ヘンドリック黄金時代の到来?ラーソン、全ステージ制覇(NASCAR第15戦:コカ・コーラ600) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 NASCAR第15戦:シャーロットは、ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モータースピードウェイでの「コカ・コーラ600」。メモリアルデー・ウィークエンドにNASCARの聖地で行われるビッグイベント。1960年にワールド600としてスタートし、1985年からコカ・コーラがスポンサーとなり、名称を変えつつ、今に至る。

 1.5マイル(2.4キロ)を400周を4ステージ(100LAP×4)で600マイル(965.606キロ)を走りぬく、NASCAR最長のレース。最多勝は、ダレル・ウォルトリップの5勝、ジミー・ジョンソンが4勝で続く。現役ドライバーのマルチ・ウィンはケビン・ハーヴィック(2011、13年)とマーティン・トゥレックス・ジュニア(2016、19年)の2人。

 トゥレックスは2016年に392周をリードするという、空前絶後の偉業を達成。ステージ制になった2017年以降には、絶対に抜けない記録ではある。2018年にカイル・ブッシュが4ステージをドミネイト、377周をリードしている。去年はブラッド・ケセロウスキーが制覇。混戦の今シーズン、12人目のウィナーが出て来るかどうか。

 開催当初は5時間半を超えるレースタイムだったが、最近は4時間前後に落ち着いては来ている。が、2019年は4時間50分を超えている。56分のレッドフラッグがあったんだけども。同日に開催されたインディ500では、46歳にして、エリオ・カストロネベスが史上4人目となる4度目の優勝を飾り、スパイダーマンのパフォーマンスを見せた。

 予選が行われ、カイル・ラーソンが9回目のPPを獲得。リッキーステンハウス・ジュニア、チェイス・エリオット、ウィリアム・バイロン、ハーヴィックのトップ5。ピットロードは45マイル、フューエルウィンドウは、60~64LAP。インディ500ほどではないが、スタンドには観客がよく入っている。

 グリーンフラッグ。ラーソンがリード、エリオット、ステンハウス、ハーヴィック、バイロンが続く。37LAP、ラーソンはエリオットに2.288秒、バイロンには3.829秒、ハーヴィックとは9.146秒差をつけて、独走態勢に。46LAP、ロス・チャステインに続き、アレックス・ボウマン、ライアン・ブレイニー、デニー・ハムリンらがピットイン、ハーフウェイ前だが、アンダーグリーンのピットが始まる。

 50LAPにラーソンがピットアウト。ちょうどステージを半分で割ってきた。59LAP、ステイアウトを続けてきたマット・ディベネデットがピットに向かう。トップのアンソニー・アルフレードをあっさりパスし、ラーソンはトップを奪還。81LAP、ラーソンは、エリオットに2.580秒差をつけ、トップをキープ。バイロンが6.232秒、ハーヴィックは11.069秒、オースティン・ディロンが11.532秒差のトップ5。

 96LAP、トップ10で健闘していたダニエル・スアレスが右フロントタイヤのトラブルでアンスケジュールのピットイン。そのままラーソンがステージ1を制し、エリオット、バイロンのヘンドリック・モータースポーツがトップ3を独占。ハーヴィック、ディロン、カイル、トゥレックス、タイラー・レディック、ステンハウス、アレックス・ボウマンのトップ10。

 リードラップカーが一斉にピットイン。ラーソン、エリオット、ハーヴィック(+1)、バイロン(ー1)、カイル(+1)のトップ5。8(108)LAP、ラーソン、エリオットのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、エリオット、ハーヴィック、バイロン、カイルが続く。

 30(130)LAP、激しい3位争いをしていたハーヴィックとバイロン。バイロンが先行し、ヘンドリックの1-2-3。32(132)LAP、エリオットがラーソンを捉え、リードチェンジすると観客席が沸く。さすが人気ナンバーワンドライバーだけのことはある。

