NASCAR第16戦:ソノマは、カリフォルニア州ソノマのソノマレースウェイでの「Toyota/Save Mart 350」。NASCARで長く2レースのみだったワトキンスグレンと並ぶロードコース。今シーズンはロードコースは6レースに増えたから、デイトナ/ロード、COTAに続く3戦目。
残るはグレン、ロードアメリカ(1956年以来)、インディ/ロード、シャーロット/ローバルの4戦。ソノマは、1989年以来、去年を除き、開催されていて、過去最多勝は、ジェフ・ゴードンの5勝、トニー・スチュワートが3勝で続く。現役では、マーティン・トゥレックス・ジュニアの3勝、カイル・ブッシュの2勝が続く。
他は2017年に優勝したケビン・ハーヴィックのみ。ロードコースで6勝を挙げているチェイス・エリオットは開催されているロードコースでは唯一、ソノマでだけは勝っていない(グレン、ローバル2連勝中)。2.52マイル(4.06キロ)を90周(226.8マイル/364.999キロ)を3ステージ制(20+20+50LAP)。
PPは、全戦コカ・コーラ600をドミネイトしたカイル・ラーソン、2位はチェイス・エリオット。この2人のフロントローでグリーンフラッグ。ラーソンがリード、エリオット、ウィリアム・バイロン、デニー・ハムリン、カイルが続く。ラーソンが4秒以上のリードを築く中、7LAP、19位スタートのトゥレックスがケビン・ハーヴィックを抜き、9位に浮上。
ハムリンがバイロンをパスして、ヘンドリックのトップ3独占に風穴を開ける。コンペティションコーション前に各車ピットイン。ハムリン、ブラッド・ケセロウスキー、ハーヴィック、ライアン・ブレイニー、コール・カスターの5台はラーソンの前にいるが、その後ろにもまだピットに入っていないドライバーがいて、順位はバラバラ。
14LAP、ラーソン、エリオット、バイロン、カイル、ブレイニーのトップ5に戻り、ラーソン、エリオットのフロントローでリスタート。ラーソンがリード。エリオット、バイロン、カイル、トゥレックスが追う展開に。16LAP、バイロンが大減速し、カイル、トゥレックスだけでなく、アレックス・ボウマン、オースティン・ディロン、タイラー・レディックにも捉えられ、トップ10陥落目前。
ステージ間コーション前にピットへ入るマシンは、バイロン、バッバ・ウォレス、マイケル・マクダゥエルなどごく一部。そのまま、ラーソンがステージ1を制し、5ステージ連続の勝利。ラーソンのドヤ顔もいささか飽きてきた。エリオット、カイル、トゥレックス、ボウマン、ディロン、レディック、カート・ブッシュ、マット・ディベネデット、エリック・ジョーンズのトップ10。リードラップカーが一斉にピットイン。
ラーソン、エリオット、カイル、トゥレックス、ボウマンとトップ5は変動なし。ラーソンは10回目のステージウィンで、プレーオフポイントをしっかり貯めて、この勢いだとプレーオフでもファイナル濃厚という感じがする。ここでのステイアウトは12台。5(25)LAP、カートとディベネデットのフロントローでリスタート。
カートがリード。ディベネデット、ケセロウスキー、ブレイニー、ハムリンが続く。エリオット、ラーソンもステイアウト組をパスして、徐々にポジションを上げてゆく。バイロンがいつの間にかカートを捉え、トップに立っている。10(30)LAP、ラーソンがカートを抜いて2位に。トゥレックス、エリオットのピット組も迫っている。
11(31)LAP、トゥレックスがカートをパスして3位に。エリオットが抜こうとした時に、リッキーステンハウス・ジュニアがクラッシュ、さらにコースアウトし、3回目のコーション。バイロンを先頭にリードラップカーがピットイン。ラーソンとトゥレックスはフェイクでステイアウト。
カート(+1)、エリオット(+1)、バイロン(ー2)、ケセロウスキー、ハムリン(+3)のトップ5。17台がステイアウトし、15(35)LAP、ラーソン、トゥレックスのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、トゥレックス、ロス・チャステイン、ジョーイ・ロガーノ、ボウマンが続く。
19(39)LAP、トゥレックスはステージポイントを捨ててピットイン。ラーソンとロガーノの差は4.7秒。もはや追ってくるものはなく、悠々とトップを走行。注目されるのは、追い上げているピット勢が何処までポジションを上がるかだ。そのままラーソンがステージ2も制し、向かうところ敵なし。
