練習中の怪我で、イエテボリワールドを欠場したエヴァン・ライサチェック選手ですが、けっこう元気になっているようです。
icenetwork.comで、新しいarticleを見つけました。ま、新しいっつっても、10日に掲載なので、ご覧になった方も多いと思いますけど。
記事タイトルは「Lysacek heals wounds with "Stars on Ice"」
「スターズ・オン・アイス」に出場しながら、ライサチェック選手はだんだんと癒えていっている……というようなタイトル。
「ベン・アゴストは最高の役者かもしれないけど、私は最高のプレイヤーですよ」
なーんて、記者に嘯くエヴァン君。なんだ、すごく元気そうですね。
記事では、公演地をめぐるスケーターたち、ライサチェック選手ややタニス・ベルビン選手、キミー・マイズナー選手たちは、バスで移動中に昔懐かしい「I Love Lucy」というペーパーボードゲームで遊んでいる、というような、ほほえましい情報も挟み込まれています。ほかのスケーターたちの多くは、バス内で、「Guitar Hero」というテレビゲームで遊んでいるそうなんですが、レトロな遊びは、タニス、ベン、キミー、エヴァン、といっためんめんに親密さを与えているもようです。
「スターズ・オン・アイス」に参加しているエヴァン君は、予想を上回るスター性とエンターテイメント性を発揮していると、ツアーディレクターのDavid Hoffis氏は語ります。彼の持ちプログラムである、マイケル・ジャクソンメドレーに、お客さんは大喜びだそうです。「じつは、地上では、ムーンウォークはうまくできないんですよ」と、エヴァン君は告白しています。
イエテボリワールドに参加しなかったエヴァン君は、現在の男子シングルの状況について、こんなふうな感想を述べています。
「いまの男子シングルは、圧倒的な誰かひとりによって支配されている……というわけではありません。トップグループにいる8人から9人のスケーターたちの中で、その日最高の演技をした選手が勝つんです。全員にチャンスがあるってことはわかってるので、なんとかライバルを押しのけて前に出ようと思うことは、全員の励みになります。誰がどの順番になるかとか、ほんとうに予測不能なんですよ。2010年のバンクーバー五輪についても、明確な優勝候補が誰か、まだぜんぜんわかってないんだけど、それはいいことだと思います。このトップグループは、ここ10年くらい互いに競っているメンツです。お互い浮いたり沈んだりしながらね」
圧倒的な誰かふたりに支配されていた、ソルトレイク五輪以前、圧倒的な誰かひとりに支配されていた、トリノ五輪以前、あのころに比べると、いまの男子の戦国模様はじつにエキサイティングというか、ファンとしても、燃えます。そして彼らの戦いは、じつはいま始まったわけではなくて、ジュニア時代から、10年を経た戦いなんですよね。そのときどきで、浮いたり沈んだりしながら、切磋琢磨して、頂点を目指す。バンクーバーまでのあいだに、男子シングルは飛躍的に進化しそうな気がする……と思っているのは、灰原だけではないと思います。
現在の怪我の状態については、
「肘と肩にまだ痛みが残っている」としつつも「ずいぶん回復してきた」と語るエヴァン君。どうも、リハビリは、フロリダの、キミーやトッド・エルドリッジさんがいるリンクでやってたみたいなんですね。ひとりでリハビリしなかったのはちゃんと理由があって「まえに怪我したとき、ひとりでリハビリしたときは、回復が遅れたから。友だちといっしょにいたほうが、リハビリが簡単なんです」と語ります。
さて、この記事で注目したいのはここ!
Lysacek hopes to execute his triple Axel combination in Tokyo, and is picking up a little extra coaching from 1998 Olympic champion Ilia Kulik, who is also performing with Stars on Ice.
"Yeah, Ilia is helping me get back with the triple Axel; he has some secret Russian tips I can't say," Lysacek laughed. "Kimmie is pushing me through my program run-throughs, we have our little team."
スターズ・オン・アイスのキャストである、イリヤ・クーリックさんに、3Aの調子が戻るよう、エヴァン君はワンポイントコーチをお願いしているというのです。「ロシア式のコツ」とやらを、伝授されたもよう。そして、キミー・マイズナー選手は、エヴァン君が曲がけ練習をするよう、日々、尻を叩いているようです。キミー…。明らかにキミーのほうが年下なのに、なんかお姉ちゃんみたいですね。エヴァン君もまったく、なにが「we have our little team」であろうか。キミーの手を煩わせずに練習してくださいよ! 大人なんだから!
クーリックさんといえば、タチアナ・タラソワ女史が育て上げた長野五輪金メダリスト。綺麗なクワドジャンプは、いまも語り草です。
ただ、クーリックさんは3A教授の名手といわれる、ミーシンコーチの門下ではないんですよね。どんなコツを教わったのだろうか。気になります…。
エヴァン君の3Aについては、ちょっと昨シーズン、灰原は、正直いってプレローテーションが気になるなーと思うときがあって、じっさいだんだんダウングレードされてきてましたよね。フォームが微妙に崩れてたのかもしれない。でも、イエテボリ欠場して充分に休息し、スターズ・オン・アイスで名人に多く教えを受けたことで、3Aの調子が戻るかもしれない。むむむ、楽しみです。
ジャパンオープンでは「トスカ」を滑ってくれるそうな、エヴァン君。エキシビのマイケルジャクソンメドレーでは、いままでの「白黒つけるぜ!」的な衣装から離れた、派手衣装でノリノリに踊りまくってくれていますが、このノリが、競技に活かされるととっても強いと思います。まずは3A特訓の成果をジャパンオープンで見せて欲しいです。頑張れ!
"This is the one line we always say," Moir said. "The expectations that everybody else has for us, is nowhere close to the expectations we have of ourselves. I think we have great opportunity the next three years and we're going to do everything we can to be on that podium. We'll see what happens. But we're going to have a lot of fun the next couple of years of our lives."