 41(141)LAPにカート・ブッシュがエンジントラブルでガレージへ。同一周回で粘っていただけに勿体ない。ヘンドリック3台が、ハーヴィック以下を引き離す。ラーソンの独走となったステージ1とは違い、3台にさほどの差はない。ハンドリック3台は1秒以内、ハーヴィックは4秒以上離れている。

 46(146)LAP、ブラッド・ケセロウスキーがピットイン、トップ10圏外とは言え、仕掛けが早い。49(149)LAP、バイロン、カイル、トゥレックス、ボウマンがピットへ。次の周には、エリオット、ラーソンが並走してピットイン、ウォレスの姿もある。ハーヴィック、ジョーイ・ロガーノ、レディックも。

 53(153)LAP、ステイアウトしているクリストファー・ベルがトップにいるが、ラーソン、バイロン、エリオット、ハーヴィックが続いている。ヘンドリック編隊の無双ぶりは続く。ベルが入り、ラーソンがトップに返り咲く。バイロンとエリオットのピットでのタイム差が表示されていたから、ピット前にラーソンがエリオットを抜き返していたのだろう。

 58(158)LAP、ラーソンがバイロンに0.926秒差をつけ、トップをキープ。エリオットが2.437秒、ハーヴィックは4.009秒、カイルが5.428秒差のトップ5。73(173)LAP、リペアして復帰したカートがまたも白煙。エンジンブローで今度こそリタイアになり、38位でレースを終える。これが2回目のコーション。



 ステージ間コーション以外では、初となる。実況も「ゲームオーバー」なんて言っている。カートには来年以降も現役を続けて欲しいから、是非1勝はして欲しいのだが・・・( ノД`)シクシク…。リードラップカーがラーソンを先頭にピットイン。ボウマン(+7/2)、ハムリン(+9/2)、ロガーノ(+7/2)、ラーソン(-3/4)、ハーヴィック(-1/4)のトップ5。

 エリオット、バイロンは共に4タイヤでポジションを下げているが、逆転して6位、7位。残り周回数が比較的少ないことを考えて2タイヤのギャンブルはありうる選択だと思う。ヘンドリック無双だったレースに変化が起きるか?面白くなってきた。78(178)LAP、ボウマン、ハムリンのフロントローでリスタート。

 ボウマン、ハムリン、ロガーノの2タイヤ勢が3位までを占めるが、ラーソン、カイルがそのすぐ後ろにつく。83(183)LAP、エリオットがハムリンを抜いて、リードチェンジ。ボウマンをパスしたラーソンも迫る。85(185)LAP、ラーソンも続き、ヘンドリック1-2。

 88(188)LAP、ラーソンがエリオットを捉え、再びリードチェンジ。91(191)LAP、カイルがハムリンを捉え、5位に返り咲き、レディックも続く。94(194)LAP、ラーソン、エリオット、ボウマン、バイロンのヘンドリックがトップ4を占めてはいるが、ボウマンは2タイヤ。後続の追撃も激しく、このままでは厳しい。

 96(196)LAP、バイロンがボウマンを捉え、3位に。カイルも続き、レディックも迫っている。ファイナルラップにハーヴィックがボウマンをパスし、結局、ステージ2もラーソンが制し、エリオット、バイロンのヘンドリックが3位までを独占。ここまでは、ステージ1と同じだ。

 カイル、レディック、ハーヴィック、ボウマン、クリス・ブッシャー、ハムリン、ディロンのトップ10。ラーソンの快進撃が続くかは、これから夜になる路面コンディションの変化への対応も重要になる。とにかくここまでは、<ヘンドリック無双>だ。コーションラップの途中でピットロードで全マシンが停まり、セレモニー。

 各マシンに貼られた戦没者の名前がクローズアップされる。リードラップカーが一斉にピットイン。ラーソン、エリオット、バイロン、カイル、ハーヴィック(+1)のトップ5。8(208)LAP、ラーソンとエリオットのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、バイロン、エリオット、ハーヴィック、ボウマンが追う展開。

