイル・ブッシュは、エクスフィニティ・シリーズでアトランタを制し、出場した5戦で全勝。通算102勝目とした。経験のないインディアナポリス/ロードで、最後の出場枠を使うと思っていたから、意外と言えば意外。来シーズンもエクスフィニティ・シリーズでカイルは無双するのだろうか?

 エリオット、カイルのフロントローでグリーンフラッグ。エリオットがリードし、カイル、ハムリン、ベル、タイラー・レディックが続く。14LAP、エリオットの背後につけていたカイルがアウトから一気にパスし、リードチェンジ。21LAP、カイルがエリオットとの差を2.530秒に広げ、ハムリンは2.720秒、レディックが2.973秒、カート・ブッシュが3.391秒のトップ5。

 24LAP、ハムリンもエリオットを抜いて2位に浮上。25LAP終了でコンペティションコーションが入る。リードラップカーが一斉にピットイン。ハムリン(+1)、カイル(-1)、レディック(+1)、カイル・ラーソン(+3)、ジョーイ・ロガーノ(+5)のトップ5。ブラッド・ケセロウスキーが+6で6位、ウィリアム・バイロン(+6/10位)が目を引く。

 エリオットはオーバーラン、カートは映らなかったが、トップ10に姿はない。30LAP、ハムリン、カイルのフロントローでリスタート。31LAP、コディ・ウェアがクラッシュし、そのあおりを食ってかダニエル・スアレスとリッキー・ステンハウス・ジュニアの2台がクラッシュ!

 ステンハウスは足回りが壊れており、スアレスはアウト側に大きなダメージを負っている。ここでリタイアとはならなかったが、37、36位に終わっている。プレーオフ争いにも顔を出していたスアレス、ここでの結果は勿体ない。36LAP、ハムリンとカイルのフロントローでリスタート。

 カイルがリード、ハムリン、レディック、カート、ロガーノが追う。41LAP、カートがハムリンを捉え、2位にポジションアップ。一方、エリオットは20位に沈んでいる。66LAP、カイルとカートは、0.682秒差の1-2。3位のボウマンは6.795秒差で、ハムリン、レディックが続く。ブッシュ兄弟が3位以下を引き離している。

 ピットに入ったライアン・ニューマンの右フロントタイヤだろうか、酷く剥離している。他のマシンに影響が出ないと良いが。ファイナルラップ、カイルはカートに約2秒の差をつけ、ステージ1を制覇。カート、ハムリン、ボウマン、レディック、ラーソン、ロガーノ、バイロン、トゥレックス、ケビン・ハーヴィックのトップ10。



 リードラップカーがピットイン。カート(+1)、カイル(ー1)、バイロン、ボウマン、レディックのトップ5。エリオットはピットに入る時に、先に入っていて、ピットボックスに出てきたコール・カスターのタイヤチェンジャーを跳ねてしまい、この2台が最後尾からのスタートになってしまう。幸い、大事には至らなかったようだ。

 7(87)LAP、カートとカイルのフロントローでリスタート。カートがリード、カイル、レディック、ハムリン、ボウマンが続く。14(94)LAP、カイルはレディックに続いてボウマンにも抜かれ、4位にドロップ。16(96)LAP、ボウマンはレディックもパスし、2位に浮上する。

 23(103)LAP、カイルがボウマンを抜き返して3位を奪還、ボウマンを追う。カートは2位以下のポジション争いを尻目に1.6秒余りの差をつけ、トップを快走。24(104)LAP、ラーソンがボウマンを捉え、4位に浮上。アンスケジュールでピットに入ったロガーノの後ろにステンハウスの姿が。

 結局、サスペンショントラブルでリタイアするのだが、よくリペアしたものと感心する。30(110)LAP、カイルがボウマンを捉え、2位に。再びブッシュ兄弟の1-2。35(115)LAP、カートがカイルに1.786秒差をつけトップをキープ。ボウマンは2.632秒、レディックが5.193秒、ラーソンは5.792秒差のトップ5。

 39(119)LAP、バイロンとマット・ディベネデットがピットイン。純粋な1.5マイルではないから、フューエルウィンドウは60LAPくらいだと思うが、ステージを半分で割ってくると思ってたので、これでトップ勢も入ってくる筈だ。ブレイニー、ラーソン、ボウマン、カイル、遅れてカートも入ってきた。

 46(126)LAP、エリック・アルミローラと、ライアン・プリースがステイアウト。カート、カイル、ボウマンが続く。52(132)LAP、カートがアルミローラを抜いて、リードチェンジ。54(134)LAP、アルミローラがようやくピットに向かう。この間にカートはカイルとの差を3秒以上に広げている。

 70(150)LAP、ラーソンがアウトからレディックをパスし、4位に。ファイナルラップ、ハムリンがレディックを捉え、トップ5に食い込む。カートが独走でステージ2を制し、カイル、ボウマン、ラーソン、ハムリン、レディック、ライアン・ブレイニー、ケセロウスキー、オースティン・ディロン、トゥレックスのトップ10。

