オールスター戦が終わり、再びレギュラーシーズンへ。NASCAR第17戦:ナッシュビル。テネシー州レバノンのナッシュビル・スーパースピードウェイで開催される「Ally 400」。1.333マイル(2.145キロ)を300LAP(400マイル/640キロ)を3ステージ制(90+95+115LAP)で戦う。
ナッシュビル・スーパースピードウェイでの開催は今年初。エクスフィニティ・シリーズ、キャンピングワールド・トラックシリーズは2001年~11年まで開催。今年から再開催となり、エクスフィニティ・シリーズの第15戦「Tennessee Lottery 250」にカイル・ブッシュ、タイラーレディックの2人のカップ戦フル参戦ドライバーが走った。
カイルが今シーズン3勝目を挙げ、エクスフィニティ・シリーズ通算100勝目を達成(2位マーク・マーティン49勝、3位ケビン・ハーヴィック47勝、4位ブラッド・ケセロウスキー39勝、5位カール・エドワーズ38勝)。エクスフィニティで100勝したら、もう参戦しないとかつてコメントしたが、これからどうするのだろうか。エクスフィニティのキャリアが終わりに近づいている、と言う記事はあったけども(リンク先)。
一方、トラックシリーズには、ライアン・プリース、ロス・チャステイン、ウィリアム・バイロンの3人が参戦。プリースが優勝、チャステインは22位、バイロンが36位に終わっている。カイルや、チェイス・エリオット、マーティン・トゥレックス・ジュニア、ケビン・ハーヴィック、ダニエル・スアレス、ライアン・ニューマンもシリーズに参加しているが、この数の多さに驚く。
予選が行われ、PPは3回目のエリック・アルミローラ、2番手はカイル、ジョーイ・ロガーノ、ウィリアム・バイロン、カイル・ラーソンのトップ5。フューエルウィンドウは110~115LAP。ファイナルステージを除き、走り切れる計算にはなる。初開催だけに何回のコーションが出るかも分からないのだが。
アルミローラとカイルのフロントローでグリーンフラッグ。まずはカイルがリードしたが、いきなりのコーション。クイーン・ハフがいきなりクラッシュ!右フロントタイヤが外れ、0周でリタイア。38位に終わる。6LAP、カイルとアルミローラのフロントローでリスタート。
ミドルラインから、一気にラーソンがカイルを抜いてトップに躍り出る。ラーソン、アルミローラ、カイル、ロガーノ、コール・カスターのトップ5。28LAP、ラーソンがトップを快走し、カイルに1.122秒差。アルミローラは5.467秒、ロガーノが8.169秒、カスターは9.677秒差。ラーソンが相変わらず速い速い。
39LAP、ライアン・ブレイニーがピットイン、41LAPにマーティン・トゥレックス・ジュニアが続く。デニー・ハムリン、ウィリアム・バイロン、アレックス・ボウマン、ケビン・ハーヴィック他リードラップカーが次々と入る。45LAPにラーソンとカイルのトップ2が同時に入るが、46LAP、タイラー・レディックがグラスに突っ込みスピン、2回目のコーション。
コーションラップ中にまたしても偽カイルが映る。前回見たのは若かったけど、今度はおっさんっぽい。カート・ブッシュ、アルミローラ、リッキーステンハウス・ジュニアなどのステイアウト組がここでピットへ。それにしてもナッシュビルは良く入っている。キャパシティは25、000人だが、カップシリーズでは、38、000人を入れる予定だとか。
そのくらい入っていてもおかしくない<密と熱気>がある。ピットでカイルがラーソンを逆転、ロガーノ、エリオット、カートが続く。53LAP、カイルとラーソンのフロントローでリスタート。カイルがリード、ラーソン、ロガーノ、チェイス・エリオット、カートが続く。54LAP、ラーソンがあっさりカイルをパスし、リードチェンジ。
55LAP、ブレイニーが右フロントタイヤのバーストでウォールにハードクラッシュ!3回目のコーションとなる。ブレイニーはマシンを降り、ここでリタイア。37位に終わる。ラーソン、カイル、ロガーノ、エリオット、カートのトップ5。62LAP、ラーソンとカイルのフロントローでリスタート。
