やよい来る 梅の香まといて 雀舞う | 自由俳句 「風薫」(ふうくん)

自由俳句 「風薫」(ふうくん)

宇都宮で自由俳句の会「風薫」を主宰している陽子です。自由な感覚で俳句を詠み合う句会を月に1回開催しています。俳句集もすでに10集集目を刊行しております。

3月15日、春の句会を開催しました。つぶあんのおいしい桜餅をいただき春の味を感じました。


■ 大倉 美和

朝東風の運びし水面ダイヤ生む

外の子に遅れとりてもクロッカス

ふきのとう まだ小さきて手引っこめる

ブルゾンを忘れて帰る長閑さや


■ 高山 昌子

主留守 鴨も川原で高笑い

犬を連れ 一人夢見し雪明かり

オレンジの優しさ香る友の菓子

東風吹きて 髪乱れおり心地よき


■ 田代 由美子

初手水 背すじ伸びたり雪中花

凍てつく雪に雀舞い降り春立ちぬ

足休め梅の香放つ八分咲き


■ 刈谷 吉見

311 七味の期限切れてをり

311 トースト二枚や苺ジャム

311 カートン買いに迷いけり

憧れしザ・ガードマンも春の星

寒さ越え顔はウズラに似ていたり

雪電線 槍の如くに舞いや飛び


■ 金子 泰夫(メール投稿)

大雪の広場に子らの声はずむ

雪道に豆腐を買ってさくさくと

大雪に小さき頃の夢を見る

大雪に募る想いも溶けきらず

雪かきを終えて見上げる青い空

昼ビール雪のまぶしさ心地良し

雪道に合格祈り送る朝

胸キュンにやっと会えるね神谷BAR


■ 福冨 陽子

受かり咲く 子ら満面に花 虫動く

ほたて寿司 夢にてたらふく喰い目覚む

あけぼのの列車は蒼し 卒業の儀

温かき名を誌に見て 土を掘る

別れゆく 雑荷は多くも肩軽し

会うや去るや 蝶もまた 会うや去るや