 コリー・ラジョイの個性的なスキームのマシンが目を引くw。リードラップカーが一斉にピットイン。カート、カイル、ボウマン、ラーソン、レディック(+1)のトップ5。ハムリンがエンタリングのスピードオーバーでペナルティ・・・これ、絶対やっちゃいけないヤツやー(( ノД`)シクシク…)。

 コーションラップ中に古いトラックのsurfaces(表面)って出てきて、ドーバー(1995)、アトランタ(1997)、シカゴランド(2001)とある。路面の改修がされてないってことだろうけど、コンクリート路面のドーバーはともかく、アスファルトのアトランタも相当古い。アスファルト路面が2か所剥がれている。シガゴランドはカレンダーから外れてるけど。

 これだけトラック上がヒビだらけなのだ。ステージ1のニューマンの緊急ピットもこれが原因なのかもしれない。全車がトラック上に停まり、レッドフラッグ。アスファルト素材を流し込み、水を入れ、固まってきたら、上から押す。いかにもNASCARらしいが、本格的なトラックのリペイブが必要じゃないのか、アトランタは。

 19分4秒でレッドフラッグは解消され、コーションラップに。さすがにF1じゃ、こんなことないでしょうが、人工芝がルイス・ハミルトンのマシンに絡みついたことが、韓国GPであったりしましたねぇ。ま、あれは例外として(あれは新設のパーマネントサーキットだったし、運営側の問題)。



 171LAP、カートとカイルのフロントローでリスタート。カートがリード、ボウマン、カイル、ラーソン、トゥレックスが続く。173LAP、カイルがボウマンを捉え、再び2位に。186LAP、ラーソンがここから怒涛の追い上げ・・・と思ったら、ペースが伸びない。カートから4秒以上の差をつけられ、引き離される。あれ?

 202LAP、カイルがカートの背後に迫る。211LAP、ロガーノが先駆けてピットイン。ステージを半分に割ってきた。ブレイニー、ケセロウスキーのペンスキー勢が追随。212LAP、2位のカイルもピットピン。213LAP、トップのカイルも入る。カイルがアンダーカット成功でリードチェンジ。

 217LAP、カイル、カートのトップ2は変わらないが、ほぼ同時期に入ったラーソンが21位にまで下がっている。ピットで何が起きたんだ?(ピットロードスピードペナルティでした/リンク先)。232LAP、カイルがカートに0.651秒差をつけ、依然トップ。ボウマンは6.002秒、トゥレックスが6.438秒、レディックは10.036秒差のトップ5。

 267LAP、チャステインに詰まったカイルがカートとの差を一気に詰められ、サイド・バイ・サイド。カートが逆転!ブロックと言うほどではなかったが、僅かな差だっただけに効果は絶大。244LAP、カートがカイルに0.869秒をリードし、トップをキープ。トゥレックスは6.470秒、ボウマンが7.828秒、レディックは10.909秒差のトップ5。

 去年のラスベガスから26レース、勝利から遠ざかっているカート。クリーンエアーでカイルとの差を維持するが、カイルはラーソン張りの大外走りで諦めない。259LAP、カートはロガーノをラップダウンに。その前にはラーソンの姿が。こんな後ろまで下がっていたのか、ラーソン?

 そのままカートが逃げ切って、今シーズン初勝利。通算33勝目。トゥレックス、チームメイトのチャステイン、ボウマンらがカートを祝福。カイル、トゥレックス、ボウマン、ブレイニー、レディック、エリオット、ベル、ディベネデット、ケセロウスキーのトップ10。

 バーンアウトするカートに大歓声が飛ぶ。11位ハーヴィック、13位ハムリン、15位チェイス・ブリスコー、17位カスター、18位ラーソン、19位ロガーノ、20位バイロン、21位チャステイン、23位アルミローラ・・・といったところ。カートは2014年にSHRに移籍して以来、8年連続の勝利となった。

 レース後のインタヴューでも「グッドチームメイト・・・チャステイン」とかコメントしていたから、チャステインの<サポート>には感謝している様子。「トラックハウスには僕が残るから、君は23Ⅺで頑張ってね!」という惜別のチームプレイなんて考えちゃうのは穿ち過ぎか。

 一昨年のケンタッキーで兄弟で優勝を争った時のようにカイルはカートを称えるようには見えなかったが、「(カート・ブッシュ)は間違いなく今日の私たちよりも優れていた」とはコメントした。カートは、12人目のウィナーとなり、プレーオフ行きを確定。

 カートのパフォーマンスは見事だったが、チームメイトのチャステインとパフォーマンスでこれほどの差が出るのは意外だった。(ボウマンが4位に入ったとは言え)同時にヘンドリック勢の不振も。ガナッシで優勝するのなら、カートではなく、チャステインじゃないかと思っていたから。

 実績では、カートとチャステインは比較にならない。片やチャンピオンドライバー、チャステインは、今シーズンのオースティンでの4位がベストのドライバーではある。ただ、内容ではカートに引けを取らない走りを見せていたし。次戦はロードン(ニューハンプシャー)。(巨大)ロブスターが苦手なハムリンが初勝利を飾れるかどうか。