“ハイドフェルド・ネタ”をもう一つ。今年のマレーシアGPで、名誉とも不名誉とも取れるある記録を更新している。それが“未勝利最多表彰台記録”・・・この3位表彰台が、ステファン・ヨハンソンの「12」を抜く新記録だそうだ。
数多く表彰台に上がるものの、頂点には立てない。「勝てるべき時に勝てない」というのは、そのチャンスをものに出来なかったという面もあるし、表彰台に上がれるだけの運と実力があったとも言える。
ハイドフェルドにせよ、ヨハンソンにせよ、それなりの戦闘力のあるチームで戦うことが出来た。ただ、そこからチャンスをものに出来なかった。ハイドフェルドのウィリアムズBMWのパートナーであるウェバーは苦労した末、レットブルにステップアップし、それ以降の活躍は周知の通り。
勝てそうで勝てなかったドライバーには、63年~76年までF1に参戦し続けたクリス・エイモン(PP5回、FL3回、トップ走行183周)というドライバーもいたが、僕の記憶に新しいのは、80年代を中心に活躍したアンドレア・デ・チェザリスだ。
出走208戦、表彰台5回で優勝ゼロ。確かにリタイアの多い選手ではあったけれども、速かった。91年のベルギーGPでは、トップ走行のセナの背後に迫るという千載一遇のチャンスがあったことは、僕にとっては鮮明な記憶。あのエンジンブローがなかったら・・・
逆に表彰台が2回と少ないにもかかわらず、シューマッハの代役で参戦。チャンピオン争いをするアーバインに対するチームオーダーで優勝を逃したミカ・サロ(1999年、ドイツGP)は、完全に自ら優勝を手放したケース。
立場上、仕方のないことではあったとは言え、フェラーリ・ナンバー2の悲哀を感じずにはいられない。
まだ3回の表彰台とは言え、2016年までの長期契約が噂されるニコ・ロズベルグも、“候補”の一人かも?そんな懸念を払拭して、シルバーアローのマシンで、ぜひ頂点に立って欲しい。