ヘンドリック3台が潰れる中、エリオットが2勝目!(NASCAR第20戦:ロードアメリカ) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 NASCAR第20戦:ロードアメリカは、ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードアメリカで開催される「Jockey Made in America 250」。インディカーシリーズでは1974年から開催され、1977年~81年、2005年、2008年~15年の中断を経て今に続く。

 NASCARでは、エクスフィニティ・シリーズが2010年から開催され、現在に至る。カップシリーズは1956年の開催一度だけで、事実上の初開催。今年のエクスフィニティに「Henry 180」は、カイル・ブッシュ、ケビン・ハーヴィック、ジョシュ・ビリッキの3人が参戦し、カイルが今シーズン4勝目を挙げ、通算勝利を101に積み上げた。

 今年はインディアナポリスのロードコースも初開催で、カイルは参戦制限の残り1をインディで使うに違いない。ハーヴィックは6位、ビリッキは29位だった。ロードアメリカは、14のターンを持つロードコースで4.048マイル(6.515キロ)を62LAP(250.48マイル/403.11キロ)の3ステージ制(14+15+33LAP)。※今年のインディは、55周221マイル(355キロ/GAORAインディカー中継によれば、ピットウィンドウ、~15周)。

 タイトルスポンサーは、ウィスコンシン州に本社を置く衣料品会社であるジョッキーだとか。ウィキの記述に依れば、「下着、スリープウェア、男性、女性、子供向けのスポーツウェアの販売店を持つアメリカのメーカー」とのこと。予選が行われ、ウィリアム・バイロン、カイル・ラーソンのヘンドリック2台が1-2。

 AJ・アルメンディンガー、タイラー・レディック、オースティン・シンドリックまでがトップ5。エクスフィニティからのスポット参戦であるアルメンディンガーとシンドリックの2台が食い込んだ。ラーソンとバイロンのフロントローでグリーンフラッグ。バイロンがリード、ラーソン、アルメンディンガー、レディック、シンドリックが続く。

 3LAP、ダニエル・スアレスがスローダウンし、1回目のコーション。スアレスは自力で動けず、プッシュされてピットロードへ向かう。スアレスは走り切ったが、36位に終わる。5LAP、バイロンとラーソンのフロントローでリスタート。ロス・チャステインがシンドリックに仕掛けるが、トップ5は変わらず。

 6LAP、ラーソンがバイロンに仕掛けるが、オーバーラン。アルメンディンガーにパスされ、3位に順位を落とす。7LAP、映像には映らなかったが、ライアン・プリースがエンジントラブルで早くもリタイア、40位に終わっている(ランオフエリアにコースアウトした場面が映った。レースに影響はないのでコーションは出ず)。

 同じNBCだからか、他のカテゴリーも一瞬映る。あれ、ライアン・ハンターレイか?11LAP、タイ・ディロンがスピンするものの、グリーンでレース継続。12LAP、シンドリック、マーティン・トゥレックス・ジュニア、カイル・ブッシュら複数台がピットイン。カイル・ティリーがコースアウトし、2回目のコーション。

 グラベルの奥深くまで入り、動けなくなったティリーは牽引され、トラックに復帰。2周遅れの35位でフィニッシュしている。そのままステージ1はコーションチェッカー。バイロン、アルメンディンガー、ラーソン、レディック、チャステイン、デニー・ハムリン、クリストファー・ベル、アレックス・ボウマン、カート・ブッシュ、チェイス・エリオットのトップ10。

 リードラップカーが一斉にピットイン。バイロン、ハムリン(+4)、ラーソン、レディック、チャステインのトップ5。アルメンディンガーは8ポジションダウンの10位に。3(17)LAP、トゥレックスとマット・ディベネデットのフロントローでリスタート。8台はステイアウトしていて、バイロンは9位リスタート。

 ロードコースではステージ間コーション前にピットインして、ポジションを上げるのは定石になりつつある。3ワイドから、ディベネデットとシンドリックがトゥレックスを抜き、シンドリックがトップに立つ。シンドリックがリード、ディベネデット、カイル、トゥレックス、バッバ・ウォレスが続く。

 ディベネデットが何度もシンドリックをタップ、5(19)LAP、ディベネデットがシンドリックをパスし、リードチェンジ。7(21)LAP、ハムリンがコースアウトし、グラベルに突っ込むのが見える。リプレイではコースに戻っていて、ノーコーション。