 ベルが、ブッシャーの後ろでルースになり、ウォールにヒットしたが、ノーコーション。24(224)LAP、ラーソンはバイロンに0.421秒差をつけ、依然トップ。エリオットが0.691秒、カイルは1.996秒、ハーヴィックが2.319秒差のトップ5。28(228)LAP、ボウマンがハーヴィックを抜いて、5位に浮上。

 31(231)LAP、バイロンがラーソンをパスし、リードチェンジ。37(237)LAP、ハーヴィックがピットイン、早すぎるがルースホイールだという。40(240)LAP、バイロンとラーソンの差は1秒を超え、バイロンにステージウィンの可能性も出てきたか?

 45(245)LAP、トゥレックスがピットイン、ステージ3も仕掛けが早い。ロガーノ、ウォレス、ライアン・ブレイニー、ハムリンが続く。カイルも入っているようだ。48(248)LAP、バイロン、エリオットがピットイン。カイルはスモークを上げてピットロードへ。スピードオーバーのペナルティは免れたようだ。

 アンソニー・アルフレードがステイアウトしてリーダーだが、ラーソンがリーダーに返り咲いている。ピットがいつだったか分からないが、アンダーカットしたのだろうか?ラーソン、バイロン、カイル、エリオット、ボウマンのトップ5。ラーソンは(ドライバー/24.2秒、クルー/12.2秒)バイロンが(ドライバー/26.0秒、クルー/13.0秒)。

 トータルで36.4秒と39.0秒。共にラーソンがバイロンを上回り、ピットで逆転!ラーソンは4タイヤチェンジをしたドライバーの中でも、ピットストップは最速で、263周中196周をリード。77(277)LAP、ラーソンとバイロンの差は、1.810秒。カイルが4.482秒、エリオットは6.560秒、ボウマンが9.645秒差のトップ5。

 6位にいたハーヴィックは、ハムリン、レディックにパスされ、後退。早めのタイヤ交換で厳しくなっているようだ。トップ5のうち、ヘンドリックが4台を占め、3位にいるカイルもラーソン、バイロンに迫るのは難しい。日が落ちても、ラーソン&ヘンドリックの好調ぶりは変わらない。

 85(285)LAP、ラーソンはこのレースで217LAPをリード。そして今シーズンでは、全ドライバートップの995LAPリードであるという。リードラップが多くてなかなか勝てなかったところは、2014年のチャンピオンシーズンだったハーヴィックによく似ている(レギュラーシーズン2勝、チェイス3勝)。

 トラフィックに詰まったラーソンがバイロンにすぐ背後まで迫られる場面もあったが、その後、引き離す。96(296)LAP、ライアン・ニューマンがウォールにクラッシュし、4回目のコーション。リプレイを見る限り、原因はタイヤだろう。そのままコーションチェッカーとなり、ラーソンの3ステージ連続の勝利が決まった。



 バイロン、カイル、エリオット、ボウマン、レディック、ハムリン、ディロン、ウォレス、ハーヴィックのトップ10。リードラップカーが一斉にピットイン。ラーソン、カイル(+1)、バイロン(ー1)、エリオット、ボウマンのトップ5。307LAP、ラーソンとカイルのフロントローでリスタート。

 ラーソンがリード。エリオット、バイロン、カイル、ボウマンが追う。321LAP、ステージ3では、11位だったロガーノが緊急ピットイン。実況が何も言わないので原因は分からないが、ルースホイールだろう。1周遅れの21位まで陥落してしまう。

 331LAP、ラーソンとエリオットの差は、1.495秒、バイロンが2.407秒、カイルは3.011秒、ボウマンは3.658秒のトップ5。正直、ラーソンとヘンドリック勢が強すぎ、コーションも少ないので、何も書きことがないのだ。234LAP、クリーン・ハフとサイドバイサイドのバトルをしていたバイロンをカイルが一気にすり抜け、3位を奪還。