ロガーノ、ボウマン、カート、エリオット、バイロン、カイル、ケセロウスキー、ハムリン、クリストファー・ベルのトップ10。ステンハウスはリペアの甲斐なく、そのままリタイア。37位に終わっている。エリオットは直近のロードコースで5勝だという、優勝を逃したのは、今年のデイトナ/ロードだろう。
リードラップカーがピットイン。ラーソン、ロガーノ、ボウマン、エリック・アルミローラ(+1)、コリー・ラジョイ(ー1)のトップ5。ピットサイクルがズレているため、ステイアウト勢は結構多い。ラーソンはマシン状況が絶好調なのか、コンサバなピットストップだ。
カート、エリオット、バイロン、カイル、ケセロウスキーのトップ5で、45LAP、リスタート。ラーソンは21位の表示になっている。約20台はステイアウトしたわけだ。ラーソンは20LAPを走り切っているから、最低で2ストップ。あとはコーション次第と言うところか。
カートがリード。エリオット、バイロン、カイル、ケセロウスキーが追う。エリオットがカートを捉え、リードチェンジ。51LAP、エリオットがカイルに3.904秒差をつけ、トップをキープ。カートは5.453秒、トゥレックスが6.270秒、ラーソンは6.739秒差のトップ5。
52LAP、ラーソンはカートに次いでトゥレックスも抜いて、3位に浮上。カイルに迫る。53LAP、ラーソンは2位となり、トップのエリオットを追撃。エリオットを捉えるか、その前にピットに入るか、4秒以上のリードはあるが、一気に差を詰められるのは確実。エリオットとしてはコーションが欲しいところだ。
既にアンダーグリーンでのピットサイクルは始まっている。58LAP、ラーソンが遂にエリオットをパスし、リードチェンジ。59LAPには、トゥレックスもエリオットを捉え、2位に浮上。63LAP、エリオットがようやくピットイン。ここまで粘ると燃費レース狙いに思えてくる。
64LAP、トゥレックスもピットイン。コーションがなければエリオットもトゥレックスも最後まで走り切るつもりだろう。正面から勝負してもラーソンには勝てない。そのくらい速さでは群を抜いている。ラーソンがロガーノに17.708秒の大差をつけ依然トップ。カイルは25.574秒、レディックが28.187秒、カートは30.144秒差のトップ5。
ピットサイクルの違いがあり、カイルやカートは確実に1ストップ。後方に下がったトゥレックスとエリオットとは思惑が違う。65LAP、ラーソンがピットへ。残り20周くらいまで引っ張ると思っていたが、意外に早い。ま、どう転んでも逃げ切れるだけのマージンとマシンがあるから、自信があるのだろう。
ポジションを下げたとはいえ、ラーソンは6位。トゥレックスの後ろにいるが、マシンの仕上がりが断然違う。トップのロガーノももう1ストップ必須だ。ラーソンが繰り上がるのは確実。57LAP、カイルがロガーノを抜き、リードチェンジ。粘っていたロガーノもピットイン。
ラーソンは、トゥレックス、ケセロウスキー、カートを一気にパスして、残るはカイルのみ。ラーソンはカイルをあっさり捉え、トップを奪還。ラーソンにコカ・コーラ600と2レース併せて、470周中365周リードのテロップが出る。その直後、71LAP、クイーン・ハフがギアトラブルでマシンをストップ、これが5回目のコーション。
相変わらずだが、観客席でマスクをしている人は殆どいない。ワクチン接種もあるだろうが、共和党支持者の接種率が低く、連邦政府もあの手この手で苦心しているとも聞く。日本なら摂取しても、マスクはしているだろうから、国民性の違いだろうか。リードラップカーが一斉にピットイン。これでピットサイクルはリセットだ。
ラーソン、トゥレックス、エリオット(+2)、カイル(ー1)、カート(ー1)のトップ5。ラーソン、レディック、コリー・ラジョイ、アンソニー・アルフレードの4台がステイアウト。75LAP、ラーソン、レディックのフロントローでリスタート。ロガーノがリード。レディック、ラジョイ、アルフレード、トゥレックスが追う。