 9(23)LAP、今度はマイケル・マクダゥエルとバトルをしていたブラッド・ケセロウスキーが、マクダゥエルをパスした後、スピン、コースアウト。10(24)LAP、今度は逆にディベネデットを追い回していたシンドリックが、抜き返しトップを奪還、カイルも続く。

 今度はシンドリックがランオフエリアにコースアウトし、カイルがトップに立つ。ディベネデット、トゥレックス、タイラー・レディックらに次々と抜かれてポジションを落とすシンドリック。遂にスピン!シンドリックはピットインするものの、ギアトラブルでリタイア。38位に終わる。

 11(25)LAP、今度は、コリー・ラジョイがコースアウト、ランオフエリアから戻ったところでオースティン・ディロンとヒットし、ウォールにヒット。グラスに守られたか、見かけは派手だが、ダメージはさほどではなく、コースには復帰。これもノーコーション。立て続けに起きるスピン、幸か不幸かコーションは出ない。

 12(26)LAP、カイルがトゥレックスに1.362秒差でトップをキープ。レディックは2.344秒、バイロンが4.345秒、ディベネデットは5.397秒差のトップ5。が、すぐ後ろにラーソン、エリオットが迫っている。13(27)LAP、ディベネデット、エリオットは揃ってピットイン。

 ハムリン、アレックス・ボウマン、ライアン・ブレイニーの姿も見える。14(28)LAP、ピットクローズ直前にカイルとトゥレックスがピットイン。これでレディックがトップに繰り上がる。2位はバイロン。カートがコースアウトして、グラスに突っ込む。すぐにコースへ戻り、事なきは得たものの、グリルはグラスだらけ。



 ガナッシのNASCAR部門がスアレスの所属するトラックハウスが買収という話(リンク先)もあるし、スアレスの残留は決まっているということなので、カートとチャステインのポジション争いからも目が離せない。そのままレディックがステージ2を制し、バイロン、チャステイン、ラーソン、カート、ジョーイ・ロガーノ、ケビン・ハーヴィック、ウォレス、ジャスティン・ヘイリー、カイルのトップ10。

 ピットストップではトゥレックスに先行されたカイルだが、トップ10に食い込み、トゥレックスは14位。ピットサイクルが違うとは言え、最後尾から追い上げてきたカイルの走りはグッジョブだ。レディックを先頭にリードラップカーがピットイン。ピット勢では、ラーソンがレディックを逆転してトップ。

 予選3位、ステージ1では、2位に入ったアルメンディンガーがピットで何やら作業中。ステージ2終盤では、トップから90秒以上も遅れていたから、問題を抱えているのだろう。ワトキンスグレンで、マルコス・アンブローズを退け、キャリア唯一の優勝を飾った時は、インディで起用したロジャー・ペンスキーも祝福に来ていて、感動したものだけど・・・うーん、残念。

 トゥレックスが最後尾に下げられている。ピットロードのスピードオーバーかな?コーション前のピットだから、今ペナルティを消化してるとか・・・これも残念。33LAP、カイルとエリオットのフロントローでリスタート。カイルが飛び出し、ディベネデット、エリオット、ハムリン、チェイス・ブリスコーが続く。

 ディベネデットがカイルを捉え、リードチェンジ。34LAP、ピット組最上位のラーソンは12位に、追い上げを図るトゥレックスが29位までジャンプアップ。ピットサイクルの違いはあれど、2ストップもありうる。コーションの可能性は当然あるし、ピットコール、ステイアウトのジャッジが勝負を分ける。クルーチーフの腕の見せ所だ。

 39LAP、カイルを抜いて2位に上がっていたエリオットがディベネデットをパスし、再びリードチェンジ。そしてカイルも続く。シンドリックがウッドブラザースを飛び級して、ペンスキーに行くにしても、ディベネデットは残留するに足る実績を残さなければいけない。

 19戦消化して、ベストリザルトはタラデガの4位。カンザスは5位、リッチモンドの9位とトップ10は3回しかない。番狂わせの多いタラデガの順位は考慮されにくいから、このロードアメリカ、ワトキンスグレン、インディアナポリスの3つのロードコースとレギュラーシーズン最終戦のデイトナこのいずれかで勝利して、プレーオフ行きの切符を手に入れたい。

