※こちらの記事は一部、性的な表現をしていますのでご了承ください。
魅由鬼との交差以降
幽助は交差の際に、魅由鬼の正体を知ります。
それと同時に、
こいつは見た目や声、喋り方から雰囲気まで女だが、本当は男だ。
だから女として見なくていい、男として扱う、もっと言えば何してもいい。
という心情が、
2度も胸を狙ったり、「そいつは男だから手加減しなかった」という趣旨の発言から伺えます。
そして、
魅由鬼のジェンダー性を面白がってネタにし、
その一方で
魅由鬼に対する嫌悪も持っている。
そんな印象を感じました。その辺り、話していきます。
1、余裕からの油断
2、調子に乗った魅由鬼への戒め
3、苛立ち
4、ようやくできる「面白い」話
5、やっぱり魅由鬼の存在は許せない
1、余裕からの油断
前編でもこの画像の幽助の感情については話しましたが、
最初の交差で魅由鬼の攻撃を交わしながら胸や股を触ることに成功した幽助は
余裕を見せます。
魅由鬼に対して「見きったぜ!」と誇らしげな顔を見せ、
「無駄な抵抗はやめとけ、おめぇ勝ち目がねぇのはわかったろ。」
と強気な発言をするのです。
幽助からすれば
魅由鬼は倒すのに苦労しない相手です。
むしろこんな見た目が女なのに実は男という
面白いことを見つけちまったという喜びが勝っている印象さえあります。
「なんだこいつ、全然大したことねぇじゃねぇか。しかもこいつ男かよ、だったら手加減する必要もねぇしこいつ倒すのは余裕だな。」
そんな気持ちが油断を生みます。
そして、その油断によって魅由鬼から鞭の攻撃をくらい、一時ピンチになるのです。
この辺りから幽助の表情は変わっていきます。
2、調子に乗った魅由鬼への戒め
そんな幽助の感情の変化を見ていきます。
魅由鬼に首を絞められて吊るされる幽助は、怒った顔を見せ
魅由鬼を睨みつけます。
そして壁を突き破り、幽助は魅由鬼の目の前に突然現れ
勝ち誇ったように笑みを浮かべます。
慌てて逃げる魅由鬼をさらに追いかけ、容赦なくその胸を殴ります。そして間髪入れず、倒れた魅由鬼をジャンプして踏みつけ地面に叩き落とします。
この幽助の容赦ない攻撃は、弱いと思っていた魅由鬼が予想外な攻撃で追い詰めてきたので、
それに怒り、そのため激しく反撃に出た
のではないでしょうか。
幽助からすれば魅由鬼は
「弱いしネタにもなるある種おもちゃみたいな程度のもの」だった。それが突然こんな攻撃をしかけてきた。それが許せなかった。
だから怒った表情を見せた。
「弱いくせに調子にのりやがって!そっちがその気ならもう容赦しねぇからな!」と。
そうは言っても幽助からすれば魅由鬼は「余裕で倒せる相手」です。
だから魅由鬼の攻撃を解き、彼女の前に現れた時点で幽助にとっては「勝ったも同然」です。そこから生まれた余裕から勝ち誇ったように笑います。
それと同時にこれから起きる「お楽しみ」への期待もあったでしょう。
これから魅由鬼を遠慮せずに叩きのめせるのですから。
そして突然目の前に現れて相手を怖がらせた上に逃げる相手にピッタリ張り付くように追いかけ、
「女みてぇな男が!変な格好しやがって、この変態野郎!これでもくらえ!」
と言わんばかりの表情で、その胸を殴ります。
しかし、わざわざ男性の胸を集中的に狙うでしょうか。
女性の象徴である胸を狙うということは、幽助は魅由鬼を普通の男性と見ていない、
つまり、ちょっと違う性質を持っていることに気づいているわけです。その上でわざわざ魅由鬼の胸を狙った。
つまり幽助は、具体的に魅由鬼の姿をどう思っていたかはわかりませんが、少なくともこれが魅由鬼への嫌がらせになることをわかって、わざと魅由鬼の胸を殴ったのです。
「ふざけた格好してるくせに、よくもやってくれたな!」
という怒りの気持ちが表れているのかもしれません。
しかし、魅由鬼からすればふざけてもないし真っ当に戦っている中での仕打ちなのでとんだ理不尽です。
