2007年開幕戦、メルボルン。“皇帝”シューマッハが引退し、フェラーリのシートには、ライコネンが座り、ライバルのマクラーレンはチーム体制を一新。ライコネンに代わって、ルノーで2年連続チャンピオンのアロンソが移籍。そのチームメイトに、F1デヴューしたばかりのルイス・ハミルトンが抜擢された。
当時は、シューマッハもアロンソもあまり好きではなかったから、僕はライコネンに肩入れ。ハミルトンに関する興味と言えば、「史上初の黒人ドライバー」ということへの関心がメイン。「いくら速いと言っても、デヴューでマクラーレンは恵まれすぎだろ。そこそこ活躍するにしても、セカンドドライバー止まりだろう」と思っていた。
レースは、PPからライコネンが独走して、そのまま優勝。
2位にアロンソ、ハミルトンは3位表彰台。デヴューで表彰台は凄いとは思ったものの、その後確実に表彰台を積み重ね、最終戦までランキングトップを快走して、事実上、アロンソを凌ぐ活躍を見せるなどとは当時は思いもしなかった。
つまり、デヴューイヤーで、チャンピオンを争えるマシンを与えられた96年のビルヌーヴにハミルトンを重ねていたのだ。
ハミルトンは、翌年にチャンピオンを獲得するものの、2008年の主役は、僕から見れば、マッサ。今でもベストシーズンは、2007年だと思っている。
“ハミルトンは、バトンを見くびっていた”とチーム関係者が語っていたという記事を目にしたけれども、2009年のチャンピオンとして、マクラーレンに移籍したバトンがハミルトンに勝てると思ったファンは少なかったと思う。
ベストのマシンでなくても優勝できるドライバーとして、ベッテル、アロンソと共に評価の高いハミルトン。僕はそこにバトンを加えたいけれども、ようやくアブダビで3勝目を勝ち取ったことで、復活の狼煙を上げたのかどうか。
2012年は、この4人でチャンピオン争いをしてほしい。円熟さと強さを兼ねたアロンソとバトン。まだまだ伸びるベッテル。26歳のハミルトンに伸びしろがないとは思えない。2012年に期待してるぜ、ハミルトン!まだ、ブラジルがあるけど。