 42LAP、ハムリンにも捉えられ、4位にドロップ。すぐ後ろには、ベル、離れてボウマンだ。ピットストップは近いから、ボウマンにまで抜かれることはないだろうが、厳しいことは変わらない。44LAP、ターン1でアンソニー・アルフレードの左リアタイヤがバースト。スピンして、グラベルに突っ込んで動けなくなる。

 これが4回目のコーション。アルフレードはここでリタイアし、37位。エリオットを先頭にリードラップカーが一斉にピットイン。これでピットサイクルのズレはリセット。カイル(+1)、ハムリン(+1)、エリオット(ー2)、ラーソン(+5)、ベル(ー1)のトップ5。

 47LAP、ステイアウトしたエリック・アルミローラとブレイニーのフロントローでリスタート。カイルが先行し、エリオット、ベル、ハムリン、ブレイニーが続く。すぐにエリオットがカイルをパスし、リードチェンジ。49LAP、ラーソンがハムリンを捉え、3位に浮上。エリオットとカイルを追う。50LAP、バイロンがターン5でスピンし、ランオフエリアにコースアウトし、ポジションを落とす。

 51LAP、エリオットがカイルに2.218秒の差をつけ、依然トップ。ラーソンは4.387秒、ハムリンが5.542秒、ベルが6.318秒のトップ5。53LAP、ベルがラーソンを捉え、3位に浮上。56LAP、エリオットとカイルの差は4.499秒にまで開き、3位のベルが次第に追い上げてくる状況。

 58LAP、ラーソンとボウマンがコンタクト、ラーソンが弾き飛ばされる形でスピン、ハムリン、カートは辛うじてかわす。ラーソンはコースに戻ったものの、大きく順位を落とす。59LAP、そのボウマンをハムリンが抜いて4位に。ベルがカイルをパスして2位となっている。エリオットとベルの差は6秒以上だから、ベルが速いというより、カイルのペースが落ちているのだろう。60LAP、ボウマンがピットイン。4タイヤチェンジ。

 今度はハムリン、カート、チェイス・ブリスコーが激しい4位争い。62LAP、カートがハムリンを捉え、4位をゲット!ブリスコーがランオフエリアに外れて、ハムリンとの差が開く。そのまま独走でエリオットが、オースティン以来の今シーズン2勝目、通算13勝目を挙げた。

 ロードコースでの勝利は7勝でキャリアの半分を超える。ロードコースで最多勝はジェフ・ゴードンの9勝(ソノマ5勝、グレン4勝)、トニー・スチュワートの8勝(グレン5勝、ソノマ3勝)に次ぐが、ロードがソノマとワトキンスグレンの2レースしかなかった時代なので、比較は出来ない。エリオットはグレンとローバルで2勝づつ、デイトナ/ロード、オースティン、ロードアメリカで1勝づつ(リンク先)。

 これからグレン、インディアナポリス/ロード、ローバルと3戦あるから、ロードマイスターとも言えるエリオットには明るい材料。ベル、カイル、カート、ハムリン、ブリスコー、チャステイン、レディック、トゥレックス、ディベネデットのトップ10。ベルはデイトナ/ロードで優勝、ロードアメリカで2位だから、ロードコースが得意なのかもしれない(ソノマ、オースティンでは振るわなかったが)。

 ブリスコーはオースティンに次ぐ2度目の6位フィニッシュだった。11位ディロン、13位ケセロウスキー、14位アルミローラ、15位ロガーノ、16位ラーソン、17位カスター、20位ブレイニー、22位ボウマン、27位ハーヴィック、29位アルメンディンガー、33位バイロンと言ったところ。

 4度目のコーションでピットストップのズレがリセットされたのが、エリオットには有利に働いた。さもなくば、ステージ2終了後に入ったラーソンらに対して、ステイアウト組はかなり厳しい戦いを強いられたと僕は思う。ま、あれだけコースアウトが多発したレースだったから、コーション4回は少ないとも言えるんだけど。

 5位フィニッシュしたハムリンが37ポイントを獲得、ラーソンの36ポイントを1ポイント上回り、レギュラーシーズンポイントでは、ハムリンが1ポイント引き離した。シーズン未勝利のハムリンにしてみれば、雀の涙程度の差なんだけども。ヘンドリックはラーソンとボウマンの同士討ち、バイロンのスピンが響き、エリオットが順当に生き残った。次戦は400マイルのアトランタ。そして、ロードン(ニューハンプシャー)を経て、NASCARはオリンピック休暇に入る。