こんなことをしても幽助からすれば魅由鬼は男だから問題ないのでしょう。
3、苛立ち
天井で魅由鬼の胸を殴った以降の幽助の表情からは、
魅由鬼をとにかく叩きのめそうという意志を感じます。
その表情には本気で倒そうという気持ちが表れていたり
起き上がる魅由鬼を睨みつけたりと。
正々堂々と戦っているようにも見えなくもないですが、わざわざ2回も胸を狙うという、先程も話した通り、嫌がらせとも取れる攻撃をしていますし、
天井で魅由鬼の胸を殴った後の場面(下の画像)を見ても、魅由鬼を見ている姿が何か、不快なものを見る目にも見えます。
つまり幽助は不快な相手に嫌がらせをして叩きのめそうとしている。
言うなれば、
魅由鬼に対する嫌悪を抱いていると考えられます。
こう考えると、これ以降の幽助も、何か不機嫌そうにも見え、諦めの悪い魅由鬼に苛立っているようにも見えなくもないです。
胸を殴る時の表情もかなり怒ったようなものでした。
「しつけーんだよ!もっかいくらいやがれ!」
と言わんばかりに胸を2回も狙う理由としては、再び立ち上がる魅由鬼を黙らせるために先ほど話した嫌がらせを含めた肉体的な制裁の意味合いが含まれているのでしょうか?
そこにさらに桑原に茶々を入れられて、
「戦いの途中だ、ごちゃごちゃ言うな」と、
不機嫌そうな顔で、桑原を睨めつけます。
「うるせぇな、今あいつを大人しくさせてんだ、口出しすんな!」といった感情でしょうか。
魅由鬼のことを桑原たちにバラして驚かせてやろうと思ってたのに、
魅由鬼からも桑原からも邪魔をされるせいで上手くいかない。
もしかしたらそんな苛立ちもあるのかもしれません。
そこにまたも魅由鬼が立ち向かってくるのですから、「うっとおしーなー!てめぇは黙ってろ!」と邪魔者扱いするように魅由鬼の顔を蹴り飛ばして黙らせます。
魅由鬼がそこから動かなくなると、「やっと黙ったか。」
といった顔をした後、ようやく桑原達の相手をします。
4、ようやくできる「面白い」話
これで「邪魔な」魅由鬼を黙らせた幽助は、ようやく桑原たちに「面白い」話ができます。
天井で魅由鬼を追い詰め、地面に叩き落とした以降の幽助の感情としては
魅由鬼を早く黙らせて桑原たちに魅由鬼の正体のことを言いたい
といったものだったでしょう。
なぜそう言えるかにも触れつつ続けます。
幽助は確かに魅由鬼が何度も立ち向かってくること、桑原から茶々を入れられることに対して不機嫌な態度を取っていました。
しかし、
魅由鬼の正体を知った瞬間は確かに喜びに満ちた顔をしていました。
これに加えて幽助は、桑原から女性の顔を蹴ったことなどを責められた時点までは不機嫌な顔をしていますが、それ以降、
魅由鬼の正体をバラし、桑原たちが驚く様子を見せてからはその態度を一変します。
「はじめに調べてみたらな・・」
と、魅由鬼への「確認」について話し始めてからは一気にふざけた顔になります。
魅由鬼の正体について語る幽助はとても砕けた様子でした。
魅由鬼のことを面白がってネタにしている証拠です。
これらのことからも、桑原自体に対して不機嫌になっていた訳ではなくただ、
早くさっき知ってしまったことを話したかったのではないか
と思えます。
↑「いや、一応女だったら手加減しようと思ってな」と、ここまでは真面目な顔だった
↑「下にはちゃんとついてやがった」と残念そうな呆れ顔に
とにかく、幽助はこれでようやく自分が気づいてしまった「目の前の、一見女に見えるこいつの正体」という、面白い話ができるわけです。
「変なやつ」である魅由鬼をネタにすることで盛り上がり、完全に魅由鬼への配慮より面白さを優先して楽しんでいます。
そして桑原も、さきほどまでの怒りはどこへやら、男だとわかった途端安心した様子を見せ、すっかり落ち着きを取り戻します。
先ほどまでの険悪さは晴れ、すっかり和やかなムードです。
5、やっぱり魅由鬼の存在は許せない
