ここまでフェラーリとマクラーレンが表彰台を独占。ただ、BMWザウバーも、2強の隙を突けば、表彰台に上る力を十分に持っている。予選では、ハミルトンがPP、アロンソが続き、ドライバーズポイントでトップに並ぶマクラーレンの2人がフロントロー。
それにしても、波乱のレースだった。セーフティーカーが4度も入り、あのアロンソが3度もコースアウトに加えて、10秒のストップ&ゴーペナルティー。後方からの追い上げで、タイヤを酷使して、佐藤琢磨選手にも抜かれて、7位に沈み、ポイント確保がやっと。
逆に言えば、琢磨選手の6位3ポイントは、スーパーアグリにとってはとてつもなく大きな成果。3年連続王者を目指し、ランキングトップを行くアロンソをオーバーテイクするシーンには、日本のF1ファンも歓喜。
アロンソがスーパーソフトを酷使していたとは言え、これはまさに快挙。一方のアロンソにとっては、踏んだり蹴ったりのレースに、さらにおまけがついたようなもの。
レースは、ハミルトンがハイドフェルドに4秒差をつけて優勝。ミスを重ねたアロンソとは対照的に、一貫して安定した走りで混乱のレースを走りきった。
これでハミルトンは48ポイントとなり、アロンソに8ポイント差をつけて再びランキングトップに返り咲いた。3位のマッサは黒旗失格、4位のライコネンは、何とか5位フィニッシュで27ポイントにしたものの、レース展開によっては、6位になってもおかしくない状況で、ピットストップでも、アロンソの先行を許すなど、精彩を欠いた。
ここに来て、2強もマクラーレンがフェラーリを圧倒する場面が増え、友好的だったハミルトンとアロンソの関係も徐々に微妙になっていく。
ジョイント・ナンバーワン体制のマクラーレンの宿命だろうか。