76LAP、ラーソンがロガーノを抜いて再びリードチェンジ。トゥレックスはアルフレードが壁になり、エリオットに先行を許す。77LAP、チェステインがラジョイとコンタクト。ラジョイはスピンし、ハーヴィックはチャステインに突っ込みヘビーダメージ。ボウマンは、ハーヴィックにコンタクトしたバイロンに追突するマルチクラッシュで6回目のコーション。
ハーヴィック、バイロンともにピットイン。バイロンはフロントのダメージの方が大きそうで、バイロンはこのままリタイア、35位に終わる。ラーソン、ロガーノ、エリオット、レディックのトップ5で80LAP、ラーソン、ロガーノのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、ロガーノ、エリオット、レディック、トゥレックスが追う。
エリオットがロガーノをパスし、2位に。82LAP、トゥレックスも続く。ジェームス・デイビソンがコースアウトしたものの、コーションは出ず。ラーソンはエリオットに2.503秒の差をつけ、快走。トゥレックス、ロガーノ、カイルが続く。ハムリンはボウマンに追突し、一瞬ボンネットが盛り上がる。混戦でハムリンはあちこちぶつけていて、もう、ボロボロ。
チャステインとカートのガナッシ勢が6-7位。カートはともかく、チャステインはいつの間に這い上がってきたのか。86LAP、ライアン・プリースが単独スピン、コースアウトし、コースに戻ったところ、スモークが上がっていてよく見えなかったのだろう、コディ・ウェアーとクラッシュ!さらにもう一度ぶつかって、ウェアーはタイアバリアにぶつかって、7回目のコーション。ウェアーはダメージが大きく、リタイアとなり、34位に終わる。
88LAP、ラーソン、エリオットのフロントローでリスタート。ラーソン、エリオット、トゥレックス、ロガーノ、カイルのトップ5は変わらなかったが、ボウマン→アルフレード→ベルの玉突きで、わちゃわちゃになったアルフレードがスピン!1台だけ取り残される状態になって、8度目のコーション。
ボウマンや、後ろのブレイニーもフロントがボコボコ。エリック・アルミローラはオーバーヒートでピットイン。アルミローラのマシンも満身創痍。5位のカイルもフロントを痛めてて、無傷な車が珍しいくらい。これでNASCARオーバータイムだ。これで残り2周のスプリントレース開始。
ラーソン、エリオットのフロントローでリスタート。エリオットが果敢に攻めるものの、ラーソンはしっかり自分のラインを守り、付け入る隙を与えず。そのままラーソンが逃げ切って、今シーズン3勝目。通算9勝目を飾り、第13戦のドーバーから、ヘンドリック・モータースポーツは、4戦連続1-2。これは史上最多タイ、1956年以来の記録だとか。
ドーバー(ボウマン、ラーソン、エリオット、バイロン)、オースティン(エリオット、ラーソン)、コカ・コーラ600(ラーソン、エリオット)に次ぐぶっちぎりの強さ。これでラーソンはポイントトップのハムリンに47差。エリオット、バイロンが続き、シーズン勝利でも最多のトゥレックスと並んだ。
コカ・コーラ600との2レースで7連続ステージウィン。プレーオフポイントを貯めまくるだけでなく、レギュラーシーズンチャンピオンも見えてきたって感じ。誰がヘンドリック、ラーソンの連勝を、ステージウィンを止めるかに興味が移りそう。7連続ステージウィンは最多連勝記録でしょうね。コカ・コーラ600をドミネイトしたのカイルだけだし。
エリオット、トゥレックス、ロガーノ、カイル、カート、チャステイン、ハムリン、ボウマン、ブレイニーのトップ10。15位ケセロウスキー、17位チェイス・ブリスコー、19位レディック、20位カスター、22位ハーヴィック、23位ディベネデット、24位ベル、27位アルミローラと言ったところ。
次戦は、箸休めでオールスターレース。予選的な存在であるオープンと併せて、2レースを書くつもり。今回はテキサス・モータースピードウェイでの開催。去年はブリストルで好評だったけども、今年は1レースがダート。来年も開催が決定しているので、テキサスは、ロードのオースティンとオーバル1戦ってことになるんでしょう。
その次は、カップ戦に戻り、初開催のナッシュビルスピードウェイでの「Ally 400」。2001年からエクスフィニティ・シリーズ、キャンピングワールド・トラックシリーズ。かつてはインディカーシリーズも開催。カイルを始め、カップドライバーがエクスフィニティに大挙参戦しそうだw。