しかし幽助達が、そんな和やかさの中に魅由鬼を混ぜることは決してありません。
幽助が、桑原へ苛立ちは見せなくなったものの魅由鬼への怒りは相変わらずです。やはり魅由鬼のことを嫌悪的に見ているように見えます。
そして幽助は、魅由鬼を思う気持ちも、彼女に遠慮する気持ちも決して持つことはありません。
その辺り、話していきます。
魅由鬼は起き上がり、「正体がわかったから手加減しないなんて差別だわ、体は男でも心は女よ」と再び立ち上がると
さっきまでの和やかなムードは一変、幽助の表情は再び怒り顔になります。
そして「ざけんじゃねぇ!」と魅由鬼の胸ぐらと股関を鷲掴んで持ち上げ、そのまま投げ飛ばします。
幽助は怒りを感じると魅由鬼に性的な嫌がらせをする傾向にあるので、わざわざ股間を狙い、そこを鷲掴んで持ち上げるという行為を行ったのもわざとでしょう。
そしてその目的はやはり魅由鬼を精神的にも肉体的にも痛めつけること。そのためなら相手の股間をまさぐり持ち上げるなんてわけありません。しかも幽助は、以下のブログ
の3でも書きましたが、魅由鬼の股間を相当な力で握り潰しているのです。たとえ心が女だとまで言っていようが関係ありません。むしろだからこそ、心身ともに痛めつけるには効果があっていいのです。
そしてそんなことをしても何も問題ありません。なぜなら幽助からすれば魅由鬼は男だからです。だから何をしても許されるのです。
しかし幽助は魅由鬼の何に怒ったのでしょう?
何が気に食わなくて魅由鬼を投げ飛ばしたのか。
その態度の通り、魅由鬼の半端な考えに怒りを感じたのでしょうか?
しかしこれには疑問を感じます。
というのも、
まず幽助の「心だけ女なんて中途半端だ、それだったら体もちゃんと女になれ」という主張自体が、やはりあまりに厳しい要求です。そもそも簡単にクリアできるようなものではありません。
それができていないからといって、ここまで痛めつける必要があったのでしょうか?
それにその後、桑原が気絶した魅由鬼のスリットを掴んで覗こうとしてぼたんに殴られる姿を見た時、面白がるように笑っていました。
本当に魅由鬼のことを思って「体も女になれ」言ったのであれば、気絶しているとはいえ「心は女だ」と言っている彼女が女性として辱めを受けそうになっているのを助けるでもなく、ただ面白そうに笑みを浮かべながら見ているのも不自然な話です。
このことからも幽助は「魅由鬼のことを思ってあえて厳しい仕打ちを与えた」という訳では少なくともなさそうです。
であればあとは、
「偉そうに主張すんな」という怒りでしょうか。
幽助からすれば魅由鬼なんてネタにするための道具でしかなく、その気持ちを尊重する価値などない。
そんなネタにされて笑われてんのが関の山のザコ妖怪が一丁前にふざけたことを言ってきやがった。
ただでさえ鞭の攻撃でムカついてるのに、偉そうに気持ち悪いことを言い出してきたせいで余計に腹が立った。
幽助にとって魅由鬼はしつこく目障りな奴で、存在そのものが許せない。だからこれ以上舐めたことができないように思い切り痛めつけた。
そして魅由鬼が気絶して今度こそやり返してこなくなっても睨みつけ続けるほどに魅由鬼を嫌悪していた。
だからこそ、彼女がそのスリットをめくられて中身が覗かれるという辱めを受けそうな状況でも特に気にせず見ていられたのではないでしょうか。
やはり幽助にとって魅由鬼は
ネタとして扱われるのが華、それ以上のことをしてくるのは頭が高い、ということでしょうか。
女と戦うことはためらいを抱くが、
下にものさえあれば心が女だと言おうが決して女性としての配慮はせず、遠慮なく男性以上の辱めを受けさせて口答え一つ許さない。
色んな意見があるでしょうが、当時のジェンダー観としてはこれも普通なのかもしれませんね。
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