本日のMy 俳句[ 流れゆく変化嫌ふて葛の花 ] | 俳句でDiary ─ できるかな?

俳句でDiary ─ できるかな?

私の俳句 萌え萌え日記

台風の後にぶり返した酷暑もようやく落ち着いて、めっきりと秋らしくなってきましたね。

近頃では春と秋の季節が短くなってしまったようで物足りない思いがするのですが、こうした「暑くも

なければ寒くもない」という穏やかな季節をもっとじっくりと楽しみたいのですが───


   

 

 

こんにちは、本日の季語は「葛の花」(くずのはな)・・・の季語です。植物の葛の、秋に咲く花の事

ですが、別枠で「」も秋の季語になっています。葛の花は以前の記事でも少し触れましたが、秋の

七草のひとつですね。↓秋の七草についてはこちらの記事の後半に・・・

※2019.09.08 朝顔  ( ^ー゜)σ     朝顔の張り詰めたるはパラシュート

 

 

8月の終り頃から約17~8センチの花序を出し蝶形の赤紫色の花を下からびっしりと咲かせます。

なかなか可愛くてゴージャスな印象もあるのですが、葉の裏側になってちょっと見難いかもしれません

けれども私はこの葛の花が大好き。

 

   


今ではもう”雑草”扱いで有難味もなく見向きもされない様なところはあるけれども・・・

季節感が薄れた今の世であっても、この花が咲き始めると、ああもう秋が来たんだなあ。。。と感じさ


せてくれるんだよね。それはもう忠実に敏感に季節の移り変わりをキャッチして───

 

 

それによく見ればこのコはなかなかの美人さんだし、山上憶良の時代から日本の秋の野を彩って

 

来てくれたと思えば、様々なカラフルな花が溢れる21世紀の現代であっても変わらぬ良さを今に伝え

 

ているんだなあ、と思ったりもします。

 

   

 

人間の暮らし方、生活上の様々なことは時代とともに目まぐるしく移り変わるけれども・・・

 

 

葛は・ ・・

 

 

葛はマメ科の大型ツル性多年草で、日本中いたる所で自生している植物で和名は「くずかずら」

よほどの街中でない限り、あなたも目にされることは多いと思うのですが、伸ばした茎は10メートル

以上にもなり縦横無尽に伸びて地を這いながら成長していきます。樹や電柱などにからみつき伸び

ていくことも多い。とにかく繁殖力が旺盛なんですよね。こうやって歩道橋の脚をつたって上に・・・

 

   


私の居住エリアでは、風土の関係もあるのでしょうが、外来種のセイタカアワダチソウを凌駕して、

一番旺盛に生きている植物でもあります。この辺りは堤防の護岸なのですが、もう一面の葛です。

 

   

 

いやいや、もうちょっと遠慮したら?と言いたくなるほどの生命力ですワ(笑)

 

   

 

有用植物としての葛

 

 

また、古来より葛の根はくず粉に、丈夫な茎は様々な細工物や行李(こうり)などにも編まれる有用

 

植物でもありました。しかし最も注目されるのはその薬効成分でしょう。紀元前1世紀頃の中国の

 

薬物書に既に紹介されているほどなんですよね。しかし、食材としての葛は登場しません。

 

   

 

 

漢方で有名な「葛根湯」(かっこんとう)は、文字通り「葛根(かっこん)」が処方されていることは

よく知られていますよね。葛根湯のみならず他の様々な漢方薬にもブレンドされているようです。

 

    

 

 

世界的にも葛の根の薬効成分(イソフラボン等)は利用されても食用デンプンとして愛されたのは

 

日本ぐらいではないでしょうか?葛を食材として用いた記録は平安時代に「黒葛」という名前で

 

登場しますが、この黒葛はたぶん精製されていない葛デンプンだったからでしょう。

 

 

      

 

やがて鎌倉時代には葛料理の記述も見受けられるようになり、今のように真っ白に精製する技術

 

が確立されたのは江戸時代ぐらいから…。子ども時代、私が風邪をひくと母が葛湯を作ってくれた

 

けれど、葛切りは黒砂糖のシロップで冷やして食べると夏のデザートとして美味しいよね♪



   
 

また、ぷるるん・つるりん♪としたくず饅頭も涼しげで美味なる夏の和菓子です。

 

   

 

 

 

葛の葉伝説~うらみくずのは~清明伝説のひとつとして

 

 

さて、葛の葉っぱは大き目ですが裏はかなり白っぽいのね。そうして、薄くヒラヒラと風になびき、

その白さが遠目にもとても目立つことから、葉の裏を見る「裏見葛の葉」(うらみ くずのは)と称し

和歌では「恨み」(うらみ)に掛けて詠まれて来ました。

 

   

   【画像引用:http://bunkatorekisi.blog21.fc2.com/

 

 

平安時代に時の権力者・藤原道長に重用され活躍した陰陽師である安倍清明のことはあなたも

 

よくご存知だと思いますが、我が国有数の呪術師として名高いですよね。

 

   

 

フィギュアスケートの羽生結絃選手が清明をテーマとしたプログラム「SEIMEI」を演技して

 

会場を沸かせたのは私もよく覚えています。

 

   


今日はことさら安倍清明のお話をする予定ではないのだけど───

 


  安倍清明公は、実在の人物であるが、化生の者であるという伝説がある。

  『簠蓋抄』によると、清明公の母親は、和泉国信太(いずみのくに しのだ)の

  森の狐である。母は、清明公が幼い頃、狐の姿を見られたために、和歌を遺して

  行方をくらましてしまう。後、清明公は信太の森を訪れて、母と再会する。

 

                        引用:https://www.seimeijinja.jp/anecdotal_story/

 

 

↑上記は清明神社様よりの引き写しです。このエピソードについては江戸時代以降、歌舞伎や

 

文楽など、さまざまな芸能に取り入れられていますね。

 

   

   【画像引用:http://4bai4bai.blog.fc2.com/page-2.html

 

今なお語り継がれていますが、この母親が別れのときに詠んだとされている歌が───

 

   恋しくば尋ね来てみよ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉

 

   

    【画像引用:https://satomachi-izumi.com/events/

 

 

不思議な物語であると同時に、我が子と別れる切ない母の物語でもあるな・・・。

 

民俗学的にいう「異類婚」のひとつとしても知られていますが、こうした伝説は、この世のものとは

思えぬほどの清明の術の凄さに対して生まれたのでしょうね。
 


   
 

パパは人間だけどママは狐だったの?ならば 安倍清明は人間と狐のハーフ?!

・・・んなワケではありません(笑)

 

 

これほどの力を持つ者がただの人間のはずはない!という人々の思いから生まれた伝説かな?

 

パパは人間だけど、ママは狐・・・だから清明は不思議な力を持って産まれたのだ!というネ。

 

   

  【画像:向かって左:大蘇芳年筆  右:和泉市HPより】

 

 

まあ、無難な理由付けとしては、母親はおそらくは身分の卑しさから追われたのでしょうが、そうした

(当時の)卑しい身分の人々には、上流階級の貴族たち以上に独特のネットワークと情報網があり、

その知識と情報で後年の清明を陰になり日向に支えたのではないかと言われています。


 

───以上、葛の花から思い浮かぶあれこれなど、でした。

秋の野に彩り添えよ葛の花いまに伝ふる伝説とともに   灰色の猫

 

 

それにしても台風の進路などが気になります。

 

うちのほうは今日明日と少々荒れそうな気配ですが、あなたもお気をつけくださいね。

 

それでは今日はこれで・・・最後までお読み頂きありがとうございました。   

                                           ペタしてね