フェラーリのシューマッハとルノーのアロンソが激しくタイトルを争った2006年。引退を目前にして、アメリカ、フランス、ドイツと3連勝して、先行するアロンソも猛烈に追い上げるシューマッハ。
予選は、アロンソ、シューマッハともペナルティを受け、15位、12位に沈む。PPは、マクラーレンのライコネン、2位はフェラーリのマッサ、3位にホンダのバリチェロが入り、チームメイトのバトンは、4位につけたものの、予選前のエンジン交換で14位に降格。
路面は完全なウエット状態、タイヤの選択が勝負を分けた。2位に浮上したバリチェロが、5周目で浅溝タイヤに根幹のためピットインして9位に後退したもののリカバリー。バトンも順調に順位を上げていく。
ともに上位を走るホンダ勢。26周目にライコネンがクラッシュ、セーフティカーが導入される。
雨はほぼ止み、路面は急速に乾いていく。トップを走るアロンソを追うバトン。2回目のピットストップ。ドライタイヤに履き替えたアロンソの戦略が完全に失敗。マシンをコントロールできないまま、コースアウト。
よもやのアロンソのリタイアで、トップに浮上したバトンがそのままトップでチェッカー。“雨のバトン”のドライバーとしての能力と、ホンダの戦略が見事に的中して、見事な初優勝。
ワークスのホンダチームとしては、1967年イタリアGPでのジョン・サーティース以来、39年ぶりの優勝(ホンダ・エンジンとしては、1992年オーストラリアGPのゲルハルト・ベルガー以来14年ぶり)の快挙となった。
バリチェロも4位入賞。ポディウムに流れる君が代が感動的だ。