日本の五輪の歴史(7) | 俳句の里だより2

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夏季大会(7)

 

ここでは日本の五輪(夏季、冬季)参加の歴史を紹介しており、まずは夏季大会の歴史について、前回に続き紹介する。前回は、1988年の第24回ソウル大会(韓国)と1992年の第25回バルセロナ大会(スペイン)について紹介したが、今回は1996年の第26回アトランタ大会(米国)と2000年の第27回シドニー大会(オーストラリア)について紹介する。

 

〇1996年の第26回アトランタ大会には、日本から310人の選手(男子160人、女子150人)が、陸上、水泳(競泳、飛込、シンクロ)、サッカー、テニス、ボート、ボクシング、バレーボール(バレーボール、ビーチバレー)、体操(体操、新体操)、バスケットボール、レスリング、セーリング、ウェイトリフティング、自転車競技、卓球、馬術、フェンシング、柔道、バドミントン、ソフトボール、射撃(ライフル、クレー)、カヌー、アーチェリー、野球の23種目に参加し、日本のメダル総計は金3、銀6、銅5の計14個だった(金メダル数、総メダル数は世界10位以下)。なお、ビーチバレーとソフトボールが正式競技として採用された。

 

金メダルは、柔道(男子60Kg級)の野村忠宏、同(男子71Kg級)の中村兼三、同(女子61Kg級)の恵本裕子(すべて柔道の3個)である。また、銀メダルは、柔道(男子65Kg級)の中村行成、同(男子78Kg級)の古賀稔彦、同(女子48Kg級)の田村亮子、同(女子72Kg級)の田辺陽子、セーリング(女子470級)の重由美子・木下アリーシア、野球(大久保秀昭ら20人)の計6個、銅メダルは、陸上(女子マラソン)の有森裕子、水泳(シンクロチーム;立花美哉ら10人)、レスリング(フリー・74Kg級)の太田拓弥、柔道(女子52Kg級)の菅原教子、自転車(男子1000mタイムトライアル)の十文字貴信の計5個である。

 

今回のアトランタ大会では、柔道は男女合わせて金3、銀4、銅1(計8個のメダル)と頑張ったが、それでもこれまでの実績から見ればまだ物足りない。お家芸としていた体操はついにメダルゼロに終わり、レスリングも銅メダル1個と前回に続き不振だった。同様に男女のバレーボールもメダルを逃したが、陸上では有森裕子が女子マラソンで前回の銀メダルに続き銅メダルを獲得した。インタビューで有森は「自分で自分をほめてあげたい」と話し流行語となった。また、サッカーには男子チーム(中田英寿ら)、女子チーム(澤穂希ら)が出たが、いずれも予選敗退した。ただ、男子は予選リーグで強豪のブラジルとハンガリーを破ったがナイジェリア(後に優勝し金メダルを獲得)に敗れ、得失点差で決勝トーナメントには進めなかった。ブラジルを破ったことは世界の驚きとなり「マイアミの奇跡」と呼ばれた。

 

〇2000年の第27回シドニー大会には、日本から268人の選手(男子158人、女子110人)が、陸上、水泳(競泳、飛込、シンクロ)、サッカー、テニス、ボート、ボクシング、バレーボール(ビーチボールのみ)、体操(体操、新体操、トランポリン)、レスリング、セーリング、ウェイトリフティング、自転車競技、卓球、馬術、フェンシング、柔道、バドミントン、ソフトボール、射撃(ライフル、クレー)、カヌー、アーチェリー、野球、トライアスロン、テコンドーの24種目に参加し、日本のメダル総計は金5、銀8、銅5の計18個だった(金メダル数、総メダル数ともに世界10位以下)。なお、本大会からトライアスロンが正式競技として採用された。

 

金メダルは、陸上(女子マラソン)の高橋尚子、柔道(男子60Kg級)の野村忠宏、同(男子81Kg級)の瀧本誠、同(男子100Kg級)の井上康生、同(女子48Kg級)の田村亮子(計5個;陸上1個、柔道4個)である。また、銀メダルは、競泳(女子100m背泳ぎ)の中村真衣、同(女子400m個人メドレー)の田島寧子、水泳(シンクロ)の立花美哉・武田美保(デュエット)、チーム(立花美哉ら9人)、レスリング(男子グレコ・69Kg級)の永田克彦、柔道(男子100Kg超級)の篠原信一、同(女子52Kg級)の楢崎教子、ソフトボール(女子;宇津木麗華ら15人)の計8個、銅メダルは、競泳(女子200m背泳ぎ)の中尾美樹、同(女子400mメドレーリレー)の田中雅美ら4人、柔道(女子57Kg級)の日下部基栄、同(女子78Kg超級)の山下まゆみ、テコンドー(女子67Kg級)の岡本依子の計5個である。

 

本バルセロナ大会では、女子マラソンで高橋尚子が日本陸上界64年ぶり、女子としては史上初の金メダルを獲得したが、それ以外にメダルは獲得できなかった。柔道では過去2大会続けて銀メダルだった田村亮子が3度目の挑戦で初の金メダルを獲得し、野村忠宏は前回に続き2連覇した。競泳は、銀メダル2個、銅メダル2個といずれも女子が獲得した。体操は前回大会に続いてメダルがゼロと不振が続き、レスリングも銀メダル1個のみだった。また、ソフトボール女子が銀メダルを、テコンドーでも女子が銅メダルを、それぞれ初めて獲得、女性の活躍が目立った。