ラーソンがリード、カイル、エリオット、ステンハウス、カートが追う展開。エリオット、ステンハウス、カートがカイルをパスし、アルミローラがロガーノを捉える。ラーソンのトップは盤石だが、カイルとロガーノがポジションを落としている。ラーソンがリードを広げる中、クリス・ブッシャーとジャスティン・ヘイリーが続けざまにウォールにクラッシュ、4回目のコーション。2台ともリタイアし、35、6位でレースを終える。
カートに加えてエリオットがフェイク。全部で8台がステイアウト。他のリードラップカーはピットイン。86LAP、カートとエリオットのフロントローでリスタート。カートが先行するが、エリオットが抜き、リードチェンジ。エリオットはトップでチェッカーを受けたが、レース後の車検で失格。リザルトも抹消となり、カートがステージウィン。
ラーソン、ダニエル・スアレス、カイル、オースティン・ディロン、ステンハウス、ブラッド・ケセロウスキー、ロガーノ、マット・ディベネデット、デニー・ハムリンのトップ10。ラーソンがコカ・コーラ600、ソノマのドミネイトで7ステージ連続ウィンをカートは何はともあれ、止めたことになる。ただ、トラック上の速さは、ラーソンがピカイチ。
エリオット、カート、スアレスらステイアウト組はここでピットイン。ラーソン以下のピット組は逆にステイアウト。8(98)LAP、ラーソンとカイルのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、カイル、ステンハウス、ロガーノ、ハムリンが続く。
14(104)LAP、カイルはステンハウス、ハムリンにパスされ、4位にドロップ。31(121)LAP、ラーソンはステンハウスに2.854秒の差をつけ依然トップ。ハムリンが6.268秒、ロス・チャステインは9.105秒、ロガーノが10.447秒差のトップ5。ラーソンを脅かすものは誰もなく、リードラップを積み重ねてゆく。
バッバ・ウォレスが単独スピン、左リアタイヤがバーストし、6回目のコーションに。初開催のナッシュビル、結構荒れる。リードラップカーが一斉にピットイン。ラーソン、ハムリン(+1)、カイル(+3)、ステンハウス(ー2)、ロガーノのトップ5。逆にチャステインが3ポジション下げて、7位スタート。
49(139)LAP、ラーソン、カイルのフロントローでリスタート。ラーソンがリードし、カイル、ステンハウス、ハムリン、ロガーノが追う展開。あっさり、カイルがステンハウスにパスされてしまい、コーションでリセットしても、ラーソンが悠々とトップを快走する状況が続く。
76(166)LAP、ラーソンがステンハウスとの差を5.084秒に広げ、アルミローラは9.624秒、カイルが10.744秒、ハムリンは11.575秒差のトップ5。ラーソンのワンサイドゲームが続く中、コール・カスターがスローダウン。7回目のコーションに。右リアタイヤがバーストして引火しているようだ。
ラーソンを先頭にリードラップカーがピットイン。チェイス・ブリスコー(+11/2)、レディック(+9/2)、ラーソン(-2/4)、ディロン(+15/2)、カイル(ー1/4)・・・これ以下は全て4タイヤだが、残り周回が少ないだけにギャンブルに出た陣営も出てくるのは当然か。
91(181)LAP、ブリスコーとレディックのフロントローでリスタート。ブリスコーが先行し、レディックで遅れる。ラーソンが2位浮上。3位にディロン、その後ろでカイルとハムリンが4位争いを展開。92(182)LAP、ラーソンがブリスコーを捉え、リードチェンジ。
ファイナルラップ、ディロンがブリスコーを抜き、バイロンがハムリン、カイルのJGR2台を一気にパスして4位に入った。カイル、ハムリン、ステンハウス、アルミローラ、ケビン・ハーヴィック、カートのトップ10。エリオットは7位だったが、順位は抹消。ラーソンは定位置のステージウィンでステージ2を制した。
ディロン、ブリスコー、レディックほか、数台がピットイン。4タイヤ組はステイアウト。191LAP、ラーソンとバイロンのヘンドリック2台のフロントローでリスタート。ラーソンがリードし、バイロン、ハムリン、カイル、ステンハウスが続く。カイルはウォールにブラッシュするなど、ポジションを維持することが出来ず、パッとしない。
