三つ巴で迎えた最終戦、2戦を残して17ポイント差を付けられていたライコネンが優勝。ハミルトン、アロンソにわずか1ポイント差の大逆転で年間チャンピオンを獲得するという劇的な幕切れとなった。
年間を通して、チャンピオン争いをリードし続けたハミルトンは、アロンソとの競り合いでコースアウト。大きく順位を落として、予想外の7位に沈み、九分九厘手にしていたタイトルを逃してしまった。
予選のポジションを確実に守れば、タイトルを取ることは確実だっただけに、いくら驚異と言えども、新人もプレッシャーに押し潰されてしまったということなのだろう。
マッサ、ライコネン、アロンソのフィニッシュであれば、アロンソがタイトルを獲得したことになるのだけれども、マッサのピットインが“チームオーダー”であったか否かは、意見が分かれるところだろうけれども、2人がタイトルを争ったマクラーレンとライコネン1人というフェラーリの違いは確かにあったと思う。
ただ、マシンの信頼性で上回ったマクラーレンに対して、勝てるレースを確実にものにしてきたライコネンの走りがシーズンを通して光っていたのは確か。
トラブルによる2度のリタイアを、ハミルトン、アロンソの4勝に対して、6勝を挙げて、見事にリカバリー。最後の最後でタイトルを奪ってみせたライコネンは、2007年のチャンピオンに相応しかったんじゃないだろうか。
2003年にシューマッハ、2005年にアロンソと争い、遂に3度目の正直でタイトルを獲得したライコネン。レース後のフェラーリチームの盛り上がりを見るにつけ、最高の幕切れだったじゃないかと思った次第。
そのライコネンが、来年F1に帰ってくる。やはり鍵はモチベーション。進化し続けるベッテル、どんな状況でも勝てるチャンピオンドライバー、アロンソ。そして、バトンやハミルトン、シーズン終盤に光る走りを見せたシューマッハ。5人のチャンピオンドライバーと比較されるライコネンは、中堅のロータスでどんな走りを見せてくれるだろう?