品格さまざま(57) | 俳句の里だより2

俳句の里だより2

俳句の里に生まれ育った正岡子規と水野広徳を愛する私のひとりごと

国会議員の品格(10)

 

前日に続いての「国会議員の品格」であり、今回で10回目となった。今回もまた前回同様に自民党議員の品格について取り上げることとなったが、前回は自民党の「裏金議員」であり、今回は旧統一教会と関りを持つ盛山現文科大臣についてである。我々国民の関心というか、政治に対する重要さ、自民党の存亡から言えば、当然ながら前者の「裏金議員」問題であるが、後者についても、旧統一教会に関りを持つ人物が旧統一教会の解散に対する最高責任者(文科大臣)として適任かどうかという点で、やはり重要である。まずは、前者について少しばかり振り返ってみることとする。

 

現国会で最も話題になっている自民党議員による「政治とカネ問題」、言い換えれば「裏金問題」であり、特に最大派閥である安倍派(清和会)や二階派(志師会)などによる巨額の裏金づくり(政治資金規正法違反)は、全く酷いものである。国会議員(自民党議員)の品格の悪さ、品格の無さを象徴した出来事と言える。東京地検特捜部はなぜか「証拠不十分」として彼ら幹部全員を不起訴処分にしたが、検察(東京地検)が頼りないので、今度は検察審査会で起訴処分にするとともに、脱税疑惑も非常に濃厚であり、東京国税庁と協力してこちらの容疑で立件し、起訴するように願っている。

 

また、彼ら「裏金問題」に関わった品格に欠けた自民党の「裏金議員」は、今「政治資金収支報告書」の修正を行っているが、これがまた目に余る酷さであり、目的、日付、金額、支出総額などを「不明」と記載して総務省に提出したとのことだ。当然ながら、すべて領収書があるはずなので、問題無ければ正確に記載できるが、そうすると問題ありがバレるので隠匿するために「不明」として提出したのが見え見えである。こんなものを提出した議員も酷いが、それを受け取った総務大臣もそれに輪をかけて酷い。提出議員とグルになって「裏金」を隠匿し、証拠隠滅をしようとしているのである。先に述べた「脱税疑惑」が発覚するのを恐れているとしか思えないが、それにしても国会議員として失格であり、こんな議員は早く処分(追放)しなければならない。

 

さらに、自民党の二階元幹事長が、在任期間の約5年間で50億円の政策活動費を受け取り、野党が野党からその使途や残高など脱税ではないか、二階氏には確認したのかなどを追及すると、岸田首相は「法令に従って適切に使用されているものと認識している」と答えるだけで、直接二階氏に確認することなくひたすら擁護するのみで居直るだけだった。1日当たり約120万円を毎日寝食を惜しんで政策のために使用しなければならないが、到底不可能であり脱税していることは明白だ。二階氏はこれに関して何の説明もせず国民を愚弄し続けているが、それを擁護する岸田氏も輪にかけて国民をバカにしている。

 

そして、今日の国会でも明らかになったが、今度は「裏金疑惑」で昨年末に辞任した松野前官房長官が、辞任直前の昨年12月1日から辞任した14日までの間に、使途が公表されない内閣官房報償費(機密費)を4660万円支出したのである。何の目的で支出したのか、もちろん松野氏は何の説明もせず、これだけの金額を自分の懐に入れたのである。二階氏と言い、松野氏と言い、まさに「カネの亡者」「守銭奴」であり、自民党はこのような集団と言える。いつの間にか我々国民の税金、それも巨額の金をパクるのは、もはや泥棒と言ってもよい。しかも、野党の追及に対して、林現官房長官は「そうした事実はない」と擁護したが、岸田氏同様に自民党全体がグルになって好き勝手に国民の税金をパクっているのである。

 

「裏金」あるいは「闇金」の話が長くなったが、次に盛山文科大臣の品格について述べることとする。「朝日新聞」は、2021年の衆議院選挙の際、盛山氏が旧統一教会の関連団体から推薦状を受け取り、教団側との事実上の政策協定にあたる「推薦確認書」に署名し、選挙の支援を受けていたと写真入りで報じられた。

 

それを国会で野党に追及され、盛山氏は推薦状を受け取ったかどうかについて「報道があるまでは正直覚えていなかった。しかし、写真を見てこういうことはあったのかなとうすうす思い出した」と述べ、「推薦確認書」への署名については「十分に内容をよく読むことなくサインしたのかもしれない。軽率だった」と述べた。そして、野党は盛山氏に対して、辞任すべきと強く迫ったが、盛山氏は「旧統一教会に解散命令は私が出した」「私自身、いずれにしても教団との関係を断っており、引き続き、解散命令請求の対応などに取り組むとともに、しっかりと説明を尽くしていきたい」と述べ、辞任しないことを強調した。岸田首相もまた「過去の関係にかかわらず、現在は当該団体との関係を一切有していないことを前提として任命している」と述べ、盛山氏の更迭を拒否した。

 

盛山氏が「推薦確認書」にサインしたことは、旧統一教会との政策協定を結んだことであるが、野党の追及にこれを盛山氏が一方的に破棄したと述べたため、旧統一教会が憤慨し、教団側幹部が「盛山大臣と10回以上会い、ハグまでしてきた」と暴露した。これに対して、盛山氏は「私は昭和20年代の最後のほうの生まれで、私の年代でハグをすることは、まずふつうはありえない」と述べた。

 

ともかくも、盛山氏の答弁を聞いていると、これまでの自民党議員(首相、閣僚)などと全く同じように、自分に都合の悪い質問に対しては「記憶がない」「覚えていない」「知らぬ存ぜぬ」などと一時的に「認知症」人間になったり、「虚偽答弁」により質問者や国民を愚弄し、時間稼ぎをして何とか耐え忍び、そのうち人々の記憶が去るのを待つ戦術を駆使するのである。写真という証拠があっても、それはフェイクではないかなど疑ったり、さらに虚偽答弁を重ねて質問者を愚弄し無視し続ける。何とももはやその品格というか、手に負えない程さである。こんな人間が図々しくも国会議員として居座っているのが恐ろしい。国会議員失格以上に人間失格である。

 

野党からは、「盛山文部科学大臣のここまでの答弁と対応を見ると辞任や更迭は必至だ。旧統一教会との関係で、岸田総理大臣にこれまでのつきあいを正直に申告せず、ウソの申告をしていた。また、国会答弁では言い逃れの連続であり、文部科学大臣として利益相反になる。この3つでスリーアウトになり、これ以上、大臣を務めてもらうわけにはいかず、辞任すべきだ」、「とんでもないことだ。国と教団側双方から意見を聞く『審問』の直前に、宗教法人法の所管大臣が政策協定にサインをしたことを覚えていないと言っている。政策協定を結んだことすら忘れるような政治家は国民との約束もすぐ忘れるのではないか。盛山大臣は自分から辞めたほうがいい」と批判し、辞任を要求した。

 

いずれにしても、こんな人間が文部科学大臣で旧統一教会の解散問題の総責任者であることは大問題であり、そもそも議員が務まるとはとても思えない。また、こんな議員を擁護し更迭しない岸田首相もまた大問題であり、同様にその職は務まらず辞職すべきである。岸田内閣全体も問題だが、それ以上に自民党全体が問題であることは言うまでもない。