 カイルはエリオットを捉え、2位となる。マシンから火花を飛ばしながら、タイヤをカットした12位のトゥレックスが緊急ピットイン。334LAPで表示が止まっているのか、周回数が分からなくなる(zura sports)。4位のバイロン、ハムリンがピットに入る。カイル、エリオット、ボウマンも追随。この時点で周回表示が消える。この辺気付かず、燃費レースか2ストップと思ったくらい(※334LAP以降・・・の記述を訂正しました)。

 ラーソンも入ったようで、後続の3台が激しい2位争いを展開。結局、エリオット、バイロン、カイルの順に収まる。353LAP、ラーソンとエリオットの差は2.669秒になり、安泰。問題はもう1ストップあるかだ。372LAP、せっかく自力でラップバックしたロガーノをラーソンは非情にも再びラップダウンに。

 カップ戦で通算268勝で並んでいるヘンドリックとペティ・エンタープライゼスの比較。デイトナ500の勝利は8と9で拮抗、チャンピオンは13と10でヘンドリックに軍配が上がる。デイトナ500は、リチャード・ペティ(7回)とリー・ペティ(1回)、チャンピオンは7回と3回だ。通算勝利数(54勝+200勝)を含め、その殆どをペティ親子が稼いでいることになる。

 ヘンドリックはジェフ・ゴードン(93勝)とジミー・ジョンソン(83勝)が大半を占める。リチャード・ペティの全盛期は、60年代前半から70年代末、ゴードンとジョンソンの時代は最近の四半世紀。1990年代半ばから、一気にヘンドリックは、NASCARの頂点に駆け上がってきた。

 379LAP、ラーソンのリードは4.430秒に広がり、コーションが出なければ、ラーソンの勝利は決定的。レディックがバランスを崩し、ブッシャーに捉えられ、9位にドロップ。387LAP、その直前に離されていたバイロンが、エリオットがウォールにブラッシュする場面があり、急接近。

 この2人がバトルをしている間にカイルが一気に差を詰め、三つ巴に。バイロンがバランスを崩してしまい、392LAP、カイルが3位に浮上。とは言え、ラーソンは6秒以上先を行き、独走態勢。そんな中、コカ・コーラ600での過去の最多リードラップのランキングが出てくる。

 トゥレックス/392(2016)、カイル/377(2018)、ジム・パスカル(1926~2004、カップ戦25勝/335(1967)、ジョンソン/334(2004)。そしてラーソンが320(現在進行形)。残り周回数から見て、トップ5以上に行くのは不可能にしても、歴史的な記録になるのは確実。

 396LAP、抜き返したバイロンを再度カイルがパス。そのままラーソンがエリオット以下を寄せ付けず、全ステージ制覇。今シーズン2勝目、通算8勝目、リードラップ328と言う記録的勝利をヘンドリック・モータースポーツの最多勝269に花を添えた。

 エリオット、カイル、バイロン、ボウマン、ディロン、ハムリン、ブッシャー、レディック、ハーヴィックのトップ10。11位ケセロウスキー、13位ブレイニー、17位ロガーノ、18位マット・ディベネデット、21位コール・カスター、22位エリック・アルミローラ、23位チェイス・ブリスコー、24位ベル、29位トゥレックス、37位ロス・チャステイン、38位カートと続いた。

 ヘンドリックがトップ5のうち、4台が入り、ラーソンが圧倒的強さで勝ったということは、ヘンドリック自身の力が大幅に底上げされていること、勝利数ではトゥレックス、シリーズポイントではハムリンに及ばないものの、内容では、ラーソンが他のドライバーを圧倒していて、勝てたレースが複数あった。

 ポイントでもラーソン、バイロン、エリオットが2位から4位までを占め、ボウマンこそ12位なものの、2勝を挙げ、4人全員がプレーオフに進出することは確実。2マイルに強かったラーソンがロード、ショートオーバル、1.5マイルで強いということは、チャンピオンの可能性が高くなってきたと言えそうだ。