197LAP、ライアン・プリースがスピンし、9回目のコーション。チャステイン、アレックス・ボウマン、マイケル・マクダゥエルなどがピットイン。203LAP、ラーソンとバイロンのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、バイロン、エリオット、ハムリン、カートが追う。
210LAP、カイルはコリー・ラジョイ、JJ・イエリーにもパスされ、26位とどん底の状態。ロングスティントだけでなく、ショートでも遅く、マシンが全然決まっていない。218LAP、ウォレスがマクダゥエルとコンタクトし、スピン。10回目のコーション。ラーソンを先頭にリードラップカーが一斉にピットイン。
ラーソン、ハーヴィック(+4)、バイロン(ー1)、カート(+1)、ハムリン(ー1)のトップ5。エリオットはポジションを3つ落とし、6位に下がる。唯一ステイアウトしたのはピットしてから間もないチャステイン。223LAP、チャステインとラーソンのフロントローでリスタート。
ラーソンがリード、バイロン、チャステイン、ハーヴィック、カートが続く。227LAP、ブリスコーがウォールにクラッシュし、11回目のコーション。チャステインをトップにリードラップカーがピットイン。ラーソン、バイロン、ハーヴィック、エリオット、カートのトップ5。
233LAP、ラーソンとバイロンのフロントローでリスタート。ラーソンがリード。バイロン、ハーヴィック、エリオット、カートが続く。ラーソンが256LAP中220LAPリードと言うテロップが出る。あまりにも圧倒的過ぎて、言葉が出ない。リードしてないのステイアウトと2ストップ組が前出たくらい。あとカイルか。
真っ向勝負では誰も歯が立たないし、ライバルチームも戦えない。いくらコーションが出ても、展開は同じだろう。燃費レースの様相を呈し、ラーソンもバイロン相手にセーフティなリードを築いているものの、大差は開かない様子。271LAP、燃料に唯一人問題のないチャステインがカートに次いで、エリオットを捉え、トップ5に。
285LAP、チャステインはアルミローラを抜いて4位に。292LAP、ハーヴィックをパスして3位、おっと、その間にマーティン・トゥレックス・ジュニアがピットイン。293LAPにバイロンをも捉え、2位に浮上。あとはラーソンだけだが、5秒以上の差があり、燃料が持てば、さすがに追いつけない。
299LAP、ステンハウスがカートを抜き、7位に浮上。ハムリンも燃料が持たず、ピットイン。ラーソンには何も起こらず、独走で3連勝。それに加えて今シーズン最多の4勝目、通算10勝目を飾った。チャステインはキャリアベストの2位フィニッシュ。トップ10は今シーズン4回目。燃費レースとは言え、殻を破ったという気がする。
バイロン、アルミローラ、ハーヴィック、ステンハウス、スアレス、カート、クリストファー・ベル、ロガーノのトップ10。エリオットは13位フィニッシュだったが、繰り返すようにレース後の車検で失格。最下位に終わっている。11位カイル、12位ディロン、14位ボウマン、18位レディック、21位ハムリン、22位トゥレックス、23位ケセロウスキー、24位ディベネデット、30位カスター、31位ブリスコー、と言ったところ。
ラーソンは3戦連続2位に続き、3戦連続優勝。誰が優勝を止めるかではなく、ステージウィンを止めるかに目が行くほど、強さはずば抜けていて、ヘンドリックの他の3人を寄せ付けていない。ハーヴィックとハムリンが優勝を分け合っていた去年とは違い、他のチームも寄せ付けない強さで、ナッシュビルでは264周をリード。
ロード、1.5マイルで強い(ナッシュビルは違うが)となると、ショートオーバルか、デイトナくらいしかラーソンと止められない気がする。チャステイン、ステンハウス、スアレスの走りは光った。カートの去就がどうなるにせよ、チャステインはガナッシの牽引役になっていくだろう。
ハムリンがトップ10圏外に終わったことで、ラーソンとのポイント差はわずか10ポイント。レギュラーシーズンポイントでも、ラーソンがポイントリーダーになるのは確実だ。どれだけプレーオフポイントを稼ぐか?に興味が移ってきた気がする。次は、ポコノ2連戦。325マイルと350マイルを2日連続。NASCARドライバーは日々過酷だ。